[CML 049973] ホームレスからの実質的な選挙権の剥奪の問題

OHTA, Mitsumasa otasa at nifty.com
2017年 8月 18日 (金) 14:28:19 JST


皆さん

先日のとりプロ実行委員会でも話題に出ましたが、ホームレスからの実質的な選挙権の剥奪の問題です。私がいわゆる1票の格差訴訟の形態で2014年衆院選などの選挙無効訴訟を提起した際の訴状でも、この問題を取り上げました。

訴状の第8章「野宿者など住所非保有者の実質的な選挙権剥奪は制限選挙であり違憲である――住所非保有者も適正に生活保護を受給できるように、住所非保有者の選挙人名簿を調製して選挙の公正を確保できる」から第2節を抜粋してご紹介します。転載した新聞記事だけでもぜひご覧ください。

第2節 行政は居所・仮住所を住所と見なさず、民法、住民基本台帳事務処理要領、過去の住民登録事例に違背する

 民法は、「各人の生活の本拠をその者の住所とする。」(第22条)、「住所が知れない場合には、居所を住所とみなす。」(第23条1項)、「ある行為について仮住所を選定したときは、その行為に関しては、その仮住所を住所とみなす。」(第24条)と規定している。
 また、住民基本台帳事務処理要領は、住所の認定基準を「住所の認定にあたっては、客観的居住の事実を基礎とし、これに当該居住者の主観的居住意思を総合して決定する。」と規定している。
 さらに、過去の国会審議では、以下のように認められている。

「恐らく、ただいまの答弁は、過去に、実際の事例といたしまして、洞窟の中に住んでおる方、あるいは橋の下で生活を営んでおられる方に住民票が交付されたということを指し示しておられるんだと思います。」(矢野隆司分科員、164 - 衆 - 予算委員会第三分科会 - 2号、平成18年03月01日)

 以上の諸事実があるにもかかわらず、現在の行政は住所非保有者の居所を住所としないばかりか、下掲の例にあるように、不法に住民登録を怠り、住所を剥奪する挙に出ているのが実態である。

「日雇い労働者は定まった住所を持っていないことが普通です。そこで釜ヶ崎解放会館という施設を住所として登録し、失業手当を受け取るために必要な手帳の交付を受け、選挙権も持っていた。しかし大阪市は二〇〇七年、労働者二千人以上に対しこの住民登録を一斉に削除する暴挙に出た。それで労働者たちは手帳も選挙権も奪われた。これは主権者が主権を行使する機会を奪われたということで、重大な問題だ。」(遠藤比呂通弁護士、2013年6月30日付東京新聞「あの人に迫る」「弱い立場の人に寄り添えぬ社会」)

 従って、住所非保有者の選挙人名簿を作成しない不作為は、民法、住民基本台帳事務処理要領、過去の住民登録事例に違背し、憲法の「国民の厳粛な信託」「正当な選挙」(前文)、「法の下の平等」(第14条1項)、「公務員の選定権(第15条1項)」、「全国民を代表する選挙」(第43条1項)、「議員・選挙人資格の差別禁止」(第44条)に反する。


太田光征


CML メーリングリストの案内