[CML 047592] Fwd: [siminfukuoka:1980] 松見俊さん(西南学院大学教授)の違憲陳述

りょうこ baffydct at gmail.com
2017年 4月 12日 (水) 19:07:12 JST


----------転送メッセージ----------
From: *後藤富和* <gotou at ohashilo.jp>
日付: 2017年4月12日水曜日
件名: [siminfukuoka:1980] 松見俊さん(西南学院大学教授)の違憲陳述
To: "kyujyo at freeml.com" <kyujyo at freeml.com>, "siminfukuoka at freeml.com" <
siminfukuoka at freeml.com>


後藤(福岡)です。

安保法差止福岡訴訟の第1回口頭弁論が開かれました。

権力は必ずと言ってよいほど腐敗し、民主主義でさえ、衆愚政治に陥ります。今日、もう一度、「日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的(
つまり、国際的平和主義)達成する」道に立ち帰るべきです。

松見俊さん(西南学院大学教授)


簑田孝行弁護士(元福岡地方裁判所所長)による訴状の要旨の陳述に続き、原告団から吉﨑幸惠さん(被爆者)、松見俊さん(西南学院大学教授)が平和への思いを訴え
ました。

松見俊さん(西南学院大学教授)による意見陳述を紹介します。

1. 私は、1947年の生まれです。「日本国憲法」が施行された年です。いわゆる「団塊の世代」であり、戦争を直接体験していませんが、
戦争の苦い経験と反省から成立した「日本国憲法」の価値観を基本にして生きてきました。東京にある大学を1970年に卒業、
その後西南学院大学の神学部神学専攻科を73年に卒業後、名古屋市と松戸市のキリスト教会で牧師を務め、
4年半の留学と日本バプテスト連盟という宗教団体の宣教研究所所長の働きを挟み、2004年から西南学院大学神学部で教鞭を取っています。

私の人生はそのまま平和憲法である「日本国憲法」の歩みでもありますが、以上のキャリヤからして、教育者と宗教者という2つの視点から、
安保関連法案が憲法違反であり、違憲であるその法案が忠実に納税義務を果たす主権者である私にいかに精神的苦痛を与えているかを陳述します。

2. まず、教育者の視点から新安保法制法が、違憲であり、私をはじめ、日本市民の平和的生存権を侵害していることを述べま
す。西南学院は昨年創立100周年を迎え、「西南学院創立百周年に当たっての平和宣言 - 西南学院の戦争責任・戦後責任の告白を踏まえて
-」を発表しました。西南学院は、平和と人権を大切にするキリスト教主義学校として設立されたにもかかわらず、先の軍国主義体制
下、天皇皇后の「御真影」の下賜を願い出、教育勅語を納めた「奉安殿」を建設し、各式典では宮城遥拝、君が代斉唱、
教育勅語の奉読がなされ、軍国主義の片棒を担ぎました。

3. 「西南学院新聞」(第61号、1943年5日)には、1942(昭和17)、1943(昭和18)年のいわゆる繰り上げ卒業により、57人が学業半ばで
出征し、29名の戦没者があり、追悼式が行われたと報告されています。ラグビー部OBの坂本譲氏は、当時のラグビー部の記録を調べ、ラグビー部だけで、2年間で
12人の戦没者がいたことを発見され驚愕されたと言われます。学院は、「皇風宣揚に勇戦奮闘せられよ」と学院の名で学徒出陣式を執り行い(西南学院新聞第62
号昭和18年11月25日)、彼らを戦場へと送り出し、自国の若者たちだけではなく、韓国・朝鮮、中国などの諸外国の人々をはじめ多くの人々に多大な苦しみを与え
てしまいました。1940(昭和15)年の右翼団体による「キリスト教撲滅運動」や、「キリスト者である以前に、日本臣民である」、「国家神道は宗教ではなく、
参拝は国家儀礼であり、習俗であるから、日本人であるなら当然神社参拝をすべきであると」言う理屈に絡め取られたとは言え、戦時体制への妥協・追随でした。

このような姿勢を悔い改め、二度と戦争に加担しない、二度と学生たちを戦争に送らないという決意を表明したものが、「
西南学院創立百周年に当たっての平和宣言」です。また、2015年9月には「安全保障関連法案の廃止を求める西南学院有志の会」が教員を中心にして132名、1
団体によって出されたのも、戦争に学生たちを送りたくないという想いからでした。

4.しかし、新安保関連法制は、集団的自衛権の行使を可能にし、他国の軍隊への後方支援活動の範囲を拡大しました。これは従来の内閣の憲法9条解釈とは異なり、
歴代の内閣法制局長官の国会答弁にも反し、山口繁元最高裁長官さえもが違憲であると評価し(「朝日新聞」2015年9月3日)、大多数の憲法学者の違憲である主張
したにもかかわらず、一内閣が憲法改正・決定権を侵害した許しがたい暴挙であり、明白な憲法違反です。

早速南スーダンに、いわゆる「かけつけ警護」の任務を付与された陸上自衛隊が派遣されましたが、陸上自衛隊日報において「戦闘行為があった」
と書かれていたにもかかわらず、稲田朋美防衛相は「法的な意味で戦闘行為はなかった」と強弁し(「朝日新聞」2017年2月9日朝刊)、結局、㋄
に撤退せざるを得ないことになりました。「元自衛官が(安保法案に)本気で反対する理由」(しんぶん赤旗日曜版編集部)によれば、派遣先はまさに、
殺し、殺される戦地なのであり、専守防衛や災害救援・人道復興支援ならいざ知らず、真に拙劣、曖昧な法の下で戦地に派遣されるのはたまったものではないと、
現場で一線を担った元自衛官20名が口を揃えています。

西南学院大学の卒業生で自衛隊に就職する学生はそう多くはないでしょう。しかし、このような極めて不備な法制で若者たちを戦場に送り出すことは、
かつての戦時下の過ちを再び繰り返すことであり、西南学院のせっかくの戦争責任告白に矛盾する行為であり、教育者として耐えがたい苦痛です。
このような憲法違反の安保法制による自衛官派遣を即座に差し止めるべきです。

5.次に、キリスト教の牧師、宗教者の視点から、新安保法制法が、違憲であり、私をはじめ、日本市民の平和的生存権(前文、13条)を侵害するだけでなく、
基本的人権(第11条)を侵害しており、私にいかに大きな精神的苦痛を与えているかを述べます。

私は、キリスト教の牧師として、イエスの教えを説教し、また、少しでもその教えに沿って行動することを心掛けてきました。
イエス・キリストは「剣を取る者は皆、剣で滅びる」(マタイ26:52)と言われ、暴力を暴力で解決することはできないことを教え、自らは十字架で殺戮され
る道を選びました。また、「平和を実現する人々は幸いである」(マアイ5:9)と言われました。このような非暴力抵抗の教えは黒人バプテスト・
キリスト教徒のマルチン・ルーサー・キングに受け継がれました。彼も暗殺されましたが、非暴力抵抗を貫いた彼の活動は、黒人の公民権獲得として結実しました。
私が宣教研究所の所長として研究し、また、研修した牧師と共に、日本バプテスト連盟は、非暴力を貫く「平和に関する信仰的宣言」を2002
年定期総会において採択しました(参考資料添付)。

6.確かにこのような非暴力抵抗の思想はキリスト教の、またキリスト教会の中でも少数派の思想であると見えるかも知れま
せん。しかし、民主主義とは、単に多数決原理のことではなく、少数者の意見に耳を傾け、個々人の人格の尊厳を尊重することがその本質です。いや、
非暴力の思想は、決して少数者の非現実的な理想ではありません。

ここで日本国憲法の「前文」に触れます。憲法「前文」は「憲法」制定の歴史的文脈を語ったものであり、憲法全体の「解釈原理」
であると思います。その歴史的文脈とは、アジア・太平洋戦争という植民地争奪戦争によって、自国民だけではなく、
被侵略国の民衆を死傷させたことへの痛切な反省から、二度と国権の発動としての戦争はしないという決意、またさらに、二度の世界大戦の経験を通して人類が
到達した英知が結晶したものです。憲法には、基本的人権の尊重、主権在民(民主主義)、そして国際的平和主義の3原則が述べられていますが、これを「
人類普遍の原理」であると宣言しています。単なる少数者の理想ではない、ということです。この憲法は制定・施行当時、世界最高の先進的憲法であり、だからこそ70
年以上改悪されることなく生きのびたのです。また、憲法9条には、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、
国際紛争を解決する手段としては、「永久にこれを放棄する」と言い、第11条では、この憲法が国民に保障する基本的人権は、
「侵すことのできない永久の権利」として認められ、第97条は、この憲法が日 本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、
これらの権利は、過去幾多の試練に堪え、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」
と宣言し、単なる少数者の理想ではかく、「人類普遍の原理」とされているのです。

国際連合のビルの玄関には、「彼らは剣を打ち直して鋤とし、槍を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず、もはや戦うことを学ばない」(イザヤ2:4)
の言葉が刻まれていると言います。このような「人類普遍の原理」は、多数決原理によっても変えることのできない基本原理であるのではないでしょうか。
戦争こそ、平和だけではなく、基本的人権、主権在民(立憲主義・民主主義)、平和的生存権、幸福追求権を侵害する諸悪の根源であることが、「
人類普遍の原理」と認められているのです。そればかりか、2015年5月の朝日新聞の全国世論調査によれば、憲法9条を支持し、
安保法案の成立は「必要ない」と答えている人が60%であり、「必要である」の23%を上回り多数を形成しているのが事実であり、
だからこそ政府は閣議決定という姑息な手段に訴えているのです。このような基本権を侵す安保法案の暴力的成立は、宗教者であり、平和憲法を持つ
一市民である私自身をいたく傷つけ、私の人格を否定し、心底からの苦痛を与えるものです。このような憲法9条違反
、いや憲法の基本原理そのものを否定するような新安保法制を即自廃止し、それに根差した自衛隊派遣は廃棄されるべきです。

7.最後に、一言付け加えます。憲法第12条は、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」
と言います。権力は必ずと言ってよいほど腐敗し、民主主義でさえ、衆愚政治に陥ります。今日、もう一度、「日本国民は、国家の名誉にかけ、
全力をあげてこの崇高な理想と目的(つまり、国際的平和主義)達成する」道に立ち帰るべきです。裁判官諸氏がこのような市民の切実な痛みの声に耳を傾け、
政治権力を「忖度」、慮るのではなく、憲法によって、基本的人権を擁護する「不断の努力」に与して下さることを心より願うものです。


安保法制違憲福岡訴訟-この道であっていますか?
平和を求めるみなさんの気持ちを国にぶつけませんか。子どもに平和な未来を残す大人の責任として。
あなたも原告になって子どもの未来を守りませんか。
皆様の参加をお待ちしています。
https://www.facebook.com/anpoikenfukuoka/

安保法差止福岡訴訟次回期日
日時 7月12日(水)14:00(13:30門前集会)
場所 福岡地裁301号


-- 
弁護士 後藤富和
大橋法律事務所
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