[CML 047591] Fwd: [siminfukuoka:1979] 吉﨑幸惠さん(被爆者)の違憲陳述

りょうこ baffydct at gmail.com
2017年 4月 12日 (水) 19:07:02 JST


----------転送メッセージ----------
From: *後藤富和* <gotou at ohashilo.jp>
日付: 2017年4月12日水曜日
件名: [siminfukuoka:1979] 吉﨑幸惠さん(被爆者)の違憲陳述
To: "kyujyo at freeml.com" <kyujyo at freeml.com>, "siminfukuoka at freeml.com" <
siminfukuoka at freeml.com>


後藤(福岡)です。


安保法差止福岡訴訟の第1回口頭弁論が開かれました。


「もっと生きたかった」という原爆犠牲者の思いを胸に生きてきた私の人生を,戦争の犠牲になって終えることは絶対に嫌です。

吉﨑幸惠さん(被爆者)


簑田孝行弁護士(元福岡地方裁判所所長)による訴状の要旨の陳述に続き、原告団から吉﨑幸惠さん(被爆者)、松見俊さん(西南学院大学教授)が平和への思いを訴え
ました。

吉﨑幸惠さん(被爆者)による意見陳述を紹介します。

1 私は5歳の時に長崎で被爆しました。その苦しみを,二度と繰り返してはならないと思い,被爆体験の「語り部」をはじめ平和活動に取り組んで参りました。

私を支えてくれたのは,憲法九条です。戦争を永久に放棄すると定めた憲法九条は,被爆者を含む多くの戦争の犠牲者のうえにあります。
戦争の悲惨さを語り,戦争のない社会を目指して活動することに,勇気と自信を与えてくれました。

ですから,多くの反対の声をふみにじり,安保法制が成立したことに,強い衝撃を受けました。

こんなにも簡単に,憲法が壊されていいわけはない,安保法制のもとでは,私自身が,そして私が語りかけてきた子ども達が,
再び戦争の惨禍を経験することになるかもしれないと思うと,怒りと恐怖を感じます。

2 私の実家は爆心地から3.5厠イ譴芯杭蟷坩卜瀕喞です。実家は農家で,両親と6人の姉妹のほか,近所には親戚も住んでいました。

私は,妹や近所の子,疎開してきていた街の子も一緒に,家の中で,追いかけっこをして遊んでいました。雲ひとつない真っ青な空が,突然「ピカッー」と強烈な光で,
辺りが真っ白になりました。驚いて,その場にピタっと立ちすくみました。子ども心にも何が起こったんだろうと訳がわからず,
あっけにとられた一瞬でした。次にものすごい爆風が襲ってきて,家の中の家具や建具,大きな仏壇までもが次々に倒れました。子どもたちはパニックになり,
泣き叫びながら裏庭の防空壕に逃げ込みました。逃げるとき,畳に刺さったガラスで足を切ったため,防空壕では,痛みと恐怖で,みんな泣き声を張り上げて,
大人たちが来るまでそれは止みませんでした。

外で作業をしていた父と母は,背中と胸にやけどを負いました。姉は,まだ赤ちゃんだった妹を咄嗟に自分の体をかぶせてかばいました。
そのおかげで妹は無事でしたが,姉は爆風で飛んできたガラスの破片が,頭と太ももに刺さり,頭から流れ出る血で気を失いました。その日の晩,
爆心地である浦上の上空は,火の海となった街の炎で夕焼けのように赤く染まっていました。家の中は爆風で滅茶苦茶になりましたので,お縁の下にござをしいて,
みんなでごろ寝をしたあの夜の光景は忘れられません。

近所に住む14歳のいとこは,学徒動員で爆心地から1.4キロしか離れていない兵器工場で働かされていました。その日のうちには帰って来なかったため,翌日から,
私の両親や親戚の者が爆心地の方に向かい,手分けをして探しました。

その時に見た光景はまさにこの世の地獄だったと両親から聞きました。男女の区別もつかない,黒焦げになった死体の上に死体が重なっており,いつしか「
気持ち悪い」という感情も薄れて,素手で顔を触って確認していったこと。生きている人も目玉がえぐられ,あるいは飛び出し,髪の毛は逆立ち,
ズルむけになった皮膚をボロ切れのように垂らしていたこと。焼けただれた全裸の人のうめき声。熱線と炎に焼かれ,血に染められ,膿にまみれた肉体の臭い。
母は失神と嘔吐を繰り返しながら,それでもいとこを必死に探し続けたそうです。

3日目になり,伊良林国民学校の救護所で,いとこは見つかりました。戸板に乗せられて帰ってきましたが,やけどや怪我はしていませんでした。
日が経つに連れて容体がどんどん悪くなっていきました。発熱,嘔吐,下痢がひどく,やがて歯茎から出血し,
全身に紫の斑点が出るといった様々な症状が現れたのです。そして原爆投下から9日目の8月18日,急性原爆症で亡くなりました。
裏山の空き地で荼毘に付された14歳の生涯はあまりにも短く,そして残酷過ぎました。

いとこを探して原子野を歩き回った両親と親戚たちも,後年がんを発症し,亡くなりました。姉も乳がんを患い,妹は甲状腺機能低下症で今なお苦しみの中にいます。
そんなことから,今度は自分の番ではないかという恐怖を抱きながら,日々を過ごしています。あの日から何十年経過しようが,
これが被爆者ゆえの不安と悩みであり,消えることはありません。

3 幼かった私は,自分では両親が見た「地獄」は見てはおりません。けれども,語り伝えることはできます。両親や先輩被爆者から聞いたこと,被爆体験集や写真集,
資料集で学んだことをしっかりつかみ,1983年から語り部を務めています。語りたくても語れない死者達に代わって,
そうすることが残された者の使命だと思うからです。

現在までの34年間に,小中学校をはじめ様々な場所で被爆体験を語ってきました。子ども達は皆,真剣に被爆の語りを聞き,感想文を寄せてくれます。

「命を大切に,今を大切に生きようと思いました」「平和についての学習をもっともっとしていきたいです」「爆弾より怖いのは,戦争をおこす人間の心」「
戦争は勝っても負けてもいいことはない」「今日聞いた話を,まずは家族から話して伝えていこうと思います」「署名活動などがあれば積極的に参加したいと思う」「
平和な世の中を若い人がつくっていかなければいけないと思った」などと,感想文に書いてくれた子ども達も数多くいます。

私は,被爆した柿の木の苗の植樹活動もしています。この柿の木は爆心から900m地点にあってケロイド状態になった5本の柿の木の子孫です。今年も1月24日に,
福岡市内の3つの小中学校で,苗の植樹をしました。その時に「一世から二世へ,そして三世へと命のリレーをしてきたこと,
社会人になってもいつまでも見守り続けてほしい」と呼びかけました。

語り部や植樹の活動を通して,子ども達に語り伝えていくことで,平和の種撒きを次世代につなぎ,それが豊かに実ることを信じています。

4 一昨年(2015年),NPT(核兵器不拡散条約)再検討会議・ニューヨーク行動に参加しました。生きている間に被爆者らしく,
被爆者にふさわしい活動をと被爆70年にあたりそんな決意を固めてのことでした。

その折,安倍総理もアメリカに来ていました。米国連邦議会での演説で,安保法制の成立を,夏までには実現することを約束し,「積極的平和主義」を訴えたのでした。

当時,安保法制について,日本国内で十分な議論がなされていたわけではなく,多くの国民が反対の声をあげていたにも関わらず,それを無視して,アメリカに対して,
安保法制の成立を約束した安倍総理の態度には,心底,怒りを覚えました。

その翌日に,私はワシントンの教会で,スピーチをしました。その中で,本日,述べたことと同様の被爆体験を話し,
核兵器全面廃止を訴えましたが,スピーチの最後に,世界に誇る平和憲法を持ちながら,安倍政権与党は国民多数の反対を無視して,「集団的自衛権行使」
容認を閣議決定し,「戦争のできる国」への道を進もうとしていること,「積極的平和主義」が詭弁であることを訴えました。そして,私が,国民の一人として,
真の平和と正義を貫くためにいっそう誠実に活動を続けることと,その決意を述べました。

「もっと生きたかった」という原爆犠牲者の思いを胸に生きてきた私の人生を,戦争の犠牲になって終えることは絶対に嫌です。

私の話を聞いて,命の尊さや平和に生きることの価値に思いをいたし,戦争のない平和な社会を築くことを約束してくれた,
子ども達の命が奪われることは,本当に耐え難いことです。

人権救済を使命とする司法こそが,安保法制が,憲法に反していることを,明確に判断いただくことを切に願っています。


安保法制違憲福岡訴訟-この道であっていますか?
平和を求めるみなさんの気持ちを国にぶつけませんか。子どもに平和な未来を残す大人の責任として。
あなたも原告になって子どもの未来を守りませんか。
皆様の参加をお待ちしています。
https://www.facebook.com/anpoikenfukuoka/

安保法差止福岡訴訟次回期日
日時 7月12日(水)14:00(13:30門前集会)
場所 福岡地裁301号
-- 
弁護士 後藤富和
大橋法律事務所
〒815-0033 福岡市南区大橋1丁目8番19号プロベニオ大橋6階
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