[CML 045016] 沖縄タイムス社説[辺野古訴訟 県敗訴]異常な恫喝と決めつけ+琉球新報<社説>辺野古訴訟県敗訴 地方分権に逆行 知事は阻止策を尽くせ+<辺野古訴訟>裁判長「ほっとした ありがとう」異例の感謝 憤る傍聴席
uchitomi makoto
muchitomi at hotmail.com
2016年 9月 17日 (土) 10:21:28 JST
沖縄タイムス社説[辺野古訴訟 県敗訴]異常な恫喝と決めつけ
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/62528
2016年9月17日 07:00
県は敗れた。県側の主張はことごとく否定された。まるで国側の主張をそっくりそのまま引き写し、県に突きつけたかのような判決だ。
戦後70年以上も続く過重な基地負担、基地維持を優先した復帰後も変わらぬ国策、地位協定の壁に阻まれ今なお自治権が大きな制約を受けている現実−こうした点が問題の核心部分であるにもかかわらず、判決はそのことに驚くほど冷淡だ。
冷淡なだけではない。自身の信条に基づいて沖縄の状況を一方的に裁断し、沖縄の民意を勝手に解釈し、一方的に評価する。県敗訴は当初から予想されてはいたが、これほどバランスを欠いた独断的な判決が出るとは驚きだ。
司法の独立がほんとうに維持されているのかという根源的な疑いさえ抱かせる判決である。とうてい承服できるものではない。
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名護市辺野古の新基地建設を巡り、国が翁長雄志知事を訴えた「不作為の違法確認訴訟」の判決が16日、福岡高裁那覇支部で言い渡された。
多見谷寿郎裁判長は、前知事が行った埋め立て承認に裁量権の逸脱・乱用による違法性はなく、翁長知事の承認取り消しは違法との判断を示した。
公有水面埋立法に基づく県知事の埋め立て承認は「法定受託事務」と位置づけられている。判決は、法定受託事務に関する国の是正指示がなされた場合、「地方公共団体はそれに従う法的義務を負い」「それをしない不作為は違法となる」と指摘。埋め立て承認取り消し処分の取り消しを求める石井啓一国土交通相の是正の指示に知事が従わないのは違法、だと断じている。
代執行訴訟で国と県の和解を勧告したのは多見谷裁判長である。政府は和解に応じた。だが、それは協議を重視したからではなく、高裁から国敗訴の可能性を指摘されたからである。安倍晋三首相がオバマ米大統領に「急がば回れ」と語ったのは、こうした背景があるからだ。
3月4日に和解が成立すると、土、日を挟んで7日、直ちに翁長知事に対し、是正の指示を行った。政府自ら信頼関係を壊してしまったのだ。
県は是正指示を不服として国地方係争処理委員会(第三者機関)に審査を申し出た。係争委は適否の判断をせず、「真摯(しんし)に協議することが最善の道」だと異例の結論をまとめた。ところが、判決は、国に話し合いを促すのではなく、早期の司法決着をめざす国の主張を全面的に取り入れたのである。
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和解を勧告した当の裁判所が、ここに来て「互譲の精神による解決策の合意は無理」だと見切りをつけるのだから、なにをかいわんやだ。
一連の過程を振り返ると、国と司法が「あうんの呼吸」でことを進めてきたのではないか、という疑いを禁じ得ない。
沖縄の地理的優位性や海兵隊の一体的運用などについても、判決は、ことごとく国側の考えを採用している。
判決は、普天間飛行場の被害を除去するためには辺野古に新施設を建設するしかない。辺野古の新施設建設を止めれば普天間の被害を継続するしかない−とまで言ってのける。
これはもはや裁判の判決と言うよりも一方的な決めつけによる恫喝(どうかつ)というしかない。そのようなもの言いを前知事が「政治の堕落」だと批判していたことを裁判官は知っているのだろうか。
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これほど、得るところのない判決は、めずらしい。裁判官の知的誠実さも伝わってこない。
北朝鮮の「ノドンの射程外となるのは我が国では沖縄などごく一部」だと指摘し、沖縄の地理的優位性を強調している判決文を読むと、ただただあきれるばかりである。
県は最高裁に上告する考えを明らかにしている。高裁判決を丁寧に冷静に分析し、判決の問題点を明らかにしてほしい。
モンスターと対峙(たいじ)しているために自分がモンスターにならないよう、常に「まっとうさ」を堅持し、あらゆる媒体を利用して現状の理不尽さをアピールしてもらいたい。
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琉球新報<社説>辺野古訴訟県敗訴 地方分権に逆行 知事は阻止策を尽くせ
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-358566.html
2016年9月17日 06:01
前知事の名護市辺野古海域の埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事の処分を違法とする判決が、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)で下された。辺野古新基地に反対する県民世論を踏みにじり、新基地建設で損なわれる県益を守る地方自治の知事権限を否定する判決であり、承服できない。
米軍普天間飛行場の辺野古移設を巡る初の司法判断である。しかし国の主張をそのままなぞったような内容で、三権分立の原則を逸脱した判決と言わざるを得ない。翁長知事は上告審での反論とともに、知事権限を駆使して新基地建設への反対を貫いてもらいたい。
環境保全策を軽視
判決には大きな疑問点が二つある。まず公有水面埋め立ての環境保全措置を極めて緩やかに判断している点だ。
判決は「現在の環境技術水準に照らし不合理な点があるか」という観点で、「審査基準に適合するとした前知事の判断に不合理はない」と軽々しく片づけている。
果たしてそうだろうか。専門家は公有水面埋立法について「環境保全が十分配慮されない事業には免許を与えてはならない」と指摘している。埋め立てを承認した前知事ですら、環境影響評価書について県内部の検討を踏まえ、「生活環境、自然環境の保全は不可能」と明言していた。
大量の土砂投入は海域の自然を決定的に破壊する。保全不能な保全策は、保全の名に値しない。
辺野古周辺海域はジュゴンやアオサンゴなど絶滅が危惧される多様な生物種が生息する。県の環境保全指針で「自然環境の厳正なる保護を図る区域」に指定され、世界自然遺産に値する海域として国際自然保護連合(IUCN)が、日本政府に対し4度にわたり環境保全を勧告している。
判決は公有水面埋立法の理念に反し、海域の保全を求める国際世論にも背を向けるものと断じざるを得ない。
判決はまた、「普天間飛行場の被害をなくすには同飛行場を閉鎖する必要がある」、だが「海兵隊を海外に移転することは困難とする国の判断を尊重する必要がある」「県内ほかの移転先が見当たらない以上、本件新施設を建設するしかない」という論法で辺野古新基地建設を合理的とする判断を示した。
普天間飛行場の移設先を「沖縄の地理的優位性」を根拠に「辺野古が唯一」とする国の主張通りの判断であり、米国、米軍関係者の中にも「地理的優位性」を否定する見解があるとする翁長知事の主張は一顧だにされなかった。
県益より国益優先
判決は国の主張をほぼ全面的に採用する内容だ。裁判で翁長知事は辺野古新基地により「将来にわたって米軍基地が固定化される」と指摘した。その上で「県知事としての公益性判断を尊重してほしい」と訴えたが、判決は県民の公益性よりも辺野古新基地建設による国益を優先する判断に偏った。
「国と地方の関係は対等」と位置付けた1999年の地方自治法改正の流れにも逆行する判決と言わざるを得ない。
上告審での訴訟継続とともに、翁長知事にはなお、「埋め立て承認撤回」や「埋め立て工事の変更申請の判断」「岩礁破砕許可の更新判断」などの法的権限が留保されている。
IUCNの環境保全の勧告、米退役軍人が年次総会で辺野古新基地建設の中止を求める決議を行うなど、支援は海外にも広がっている。さらに国際世論を喚起することも今後の重要な方策だろう。
翁長知事は今回の違法確認訴訟の陳述で「辺野古の問題は沖縄県だけでなく地方自治の根幹、民主主義の根幹にかかわる問題。全てが国の意思で決まるようになれば、地方自治は死に、日本の未来に禍根を残す」と訴えていた。
上告審の最高裁が県益を代表する知事の主張に正当な判断を下すか、司法の責任が問われる。
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NO BASE 沖縄とつながる京都の会
あえてコメント加えさせていただきます
「任務完了」したご本人の本音でしょう。
このためにわざわざ派遣されたのですから。
でも、それを臆面もなく当事者の前で言いますか?
「三権分立」の建前すらも忘れてしまった「ヒラメ」裁判官 恥を知れ!!
【沖縄タイムス】2016年9月17日 07:48
<辺野古訴訟>裁判長「ほっとした ありがとう」異例の感謝 憤る傍聴席
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/62537
「ほっとしたところであります。どうもありがとうございました」。16日午後2時、多見谷寿郎裁判長は、約4分間の国側勝訴の判決言い渡しを安堵(あんど)の表情で締めくくり、県側代理人に一礼した。
翁長雄志知事が敗訴した場合に「確定判決には従う」考えを明言したことへの異例の“感謝”に、県側代理人は硬い表情を崩さなかった。傍聴席からは「出来レースとしか思えない」と憤りの声が上がった。
午後1時30分すぎ、国側の代理人らが次々と入廷。談笑したりスマートフォンを触ったりするなど、余裕を漂わせた。10分後に県側代理人が入ると、法廷は緊張感に包まれた。
判決言い渡しでは、傍聴席まで内容が聞き取りづらく、市民からは「どっちが勝ったのか分からなかった」と不満の声も。傍聴した今帰仁村の男性(75)は「一方的な判決だ。権力側ではなく弱い立場の側に立ってほしかった」と悔しさをにじませた。
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