[CML 045370] 関西救援連絡センターニュース2016年10月(1)
shoichi matsuba
mauricemerleau at yahoo.co.jp
2016年 10月 21日 (金) 09:54:48 JST
第329号 2016年10月
関西救援連絡センター
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■盗聴対象拡大、司法取引成立後の
共謀罪の上程を許すな
★新聞報道の嘘、表現は変わったが中身は従前通り
八月二六日、朝日新聞が朝刊の一面トップで「共謀罪要件変え新設案『テロ等準備罪』国会に提出検討」と報じ、翌日にかけて他のマスコミも同様の報道を行った。
マスコミ報道によると、政府は「適用の対象を絞り、構成要件を加えるなどした新たな法改正案をまとめ、東京五輪やテロ対策を前面に出す形で、罪名を「テロ等組織犯罪準備罪」に変え、九月召集の臨時国会での提出を検討している」とことになる。
今回の政府案では、組織的犯罪処罰法を改正し、「組織的犯罪集団に係る実行準備行為を伴う犯罪遂行の計画罪」(テロ等組織犯罪準備罪)を新設し、適用対象を単に「団体」から「組織的犯罪集団」に限定。「目的が四年以上の懲役・=禁錮の罪を実行することにある団体」と定義している。
共謀という言葉を使わずに「二人以上で計画」と置き換えられ、計画した誰かが、「犯罪の実行のための資金または物品の取得その他の準備行為」を行うことが構成要件に加えられている。これが変更点と報道されているが、「組織的犯罪集団」という認定も「準備行為」の認定も恣意的な認定が可能であり、歯止めにはならない。
★「共謀罪を新設しないと国際条約を批准できない」の嘘
日本の刑法体系は既遂処罰を原則としており、罪刑法定主義は憲法三一条にに規程されている。
政府は共謀罪か参加罪を新設しないとパレルモ条約(国連越境組織犯罪防止条約)が批准出来ないと主張するが、共謀罪も参加罪もなくても条約を批准している国はある。条約自体にも、「自国の法体系に準じて」とあり、法体系を破壊してでも新設せよとの規定はない。
「テロ対策に必要」の嘘
既に法律としては「爆発物取締罰則」や「内乱罪」「外患誘致・援助罪」があり、こうした法律には既遂罪・未遂罪・予備罪だけでなく、共謀罪が設けられている。また、殺人罪や強盗罪、現住・非現住建造物放火罪などの重大犯罪と思われているものには、未遂罪予備罪が設けられており、現行法以上のものが必要とはいえない。
★「共謀罪」は独立罪
対象になる罪は法定刑が四年以上の懲役・禁錮の罪であり、その数は七〇〇近いとみられる。また、法定刑の引上げに伴い、対象の罪は増え続けることになる。道路交通法や公職選挙法にも適用され、対象範囲は広い。
犯罪行為がなくても共謀罪は「共謀」単体で、犯罪とされる。つまり、未遂罪も予備罪も設けられていない罪でも、既遂罪が四年以上の懲役・禁錮の犯罪行為を共謀したと認定されると、予備罪や未遂罪で罰せられないのに、五年以下の懲役・禁錮となる。
★「共謀罪」を推し進めようとしているのは誰だ!
朝日新聞朝刊に掲載された当日の昼、菅官房長官は記者会見で、「共謀罪新設は必要」としながらも、「法案については、まだ現段階で何らかの結論は得ておらず、国会に提出する時期などについては、現在のところ、全く何も決まっていない」と法案の国会への提出は慎重に検討すると述べた。
共謀罪新設に対しては、法務省よりも外務省や財務省が積極的である。財務省は、FATF(金融活動作業部会)の勧告を根拠に、共謀罪がないと海外の銀行と邦銀の間で結ばれるコルレス契約(為替業務の代行契約)が出来なくなると主張している。
金田法務大臣は、ケネディ駐日大使との会談で「提出できる環境をできるだけ早期に整備するよう努めていく」と発言し、ケネディ大使は「アメリカとしても協力できることがあれば協力したい」と応答している。外務省の共謀罪新設への執念はアメリカからの要請だと思われる。
★盗聴対象の拡大、司法取引等の導入後の共謀罪
過去三回の共謀罪上程時とは異なり、今年成立した刑訴法改定により、物証のない犯罪の証拠作りの体制が整った。電話盗聴は第三者の立会もなく警察署の中で行われ、司法取引で証言を得ることができる。共謀罪は物証のない犯罪であり、そのようにして作られた証拠に対して、えん罪であることを立証することは難しい。
■「公安事件」で初の裁判員裁判
城?裁判(ジャカルタ事件)に注目を
オウム事件以外では初めての公安事件としての裁判員裁判による城?勉氏の裁判が始まっている。九月二一日から十一月一日の論告求刑まで二一回の公判期日が入っている。弁護人は裁判員裁判の適用除外を求めたが却下された。
城?氏は、赤軍派のM作戦で府中刑務所に服役中の一九七七年九月、日航機ハイジャック闘争(ダッカ事件)で指名され、超法規的措置で釈放された。
ジャカルタ事件とは、一九八六年五月ジャカルタの米国、日本大使館に金属砲弾が打ち込まれ、カナダ大使館前の車が爆破された事件をいう。「反帝国主義国際旅団」名の声明が報道機関へ送られた。
この事件で国際指名手配された城?氏は、一九九六年九月パールでFBIに拘束され、米国へ連行、起訴され、三十年の刑を受けた。刑期短縮で昨年一月に釈放され日本へ強制送還、ジャカルタ事件の日本大使館への容疑で逮捕され、「殺人未遂」「偽造有印公文書行使」の二件で起訴されたものである。
城?氏は、事件当時レバノンにいた。米国の裁判での目撃証言は城?氏の特徴とは異なっており、残されていた指紋も不可解な点が多く偽造された可能性が高い。
裁判は、目撃証人であるしたインドネシアのホテル従業員、指紋採取した警察官の証言などが終了している。弁護側証人として、山際有三氏が指紋のねつ造=転写実験について証言している。山際氏は田中義三氏の紙幣偽造事件でも指紋がねつ造されたものであることを証言し、田中氏は無罪となっている。
城〓勉氏の公判日程
第一回九月二一日/第二回九月二六日/第三回九月二七日/第四回九月二九日/第五回九月三十日/第六回十月三日/第七回十月四日/第八回十月六日/第九回十月七日/第十回十月一一日/第十一回十月一三日/第十二回十月十四日/第十三回十月十七日/第十四回十月十八日/第十五回十月二十日/第十六回十月二一日/第十七回十月二四日/第十八回十月二五日/第十九回十月二七日/第二十回十月二八日/第二一回十一月一日
(十月十七日現在、城崎氏の接見禁止は解除されていない。)
■和歌山カレー立会・PC国賠訴訟
控訴審第3回口頭弁論報告
今回、原告側は準備書面を提出し、証拠の数が膨大であることを示す証拠として和歌山カレー事件の地裁・高裁での証拠関係カード(証拠の一覧表)を提出した。
準備書面は、下記に掲載の「『よど号』新聞記事抹消事件」大法廷判決を引用して、「弁護人が事前に書面によって要請し、接見申込み当日も、職員に対し利用方法を始め縷々説明したにも関わらず、大拘所長は何ら具体的な検討をすることなく、持込みを全面禁止したもの」であり、制限の必要性などを検討し、比較考量もせず一律全面禁止とした決定は、違法であると主張している。原告側はPC持込みの必要性などについて、さらに補充書を提出する。
次回口頭弁論は、十二月十三日十時〜 大阪高裁八二号法廷
※一九八三年六月二二日「『よど号』新聞記事抹消事件」大法廷判決
一般に、刑事施設は「多数の被拘禁者を外部から隔離して収容する施設であり、右施設内でこれらの者を集団として管理するにあたつては、内部における規律及び秩序を維持し、その正常な状態を保持する必要があるから、この目的のために必要がある場合には、未決勾留によつて拘禁された者についても、この面からその者の身体的自由及びその他の行為の自由に一定の制限が加えられることは、やむをえないところというべきである(その制限が防禦権との関係で制約されることもありうるのは、もとより別論である。)。そして、この場合において、これらの自由に対する制限が必要かつ合理的なものとして是認されるかどうかは、右の目的のために制限が必要とされる程度と、制限される自由の内容及び性質、これに加えられる具体的制限の態様及び程度等を較量して決せられるべきものである」
■安倍靖国神社参拝違憲訴訟
大阪訴訟/十二月八日結審(控訴審)
東京訴訟/十二月二日最終準備書面陳述
★安倍靖国参拝違憲訴訟・関西
控訴審第一回口頭弁論は、九月十五日(木)午後二時から開かれた。冒頭、裁判長は補助参加の申立を却下し、代理人に退廷を指示。原告意見陳述および控訴理由書要旨の陳述、被告らの答弁書陳述を確認した後、裁判長は結審の意向を表明。これに対し控訴人代理人弁護士は「平和的生存権の主張・立証予定がある」と応じ、裁判官らの合議の結果、次回結審となった。次回口頭弁論は、
・十二月八日(木)午後二時
傍聴抽選締切は三十分前、裁判終了後の予定は未定。
★安倍靖国参拝違憲訴訟の会・東京
九月五日、十二日に十四名の原告の証言が行われた。しかし、在中国原告の胡氏は査証発給が拒否され、来日することができなかった。また、裁判所が選定した許氏の通訳人は許氏の話す広東語が理解できず、通訳が出来ない状態での証言となった。
年度内に判決を書く意向を表明していた谷口裁判長との進行協議により、十一月十八日に最終準備書面提出が予定されていた。しかし、十月六日に谷口裁判長は異動となり、次回口頭弁論では更新手続が行われ、原告らは証拠調べ請求等を出す予定。今後のスケジュールは新裁判長との協議で決まる。
・第十一回口頭弁論 十二月二日(金)午後二時〜 東京地方裁判所一〇一号法廷
終了後報告集会(予定)
★ノーハプサ靖国合祀取消訴訟 第九回 二月十五日(水)二時〜 東京地裁一〇三号
終了後報告集会(予定)
★十月十一日、今年も在韓靖国遺族とともに靖国神社に合祀取消要求を行いました。
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