[CML 045494] 田中龍作ジャーナル【沖縄・名護発】87歳のオバアが右翼に暴行? 出頭を要請した警察の鬼畜
dctthanks at excite.co.jp
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2016年 11月 1日 (火) 14:00:24 JST
報告 : 10.15 TPPを批准させない中央集会
http://monsoon.doorblog.jp/archives/54679589.html
山本太郎が稲田朋美の「恥ずかしい過去」を暴露!
http://www.asyura2.com/16/senkyo215/msg/268.html
この国は明らかに狂ってきた ― 右翼に暴行を働いたとして被害届が出されていた87歳のオバアが、きょう名護警察署に事情聴取のため出頭した。
「心臓に疾患があり足も不自由、何より高齢であるため、聴取は自宅にしてもらえまいか」 ― 弁護団が名護警察署長と那覇検察庁名護支部に上申書を提出し、今朝まで交渉したが、聞き入れてもらえなかった。鬼畜の仕業である。
出頭させられたのは「文子オバア」の愛称で知られる島袋文子さん(87歳・名護市辺野古)。火炎放射器で身を焼かれ、血の水を啜りながら沖縄戦を生き延びた。戦争の語り部だ。
文子オバアはつい先ほど(午後2時)、弁護士2人に付き添われて名護警察署に任意で出頭した。
地元紙などによるとオバアは今年5月、米軍キャンプシュワブ・ゲート前でカウンター街宣していた右翼の運動員の手を はたいた とされる。
はたかれたとされる運動員から警察に暴行の被害届が出され、警察は受理した。
車イスに乗った87歳のオバアが右翼の運動員をド突いたりできるだろうか? 右翼は反戦運動への嫌がらせで被害届を出したのだろう。驚きもしない。
この国は明らかに狂ってきた ― 右翼に暴行を働いたとして被害届が出されていた87歳のオバアが、きょう名護警察署に事情聴取のため出頭した。
「心臓に疾患があり足も不自由、何より高齢であるため、聴取は自宅にしてもらえまいか」 ― 弁護団が名護警察署長と那覇検察庁名護支部に上申書を提出し、今朝まで交渉したが、聞き入れてもらえなかった。鬼畜の仕業である。
出頭させられたのは「文子オバア」の愛称で知られる島袋文子さん(87歳・名護市辺野古)。火炎放射器で身を焼かれ、血の水を啜りながら沖縄戦を生き延びた。戦争の語り部だ。
文子オバアはつい先ほど(午後2時)、弁護士2人に付き添われて名護警察署に任意で出頭した。
地元紙などによるとオバアは今年5月、米軍キャンプシュワブ・ゲート前でカウンター街宣していた右翼の運動員の手を はたいた とされる。
はたかれたとされる運動員から警察に暴行の被害届が出され、警察は受理した。
車イスに乗った87歳のオバアが右翼の運動員をド突いたりできるだろうか? 右翼は反戦運動への嫌がらせで被害届を出したのだろう。驚きもしない。
〜終わり〜
皆様。いま高江で起きていることはやがて本土でも起きることです。マスコミがあまり報道しない高江の酷い現実を伝えるために、田中は大赤字を出しながら取材を続けています。ご支援何とぞ宜しくお願い致します…http://tanakaryusaku.jp/donation
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今週の videonews.com はフィリピンの専門家の日下渉による、ドゥテルテ論であったわけだが、それ以前に「フィリピン論」であった。
しかし、ドゥテルテ問題を考えるに、今起きている、「麻薬戦争」について言及しないわけにはいかない。彼が大統領に就任してから、すでに3500人近い、「(警官の射殺による)死者」がでていて、対して、警官の死者は10人ちょっと。まったく、銃撃戦になっていない。一方的に、警察が国民を打ち殺している。
こう考えると、戦前の関東大震災における、朝鮮人虐殺を思わせる。
しかし、なぜこのような「死者の山」ができているのかを考えると、ようするに、ドゥテルテの就任によって、一挙に
ルール
が変わった、ということなのだろう。つまり、ここで言う「ルール」とは
メタ・ルール
のことで、以前は、
ルールは徹底して「ざる」だった
というわけで、確かに以前から麻薬は「犯罪」であったが、国民がそれで裁かれるということはなかった。だれも裁かなかった。といううか、どんなに麻薬をやっても、
警察にお金を渡せば
無罪放免になった。ようするに、ドゥテルテ以前は「わいろ社会」だった。どんなルールも「わいろ」を渡せば、見逃された。警察から官僚から、あらゆる末端が「腐敗」しているので、すべては「わいろ」次第の社会だった。
ところがここに、急に、今までの「慣習」を徹底的に否定する人が現れた。
ルールや破ったら、牢屋だよね
と。それが、ドゥテルテだった。つまり、急に「メタ・ルール」が変わったのだ。これに困ったのが、フィリピンの警察であり官僚であろう。彼らは、麻薬「わいろ」で生計を立てていた。つまり、最初から、麻薬常習者と「グル」だった。しかし、それではドゥテルテによって「逮捕」されてしまう。そこで、どうしようと考えたか。
自分と「グル」だった麻薬常習者の「口封じ」をしなければならない
と考えた。そうしなければ、自分が牢屋に入れられてしまう。そこで、ドゥテルテの「大虐殺」が始まってしまった。
それにしても、3ヶ月ちょっとで3500人近い「民間人」が警察によって殺された。もう、関東大震災のときの朝鮮人虐殺の比ではなくなっているわけである。
まあ、こうなるよなー、という感じだろうか。比較的に「ルール」にルーズに、「わいろ」にもあまり目くじらを立てないで、見逃してきた社会が、急に
過去に遡って、犯罪者を処刑する
となったら、その「暴力装置」側の人たちが、自分が処刑する前に、自分と「ぐる」だった民間人の口封じのために、次々と民間人を簀巻きにして、海に投げ出した、というわけであろう。これ。どこまで行くんですかね。
いや、恐しいな、と思うわけで、実際、世界中の人権団体が今、フィリピンに対して、さまざまな警告を発しているわけであるが、ところが、このドゥテルテは、それなりに、国民的な「支持」を受けて、大統領になっているわけなんだよね。
ようするに、これだけの「大虐殺」をやっておきながら、それなりの国民的な支持がある、というわけで、なんというか、アメリカのトランプ現象と同じような、
ネトウヨ
的なヘイト・クライムな現象が起きている、ということなのか、と注目をされている。
なぜ国民はドゥテルテを支持するのか。それは、彼が「フィリピンを秩序ある国に変えてくれる」という希望を象徴しているから。どこか逆説的に聞こえるが、きっとドゥテルテが、フィリピンを「秩序ある良い国にしてくれる」と国民は思っている、というわけである。
例えば、この麻薬戦争にしても、麻薬常習者は法律違反者であるだけでなく、少なからず、社会の秩序を脅かす、怖い存在として、国民から恐れられてきたわけであり、また、麻薬は「お米一袋」くらいの値段になり、多くの家計が、「お荷物的存在」として、こういった麻薬常習者たちを「困った存在」として、家庭の中でもけむたがっていたところがあった。
日本でもときどき、麻薬常習者による、常識人ではありえないような「奇行」による犯罪が問題になるが、ようするにフィリピン国民は、こういった「恐怖」に震えながら、毎日を生きてきたわけで、その「恐怖」を、今回、ドゥテルテが
救ってくれる=国家に<普通の国並みの>秩序をもたらしてくれる
という「期待」と共に見ているから、この「ドゥテルテ大虐殺」を、どこまで「ひどい」行為なのかと見積ることがうまくできていない、ということのようである。
フィリピンは長く、議会が大地主たちによって支配され、彼ら大地主がアメリカといった被植民地と裏で「ぐる」になってきたような国で、法律も大地主たちの都合のいいものでしかない、まったく、国民のための法律になっていない。アメリカだって、そういった大地主をコントロールしておけば、なんとかなるという関係の方が、社会をコントロールしやすいわけで楽なんだよね。しかし、そういった大地主たちが、議会を支配しているので、彼らの都合のいい法律しか成立しない。
まあ。そうなれば、だれも法律なんて守らないよね。それが「わいろ社会」なんだよね。
しかし、だからといって、だれも「ルール」を守らないし、いざなれば、あらゆる犯罪は「わいろ」でバーターされるとなったら、ようするに、社会が回らないんだよね。
いくら待っても、電車が来ないし、道路はいつも渋滞。だって、だれもルールを守らないから。しかし、それじゃあ、経済発展できないんだよね。それなりに経済成長をしようとすると、ある程度の「ルール社会」が実現しないと、あまりに社会のいろいろな「当たり前」のことが「できていない」わけで、しかし、海外に住んでみれば、他の国ではちゃんとできている。日本では、電車はちゃんとした時間に動くし、みんな交通ルールを守る。
それに慣れてくると、以前からのフィリピン社会の「だめ」さが、あまりにも問題のように、特に「インテリ」ほど感じてしまい、ここまでのドゥテルテへの期待が高まってしまう。
これから、一体、どうなってしまうんですかね...。
外国の軍隊がいる国はおかしいというドゥテルテの正論ー(田中良紹氏)
http://www.twitlonger.com/show/n_1sp8dh9
30th Oct 2016 市村 悦延 ? @hellotomhanks
外国の軍隊がいる国はおかしいというドゥテルテの正論ー(田中良紹氏)
http://www.asyura2.com/16/senkyo215/msg/245.html
先週から今週にかけ最も注目を集めた政治家はフィリッピンのドゥテルテ大統領ではないだろうか。
当初の注目点はダーティ・ハリー張りの「犯罪者を皆殺しにする」との「暴言」だったが、
先週の中国と今週の日本訪問によって世界の覇者アメリカと
それを追い越そうとする中国を天秤にかける外交術を見せつけたからである。
フィリッピンと中国は南シナ海の領有権を巡って対立している。
特に2013年から中国が浅瀬の埋め立てを行い、
軍事施設と思われる建造物を作り始めたことからアメリカが問題視した。
アキノ前政権はアメリカとの結びつきを強める一方、
2014年にはハーグの仲裁裁判所に提訴して国際司法に裁定を委ねた。
今年7月、裁判所は中国の主張を認めない決定を下すが中国はこれを受け入れず、
国際社会には懸念が高まっていた。
ところがこの判決が出る直前に大統領に就任したドゥテルテ大統領は
「判決はただの紙切れ」と言い、中国との関係修復に動き出したのである。
中国は南シナ海の領有権を「核心的利益」と定義しており、譲歩することは絶対にありえないと主張する。
これに対し前政権は世界最強の軍事力を持つアメリカと組み、
アメリカは南シナ海に艦艇と航空機を派遣する「航行の自由作戦」を実施、
また国際司法の判断を背景に中国を国際的に孤立させる戦略に出た。
日本の安倍政権もそれに積極的に賛同した。
しかしドゥテルテは中国との対立を強めれば戦争になると考える。
戦争になれば遠く離れたアメリカは傷つかないが、アジアの国々は誰もが傷つき損をする。
それよりも問題を棚上げし経済的利益を上げる方が国民のためになる。
ドゥテルテは理念やイデオロギーを掲げるより国民の利益を重視する現実政治家なのである。
そしてフィリピンにはアメリカの植民地支配を受けた負の歴史がある。
西部開拓を成し遂げてフロンティアを失ったアメリカは目を海外に向け、
1898年に米西戦争を起こしてスペインを破り、カリブ海のキューバ、
プエルトリコと太平洋のフィリピン、グアムを植民地化する。
その際、スペインからの独立を求めていたフィリピンの革命勢力に協力させたが、
フィリピンを独立させず、そのために米比戦争が起きてアメリカは12万人の兵隊を派遣して勝利する。
その戦闘でフィリピン人20万から150万人が犠牲になったと言われている。
第二次大戦中には日本軍がダグラス・マッカーサー司令官を敗走させ一時期日本が占領統治するが、
日本の敗戦により再びアメリカの支配下に入る。
戦後は独立を果たすがしかし冷戦の始まりによって米軍のアジアにおける軍事拠点となり、
アメリカにとって日本、韓国と並ぶ冷戦下の最重要基地となった。
フィリピンとアメリカの関係を象徴するのは冷戦下で
マルコス大統領からアキノ大統領に政権が移行した過程にあるとフーテンは思う。
マルコスは反共親米を掲げたタカ派の政治家で1965年に大統領に就任し、
レーガン大統領などとも親交があったが、
アメリカ民主党はマルコスの政敵でアメリカに亡命していたベニグノ・アキノ氏を大統領にしようとする。
1983年に「マルコス独裁18年はけしからん」という声が上がり、
アキノ氏がフィリピンに帰国しようとするがマニラの国際空港で暗殺された。
これに国民が怒り、クーデター未遂事件も起きて身の危険を感じたマルコス夫妻はハワイに亡命する。
そしてアキノ夫人のコラソン・アキノ大統領が誕生するのである。
冷戦体制でマルコスを利用したのもアメリカなら、その政敵を亡命させていたのもアメリカで、
さらにマルコスが亡命した先もアメリカであった。
アメリカの都合で大統領は交代させられるという現実をフーテンは見た。
そして冷戦が終わるとフィリピン議会は米軍基地撤廃を議決した。
当時のアメリカは中国の存在を念頭に「アジアの冷戦は終わっていない」と言い、
10万人規模の米軍をアジアに展開する方針でいたが、
フィリピン国民の民意は米軍をフィリピンから撤退させたのである。
しかし米軍がいなくなったから中国の南シナ海での進出が始まったとよく言われる。
米軍の存在があれば中国の進出はより慎重に行われていたかもしれない。
しかし中国が「核心的利益」と言い切る以上、
基地があったとしてもいずれ中国は進出したはずだとフーテンは思う。
そしてフィリピン人の心情の中にはアメリカの植民地時代が何をもたらしたかという問題がある。
アメリカは自分が輸入したい農作物だけをフィリピンに作らせ、
工業製品を輸入させたいので工業のインフラを作らせなかった。
そのため自給することもできないいびつな農業になってしまったのだという。
実は戦後日本を統治したマッカーサーは
日本を自分が統治したことのあるフィリピンのような農業国にしようと考えていたといわれる。
しかし朝鮮戦争が起きてアメリカは日本を軍需工場にする必要に迫られ、工業国家日本はそこから出発する。
それがフィリピンにはなかった。
米軍基地を持つ日本と韓国が経済的な発展を遂げたのに、同じ米軍基地を持つフィリピンは立ち遅れた。
そして長年アメリカの支配下にあったフィリピンにはアメリカのダブルスタンダードが良く見える。
つまり表で綺麗ごとを言い、裏では汚いことをやる性癖である。
だからドゥテルテはオバマの批判を受け付けない。
アメリカがどれだけ人権無視をしているかと言いたくなっているのだろう。
ドゥテルテは日本の経済団体との会合で、
米軍基地を持つ国は属国でしかなく「リードにつながれて引きずられる犬だ」と言った。
また「外国の軍隊がいる国はおかしい」と言うのを聞くと愛国主義の人間だと思う。
そして「国民の言うことには従うが、他の誰からも指図は受けない」と聞けばこれこそ民主主義の鑑である。
それがGDP2位の中国を訪れて巨額の援助を受け、それから後にGDP3位の日本を訪れて
こちらからもしかるべき援助を獲得した。GDP1位のアメリカを揺さぶるには必要な構えである。
前にも書いたが冷戦下の日本政治は自民党と社会党が役割分担し、
「暴言」は吐かずにしかし中国とアメリカを天秤にかけてアメリカを大いに揺さぶった。
それが今や天秤にかけるどころか揺さぶられるか「リードに引きずられる犬」になってしまったのである。
ドゥテルテ大統領来日中に国会ではTPPの議論が行われていたが、
そこにはアメリカの都合のためだけに審議を行う日本の姿があり、
ドゥテルテ大統領帰国の翌日にはアメリカのためだけに
国連の核兵器禁止条約に「反対」する日本の姿があった。
理念やイデオロギーより国民の利益を重視する現実主義の政治家といえば田中角栄元総理を思い出すが、
角栄氏が棚上げにした尖閣問題を棚からおろしたために日本は天秤をかけられない国になってしまった。
ドゥテルテには角栄の面影がある。
【中国:住民反対で異例の建設中止】
原発を推進する新興国、中国とインドで、原発施設建設を巡る住民運動と政府の対応に関する話題が2件。
先ず、中国の方は、住民の建設反対運動を受けて、異例の建設中止の判断が下されたというものです。
****核燃工場建設を中止 中国当局「デモの意見、尊重」*****
中国広東省の鶴山市で計画中だった原子力発電用の核燃料製造工場の建設が、住民の反対デモを受け、中止になった。市政府が13日発表した。原子力関連の計画が住民の反対で変更されるのは、中国では極めて異例だ。
工場はウラン精製から核燃料ペレット製造まで行い、370億元(約6千億円)が投資される予定だった。中国政府が直接管理する企業グループ「中国核工業集団」が選考を進め、同市が他省の候補地と競争の末に誘致。用地として229万平方メートルを準備した。
市政府は今年3月に計画の概要を公表していたが、「クリーンエネルギーの工業地」としか説明していなかった。今月3日になって核燃料の製造を公表し、意見公募を始めたところ、事故による放射能汚染を恐れる住民の反対が強まった。
12日には建設反対デモがあり、千人近くの市民らが参加。横断幕を掲げて車道を歩いた後、鶴山市を管轄する江門市の政府庁舎前で抗議の声を上げたり、国歌を歌ったりした。参加者によると警察官が数百人出動し、庁舎前を柵で囲んで警備したが、衝突はなかった。横断幕には「反核」「原発は未来を絞め殺す」などと書かれていた。
鶴山市政府は発表の中で「意見公募で社会各界の反対が多かった。デモの意見も十分尊重し、計画立ち上げを(企業に)申請させないと決めた」と説明。市民の反核運動が中止の判断に影響したことを認めた。
中国では環境意識の高まりから、工場建設に反対するデモが頻発しており、昨年は四川省什ホウの金属精錬工場や浙江省寧波の石油化学工場が建設中止に追い込まれた。核関連施設を巡っては、東京電力福島第一原発事故が報道された影響などから、住民の懸念はより一層強かったようだ。
中国政府は原発建設を推進しており、現在8カ所で稼働中。建設中や計画中のものは35カ所にのぼる。建設中止で、今後の原発政策に影響がでる可能性もある。【7月14日 朝日】
*****************
“鶴山市は突然、この計画を発表し、4〜13日の予定で住民からの意見募集を実施。しかし、地元住民から反対意見が噴出し、12日に江門市政府前で1000人以上のデモが行われたため、意見募集期間が10日間延長されていた。”【7月13日 時事】というものですが、市当局の中止発表後も、これを信用しない住民の抗議デモが続いたようです。
****3日連続で核燃反対デモ=当局の中止発表信用せず―中国****
13日に核燃料加工場の建設計画取り消しが発表された中国広東省江門市で14日、当局の発表を信用しない市民数百人が再び反対デモを行った。香港のラジオが伝えた。デモは3日連続。
デモ隊は市政府前で「団結は力だ」などと叫び、建設中止を明確にし、別の名目で同様の施設を建設しないよう要求した。これに対して、市共産党委員会の劉海書記が現場で対応、「建設計画は完全に取り消した」と明言したことから、デモ隊は解散した。【7月14日 時事】
**************
なお、“人口が多い中国東南地方の沿海部でこの種の施設の建設は初めてだった。建設地はマカオから100キロ、香港から120キロに位置し、両地区でも懸念の声が出ていた。”【7月13日 時事】とのことです。
【インド 「人々の幸福のために建てられた」 稼働強行】
一方、インドでは長年の住民による反対運動で反原発運動の象徴ともなっていた大規模原発について、その稼働が原子力規制委員会によって許可されたとのことです。
****新原発、数日中に稼働か=当初予定から6年、反発必至―インド****
インド原子力規制委員会は12日までに、南部タミルナド州にあるクダンクラム原子力発電所の稼働を許可した。当初の予定から約6年、運転開始が延期され続けてきた原発だが、数日中に運転が始まる可能性が高まった。しかし、環境や生活への影響を懸念する住民や活動家から強い反発を受けるのは必至だ。
地元政治家は時事通信の取材に、加圧水型のクダンクラム原発1号機(1000メガワット)の稼働に関し、規制委から報告を受けたことを認めた。一方、運転開始日時については「まだ聞いていない」としつつも、「早ければ2、3日中に始まるだろう」と語った。
クダンクラム原発は1988年、旧ソ連の支援で建設されることが決まったが、ソ連崩壊に伴う政治的混乱を受け、実際には2002年に着工された。
1号機は07年12月の稼働開始が予定されていたが、住民や活動家の激しい反対運動に遭った上、安全面での欠陥が指摘されるなどして延期された。【7月12日 時事】
*******************
これに先立つ5月6日には、インド最高裁がクダンクラム原子力発電所の試運転を許可しましたが、その際最高裁は同原発について、「人々の幸福のために建てられた」ものであり、「政府は必要な手順を踏んている。原発の開発はインドにとって重要だ。われわれはより大きな利益と経済的必要性の間で、バランスを取らなければならない」と述べています。【5月6日 AFP】
建設地クダンクラムは、インド有数の巡礼地でもあるインド亜大陸最南端カニャクマリから北東へ24kmほど行った場所です。
反対運動の経緯は下記のとおりですが、これまでもインドの原発施設ではたびたび事故が発生していること、建設地は2004年のスマトラ島沖地震に伴うインド洋大津波の被災地であり、近くのマドラス原発では、その際冷却用の取水ポンプが津波で使用不能となる事故を起こしていることなどから、死者を出すほどに反対運動が激しいことにも理由があります。
****反対運動の経緯*****
計画当初から反対運動は行われていたが、2001年に地元出身の元大学教授ウダヤ・クマール氏らによるNGO団体、PMANE(People's Movement Against Nuclear Energy)が設立されることにより更に活性化した。
特に2011年の福島第一原子力発電所事故以降に1号機が試験運転を行ったことでより多くの住民が運動に参加した。8月以降連日1万人以上が参加し、津波と地震に対する安全性評価や、環境影響評価の開示などを求めて、集会、デモ行進、女性たちの道路封鎖、無期限ハンストなどが行われた。
9月22日、ジャヤラリター州首相は「住民の合意があるまで稼働させない」と表明し、シン首相に原発稼働断念を求めた。
しかし、2012年3月19日州首相は方向転換を発表し、稼働を許可、原発周辺地域を武装警官隊で封鎖し、物資の搬入を禁止、メディアの報道規制も行われた上、PMANE幹部への逮捕状を出した。23日にはデモなどを行った住民665人が逮捕された。
その後、高等裁判所が「封鎖解除、物資搬入許可」の緊急判決を下し封鎖は解除されたが、抗議行動は続けられた。
(中略)
2012年9月10日には約1,000人が参加したデモ隊に警官隊が発砲、1人が死亡、9月16日には約200人が警察に拘束されるなど弾圧が強まる中、原子炉に核燃料を入れる作業が9月19日から始まったと報じられた。
(中略)
なおこの海岸地帯は、インドでも12,407人が死亡した2004年のスマトラ島沖地震に伴うインド洋大津波の被災地であり、家を流された住民が現在も500棟の避難住宅で暮らしている。
また、北東約550kmにあるマドラス原発では、その際冷却用の取水ポンプが津波で使用不能となる事故を起こしている【ウィキペディア】
******************
【日本の原発輸出に対する反発も】
インドは安倍政権が原発輸出を進めようとしている国でもあります。
****安倍政権の「原発営業」、インドから「NO」の声****
「日本の原発は安全」をセールストークに、原発メーカーの役員を引き連れて世界中に「原発営業」をかけている安倍政権。
政府レベルでは売り込まれたほうも歓迎しているようだが、当然のことながら国民は猛反発している。
インドもまた、原発セールスを積極的に行う安倍政権が有望視している国だ。
5月29にはインドのシン首相と会談、原子力協定を早期妥結することで合意した。
インドではすでに20基の原発が稼動しているが、今後20年で新たに34基の原子炉を造る計画があるという。
そんな日本の「原発輸出」のリスクを訴えるため、6月にインドから来日したカルーナ・ライナ氏はこう語る。
「インド政府は、現在の2.7%から’50年には25%へと原発比率を増やそうとしています。ところが福島の原発事故以降、各地で反原発運動が起き始めました。南部のクダンクラムでは600日以上が経過したいまも激しい抵抗が続き、日本の原発輸出に対する反発も起こっています」
クダンクラムの抗議活動はインドの反原発運動の象徴ともいわれる。現地団体と交流があるノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパンの佐藤大介氏は「特に昨年9月のデモ、治安当局による弾圧は激しかった」と言う。
「クダンクラム原発1号機に核燃料が装填されそうになったため、9月9日、3万人もの人々が原発を包囲しました。ところが、翌日数千人の警官が襲いかかり、警棒で殴りつけるなど激しい暴行を加えました。警官は女性や子供にも手加減せず、重軽傷者多数。男性1人が射殺されました。さらには家々を次々と破壊するなどの弾圧ぶりに、インド全土が大きなショックを受けたのです」(佐藤氏)。
インドでは、たびたび起きてきた原発トラブルが原発の不信感に繋がっている。
「’93年にナローラ原発で火災が発生、翌’94年にはカクラパール原発で浸水。同じ年、建設中のカイガ原発では、格納容器を形成するコンクリート150tが高さ75mから崩落し、作業中の14人が負傷しました。過去40年間で数え切れないほど安全性に問題のある事例があるのです」(ライナ氏)
一方、ビジネスとして考えてみても、インドへの原発輸出は他国へ輸出するよりもリスクが大きい。
その理由は厳しい原子力損害賠償責任法の存在だ。これにより、事故が起きればメーカーが汚染の被害を賠償する仕組みになっている。日本のように、国が助けてはくれないのだ。
「もし日本製の原子炉で大事故が起きれば、メーカーに対して莫大な損害賠償が請求されることも十分ありえます。住民の反対、安全性への疑問、事故時の賠償責任等、多くのリスクを背負ってまで日本は原発をインドに輸出したいのでしょうか。ドイツは、インドの再生可能エネルギー開発に向けて10億ドルを拠出しました。日本もそちらの方面に資金を振り向けたほうがよいのでは」(ライナ氏)
福島原発の事故収束もままならぬ中、原発を平然と売り歩く安倍政権及び日本の姿はどう見られているのか?【週刊SPA! 7月9日】
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安倍政権の成長戦略において重要な位置を占める原発輸出ですが、日本国内で安全性への疑問から未だ稼働できていない状態で、他国に売り込むことに関しては、日本国内においても素朴な疑念を感じる向きが多くあります。
このところの猛暑が今後も続けば電力需給がひっ迫し、原発反対の声など消し飛んでしまう・・・と、政権側は高を括っているのでしょうか。まあ、実際その程度のものではありますが。
インド初の100万kwを超える大規模原発という国家プロジェクトと、中国の地方政府の原発施設建設計画を同列で論じることには問題もあるでしょうが、人権侵害国家として悪名高い中国で即決の建設中止、世界最大の民主主義国インドで稼働強行という、対照的な反応が興味深いところです。
中国指導部が住民の直接抗議行動にピリピリ神経をとがらせている感がありますが、これも一党支配体制における中国流民主主義でしょうか。
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