[CML 045486] WhatsTPP
dctthanks at excite.co.jp
dctthanks at excite.co.jp
2016年 11月 1日 (火) 11:34:10 JST
「他者を蹴落としながら登り続ける。TPPってそんなイメージ」
――枝元さんが食べ物や料理以外のことでの発信を始めたのは、2011年に起きた東日本大震災の後。震災と福島の原発事故を経験し、自身の価値観や世界観が大きく変わったのだと言う。
枝元 私だけじゃないと思うのですが……。被災された方のお話を聞いたり、これからどうしていこうって考えたりしたときに、自分一人が大丈夫だったら大丈夫なんじゃなくて、人といっしょに未来を考えていくことのなかにこそ私の幸せはあるんじゃないかなって思ったんです。すごく大きな代償を払いながら、価値観が、お金じゃない方向へ転換したんだって気がしました。
TPPが嫌なのは、そんな風に、「人とともに生きたい」「みんなが生きていてくれてよかった」と、3.11後に多くの人たちが抱いたであろう想いが、また違う方向に変えられてしまう気がするから。もっと利益を上げるため、もっと便利にするためということが優先される世の中にまた戻ってしまうんじゃないかって危機感があります。
お金持ちになることを否定するわけじゃないんですよ。でも、お金があるからこそ、経済的に強いからこそ幸せなんだって思ってしまったら、お金を失うことが怖くてしかたないですよね。それって、なんだか急な斜面に立っているみたいなイメージ。もっともっとお金を稼いでいかないと転がり落ちちゃうような気がするんじゃないかな。いっしょに登ってこようとする誰かが重かったりしたら、自分までズリズリと下がっちゃう恐怖がある。だから、自分がもっと登っていくために他人を蹴落とす、みたいな。
毎日斜面にいて、登り続けなきゃ生きていけないなんて、そんな競争をし続けるなんて、苦しすぎませんか。それじゃ人は平和になれないじゃないかな。なんかTPPって、そんな価値観じゃないかと思うんです。
知識を詰め込む前に、「何かおかしい」って“勘”を大事にしたい
――TPPのような社会問題や政治について、ふだん私たちは、自分の意見を口にすることをためらいがちだ。けれど、枝元さんは、「暮らしの感覚で、“何か変だぞ”って感じたら、遠慮しないで『おかしいんじゃない』って言っていい。勉強不足なんておじけづかなくていいから」と話す。
枝元 TPPってホント複雑で、条文も膨大だし、むずかしいことだらけですよね。私も、頭悪いんじゃないかってくらい、覚えきれないことがたくさんある。
でも私、3.11の後、これからどこに自分の軸足を置いたらいいんだろうって考えたとき、社会学者の宮台真司さんの「任せて文句を言う社会から、リスクを負って自分で考える社会へ」という言葉が胸に刺さったんです。
私たちって、誰かに任せていれば安心ってどこかで思っています。専門家に任せていれば、よほどのことがない限り、そんなひどいことにはならないと思っている。それに、専門家が研究してくれたことを勉強するのが先、勉強してからじゃないと意見を言っちゃいけない、みたいな空気もあります。でも、むずかしいからって考えるのを人任せにしていたら、自分の望むのとは違うところに行っちゃうことがある。福島の原発事故で、私たちはそれを学びましたよね。
私たち誰もが“生きること”の専門家なわけです。だとしたら、自分自身でどういうことなんだろうって、まず生きものの本能みたいなものを働かせてみればいい。いろいろな人の意見を聞き、自分の意見も言ってみればいい。正しいとか間違っているとか論争するんじゃなくて、もっとおおらかに、どうやれば自分たちが望む暮らしのほうに近づいていけるか、どうすれば“生きる”ということに軸足を置いて暮らせるかを考えたほうがいいんじゃないでしょうか。
「安くてうれしい」は、回り回って自分の給料にはね返ってくる
――TPPでは、関税や規制などが見直され、価格の安い輸入食品が大量に入り込んでくるといわれている。「安く買えるのはうれしい」という声も聞かれるが……。
枝元 例えば、外国からのお米の輸入が増えるとされていますね。向こうの畑(田んぼ)は広いですからね。巨大な機械でわーっと植えて、わーっと収穫できる。そんなお米が10kgで1000円前後とかで入ってくるかもしれないといわれています。そうしたら、私たち、日本の生産者を支えたいと思っていても、お金がないときには外国産を選んじゃいますよね。外食産業でも、働いている人の給料を上げたいと思ったら、お店で出すのに安いほうの輸入米を選んじゃうかもしれない。
でも、私も農家さんと知り合って、自分でやってみるとすごくよくわかりますが、まっとうなものにはまっとうなコストがかかるんです。安く買おうとすることは、自分の給料も安くてもかまわないってことといっしょなんです。安く買うということは、回り回って、結局、自分の給料に跳ね返ってくるんじゃないかなって思います。
だいたい、戦争しているわけでもないのに、農地がありながら食料の自給率が50%を切っているってものすごく異常なことです。食べ物を自国でつくることは本当に大事なことなのに、TPPで大量に安い輸入農産物が入ってきたら、まず農家の人たちが作らなくなっちゃいますよ。
前に知り合いの農家さんに、TPPになったらどうするんですかって聞いたんです。そしたら、「俺らは全然困らないよ」って言うの。「俺らは何十年もかけて安全な食べ物を分け合える仲間づくりしてきたから大丈夫。困るのは都会の消費者でしょ」って言われて、そりゃそうだよなって納得しました。
日本ではずっと「飢える」ということを考えずにすんできたので、食べ物が「ない」という状況は想像しにくいと思いますが、実際には、いま、すごく豊かなところにいながら、すぐ背中に飢えがくっついている状態なんじゃないでしょうか。
「私たちには、日に3回、社会を変えるチャンスがある」
――映画『フードインク』のエンドロールに流れた「私たちは日に3度社会を変えるチャンスがある」という言葉に感銘を受けたという枝元さん。社会を変えていく最後の砦は私たち生活者だ、と希望を語る。
枝元 考えてみれば、資本主義社会では、どんな大企業であっても、買ってもらわなければ生き残ってはいけない。たとえばEUでは、遺伝子組換えの種子や農薬を売り込んでいこうとする企業に対し、消費者が大きな反対運動を起こして撤退させたという事例もあります。強欲な企業が、もっともっとと利益を上げようとしても、私たちがふだんの暮らしのなかで、「いらない」「嫌」といえば、それを止めることができるんです。
だからこそ、1日3食、何を買って何を食べるかっていうことがとても大事。ただ単に「安い」「高い」という金銭的な価値ではなく、どんな人が作ったんだろう、どんな風に作ったんだろうと想像力を働かせて、作り手にもつながっていく。それが農家さんを支え、自給率を上げていく力になると思うんです。
一つひとつの選択は私たちの未来を選ぶことと同じ。私たちが変わることで世の中を変えていけるんだってことを思い出したいんです。人を大事にしていけるような世の中に変えていく方向なのか、安いからって大量に買って大量に廃棄し、子どもたちに渡すべき未来を食べつくしちゃう方向なのか、しっかり見極めたい。その分岐点にあるのがTPPなんじゃないでしょうか。
いろいろ考えると楽観ばかりでもいられませんが、希望はある。世界を平和にしたいんだったら、まず隣の人に笑いかけてみてください。お互いに笑い合えて、考えが違っていてもつながっていけるような、地に足のついた暮らしの視点からTPPのことも考えていけたらいいなって思います。「そんなのダメだよ!」って意見を押し付けたら引かれちゃうかもしれないけれど、「私は嫌!」「なんかやばいみたいだよ」とか、言い方に工夫をする。マイルドに取り込んでいくっていう作戦がきくんじゃないかと、私、思うんです。
※この記事は、2016年8月23日にパルシステムで行われた「ほんもの実感!」連続講座(「毎日の食卓からTPPを考える」)をもとに構成しました
Speaker
枝元なほみ
えだもと・なほみ
劇団で役者をしながら無国籍レストランで働いていたが、劇団の解散後、料理研究家になる。料理本の執筆の他、料理番組への出演多数。また農業支援団体チームむかごを立ち上げ、現在は社団法人「チームむかご」代表理事。東日本大震災の後、同法人で被災地支援の活動も行う。
[子どもたちの食(3)]TPPで食の安全は守られるのか?条文の分析から見えてきた真実
http://kokocara.pal-system.co.jp/2016/09/20/childrens-food-1-tpp-threaten-rice/
2016年10月17日 食と農
日本政府が早期批准をめざし、国会で審議が進むTPP(環太平洋パートナーシップ協定)。幅広い分野のなかでも、私たちの暮らしや子どもたちの未来に直結する問題のひとつが、「食の安全」への影響だ。政府は「心配ない」というが、本当に大丈夫なのか。「TPPテキスト分析チーム」を立ち上げ、条文を詳細に分析してきた山浦康明さん(明治大学)と内田聖子さん(アジア太平洋資料センター)に、TPPの状況も含めてうかがった。
“メガFTA”は、どれもうまくいっていない!?
――TPPをめぐっては、米大統領候補のヒラリー・クリントン(民主党)、ドナルド・トランプ(共和党)とも、反対の姿勢を表明しています。「TPPは頓挫するのでは」という声もありますが、どうなってしまうのでしょうか。
内田聖子(以下、内田) いま、TPPをはじめ、TTIP(環大西洋貿易投資パートナーシップ協定)、RCEP(東アジア地域包括的経済連携協定)など、地域ごとの大きな貿易協定が世界各地で進められていますが、これらの“メガFTA”はいずれもうまくいっていません。TPPにしても、自由貿易を加速させ利益を上げようとするグローバル企業の意向を受けて先頭に立って進めてきたアメリカが、参加国のなかで最も批准できなさそうな国になっているのは皮肉なことですね。
私は、ここにTPPの問題が象徴的にあらわれていると思います。それぞれの国は、経済状況から法律や制度、文化や風習、歴史まで、固有の背景を持っているのです。そうした多様性を無視して、半ば無理やりひとつにまとめていく。そもそもそこに矛盾があるのではないでしょうか。
いま、とくに問題になっているのは、モノの輸出入、つまり本来的な貿易以外の非関税分野、つまり“ルール”に関する交渉です。食の安全や環境を守るためにつくられた規制や基準が、「自由貿易に反する」とないがしろにされかねず、投資家や企業の利益がそれぞれの国の主権や人権よりも優先されてしまう懸念もある。これまで人々が大切にしてきたものが、貿易や投資によって徹底的に破壊されそうな現実に、世界の多くの人々が気づき始めたということだと思います。
世界の動きと真逆の方向に進もうとする日本
――世界では行き過ぎたグローバル化や巨大な貿易協定の問題が明らかになってきて、見直しの段階に入っているのですね。日本の動きとはだいぶ違うようですが。
内田 残念ながら日本では、こうした本質的な問題についてはほとんど議論されていません。農業や医療など個別の懸案についての議論は続いていますが、国会議員レベルでも市民社会のレベルでも、全体の政策自体についての問題認識が足りないことは反省すべきだと思います。
アメリカでもEUでも、市民や政治家、官僚もこの押し付けルールのおかしさに気づき、何とか廃案に向けて、あるいは少しでも改良する方向へと努力が重ねられていますが、日本だけは、国会での力関係で粛々と批准に向かって進んでいる。これは、国際的に見れば相当異様な状態だと思います。
残念なことに、たとえアメリカが批准できずにTPPが消滅してしまったとしても、いまの状況では、日米の関係はあまり変わらないでしょう。たとえば食の安全について言えば、遺伝子組換え食品の承認、食品添加物の使用基準、農薬の残留基準などさまざまな規制緩和や行政の後退が、日本とアメリカの二国間の並行協議の中ですでに先取りで起こっています。つまり、TPP自体が批准されようがされまいが、TPPによって利益を得ようとするグローバル企業の最初の計画通りに事が進んでいるのです。
科学的に証明できなければ「NO」と言えない
――「日本の食の安全は守られる」というのが政府の見解ですが、これは鵜呑みにはできないということでしょうか。
山浦康明(以下、山浦) 政府の説明は、とんでもないでたらめです。今後、日本の安全基準には合致しない危険なものでも、日本が受け入れを拒むことができなくなる可能性がある。というのも、TPPの条文で定められた、参加国の専門家が安全基準などを検討し議論をする「SPS(衛生植物検疫)委員会」では、“リスク分析”という考え方が厳格に用いられることになっているからです。これは、「輸入する側が絶対に危険だと科学的に証明しない限り拒否できない」というもの。輸出国や遺伝子組換え企業にとって非常に都合のいいルールです。
リスク分析では、遺伝子組換えなど、安全かどうか世界でまだ科学的な結論が出ていないものについても、輸入規制するためにははっきり「危険」と証明する必要が出てきます。白か黒かはっきりしない“グレーゾーン”だと、「嫌だ」と言えなくなってしまうのです。ヨーロッパでは、「疑わしきは規制する」という“予防原則”の考えが主流ですが、TPPではそういう慎重な姿勢は通用しません。
加えて問題なのは、そもそも日本の食品安全に関する行政自体が後退していて、遺伝子組換えを容認する姿勢を示していることです。最近では、食品安全委員会の専門委員会でも、「遺伝子組換えは安全だ」「世界の飢餓を救うのは遺伝子組換えだ」という発言が出ているくらいです。日本としては「受け入れる」が前提であり、国内での基準はこの先どんどん緩くなっていくでしょう。遺伝子組換え食品が増えていくのは目に見えていますね。
グローバル企業が、表示制度の決定に関与
――日本には遺伝子組換え表示がありますが、これがなくなってしまうのでは、という心配もされていましたが……。
山浦 遺伝子組換え表示自体がすぐになくなることはないと思います。ただ、TPPの「TBT(貿易の技術的障害)」という章には、各国が食品表示ルールを作る際の規定があり、“義務表示”など強制力のある表示を行う場合には、輸出国や遺伝子組換え企業などの利害関係者が口出しできるようになっています。
そもそも、日本の遺伝子組換えの表示制度は、いまでも決して充分なものではなく、抜け道だらけです。遺伝子組換えを使っていたとしても、遺伝子組換えと非遺伝子組換えを分別していなければ「不分別」と表示すればよく、「遺伝子組換え使用」と書く必要はありません。油やしょうゆなど加工度の高いものも表示義務を免れています。消費者団体は以前からより厳しい義務表示を求めてきましたが、TPPが実施されたら、利害関係者からの意見に影響されて、こうした要求は却下されてしまうでしょう。
アメリカが輸出しやすいように国内の検査基準を変更!?
――BSE(狂牛病)に関しては、すでにアメリカからの要求で検査が撤廃されることが決まったそうですが。
山浦 日本では、2001年にBSEが初めて確認されてから、全頭検査という世界一厳しい対策をとってきました。ところがその後、対象の月齢を段階的に引き上げ、TPP協定に12カ国が署名する直前の2015年12月に、月齢の基準をなくすことを厚生労働省が食品安全委員会に諮問。その結果、2016年9月には、月齢を問わず検査の廃止が決定されました。
この背景には、TPPに並行して行われていた日米の二国間協議で、アメリカ側から「日本の牛肉の基準は厳し過ぎる」「輸出する際の障害になっている」といった圧力があったといわれています。アメリカが牛肉を輸出しやすい環境を整えるため、その前段階として、まずは国内のBSE対策の基準を緩和したということです。
BSEは決して過去の問題ではなく、世界でまだ発生している国もあります。まだまだ慎重に対応しなければならないはずなのに、日本政府はTPPの批准の前にアメリカに譲歩し、このような結論を出してしまったのです。
いま突き付けられる――「食べ物とは何か」
――TPPを先取りする動きによって、すでに私たちの食は脅威にさらされているということですね。こうした状況のなかで、私たちにできることはあるのでしょうか。
内田 いまは目の前のTPPに関心が集まりがちですが、私たちは、とても根源的な問いを突きつけられているのだと思います。つまり、「食べ物とは何か」ということです。食べ物を構成しているのは、農業だったり、水だったり、種だったり、土地だったり。そういう自然の循環や営み、人々の労働の恩恵をいただいて生きているという原点に、もう一度私たちは立ち戻るべきだと思います。
表示や輸出入のルールも重要ですが、ラベルを見たから安心、フェアトレードだから大丈夫ということだけではないと思うのです。何か自分で作物を育ててみたり、農家から直接お米を買ったり、パルシステムのような生協を利用したり……。本来の安心とはそうした食べ物や自然、作り手とのつながりから生まれるものではないでしょうか。
身近なコミュニティのなかで食材を調達できるシステムがあれば、そんなにひどいことは起こらないはずです。そういう“安心”のあり方からいかに私たちは遠くなってしまったか。いかに単なる「モノを買う」だけの消費者になってしまっているか。私たち一人ひとりが、経済優先のやり方に代わる、いのちや暮らしに視点を置いたオルタナティブな(代替の)方法を見つけて、効率でものを決めていくようないまのシステムからは降りていく。それが行き過ぎたグローバリズムへの一番の対抗策だと思います。
市民の「食べたくない」が政治や企業を動かす
――自分たちの暮らし自体を変えていこうということですね。アメリカでは、遺伝子組換えに反対する運動が広がっていると聞きました。
内田 「マムズ・アクロス・アメリカ(Moms Across America)」というお母さんたちの運動は、いまや全米規模に拡大しています。お母さんたちにとって一番切実なのは、目の前の子どもたちに何を食べさせるかという問題。だから、遺伝子組換えに反対したり表示義務制度を求める活動と同時に、遺伝子組換えでない、オーガニックのものを普及させていくための運動にも取り組んでいます。そうした動きもあり、アメリカのオーガニックマーケットは、2010年以降、ものすごい勢いで伸びているんですよ。
お母さんたちの運動が素晴らしいのは、実践的で、地域に根ざしていること。たとえば、近所のレストランに何人かで通って、少しずつ店長との距離を縮め、「材料を非遺伝子組換えに変えてくれないかしら。子どもにアレルギーがあるから」と直談判する。ちゃんと材料の調達リストも用意するんです。とにかく一品でもいいから変えてほしいと。そしたらもっと利用するからと。そうやってコミュニティの中での運動を日常的にやっている。感動しました。
山浦 日本でも、たとえば築地市場の移転は中止の方向に向かいつつありますね。我々市民の力がそのまま伝わったとは言いませんが、これは市民団体が言い続けてきたことの結果でもあると思うんです。既成事実としてあることが絶対変わらないということはない。私はそういう希望を持ち始めています。
遺伝子組換えやBSEも、世論調査をすれば、大半の人は「食べたくない」と言います。この力は思っている以上に大きい。だから、企業もなかなか表立って遺伝子組換えを使うことができないでいるんです。消費者のバイイングパワーは強い。「食べたくない」ということを言い続けましょう。パルシステムのような生協も安全性を重視した商品開発をしていますが、何を選択するかを態度で示すことがとても重要だと思います。
内田 アメリカで運動に携わっているのは、ごく普通の若いお母さんたちなんです。子どもが病気で大変とか、家族の健康を守りたいとか、とても個人的な動機で、本当に純粋な思いに突き動かされて活動している。日本でも、子どもの健康を心配し、安全な食を手に入れたいと望むのは誰にとっても当然のこと。そうした、いのちや暮らしを大事に思う普通の感覚を大事にしながら、子どもたちの未来のために、あきらめずに声を上げ続けていきましょう。
Interviewee
水野葉子
みずの・ようこ
アメリカに留学して有機農業の世界と出会い、97年に日本オーガニック検査員協会を設立。現在は食品認証検査を行う有限会社リーファース代表を務めながら、全国の産地を飛び回る日々。パルシステムの公開確認会の監査人講習会講師も務める。
CML メーリングリストの案内