[CML 043580] 地上唯一の超大国は、決して謝罪しない

檜原転石 hinokihara at mis.janis.or.jp
2016年 5月 28日 (土) 05:20:22 JST


▼ワシントンポスト、「広島だけではない。アメリカは多くの犯罪について謝罪
していない」

http://parstoday.com/ja/news/world-i9211

アメリカの新聞、ワシントンポストが、「アメリカは、多くの犯罪について謝罪
していない」と報じました。

ワシントンポストは、世界史の中でアメリカが引き起こした悲劇について触れ、
「広島と長崎の原爆投下だけではない。アメリカが謝罪していない多くの出来事
が他にもある」と強調しました。

この記事はまず、アメリカのオバマ大統領の日本訪問に触れ、「アメリカは、こ
れらの都市を原爆によってほぼ壊滅させた。オバマ大統領に広島訪問で謝罪する
ことは期待できない。70年経った今、なぜ、広島について謝罪しないのかと尋ね
るのが賢明だろう。それを正当化する理由のひとつは、それこそが、第二次世界
大戦を終わらせる最速の方法だったというものだ」としました。

こうした中、アメリカや多くのほかの国が行うべきなのは、謝罪ではないという
議論が広がっています。ダートマス大学のジェニファー・リンド氏は、「謝罪国
家、国際政治での謝罪」という著書の中で、「アメリカが謝罪することはない。
基本的に各国は、他国に対して行った暴力について謝罪することはない」として
います。

ワシントンポストの記事は、この後、アメリカが謝罪していない出来事の例を挙
げています。



★ベトナム戦争での枯葉剤の使用

ベトナム戦争で、アメリカは、ベトナム、カンボジア、ラオスで1200万ガロンの
枯葉剤を使用しました。ベトナム赤十字によれば、およそ100万人が被害を受
け、後遺症に苦しんでいるということです。こうした中、これまで、この戦争で
のこの問題、あるいはこの他の問題に関して謝罪が行われたことはありません。



★イランでの1953年のクーデター

1953年、イランで民主的に選出されたモサッデグ首相が、クーデターによって退
陣しました。アメリカCIAの機密文書では、モサッデグ政権の崩壊は、CIA
によって、アメリカの外交政策の一環として仕組まれたもので、政府高官により
計画され、承認を受けていたとされています。イギリスの諜報機関も、CIAに
協力していました。しかし、アメリカとイギリスは、このクーデターへの関与に
関して謝罪したことはなく、オバマ大統領は、その計画もないと表明しています。



★1973年のチリのクーデター

アメリカは、1973年にチリのアジェンデ社会主義政権をピノチェト将軍が武力に
よって倒したクーデターにも関与しました。ピノチェト将軍は、17年間、この国
を支配しました。CIAは、このクーデターへの直接関与を否定しましたが、ア
ジェンデ政権への反対を認めました。1977年、アメリカの関係者が、国連ジュ
ネーブ人権委員会でアメリカの謝罪を提案しましたが、その後まもなくして解任
されました。オバマ大統領が2011年にチリを訪問した際にも、チリの報道官関係
者から謝罪の要請がありましたが、拒否されました。



★西アフリカとの奴隷貿易

アメリカ議会は、2009年、奴隷制度について謝罪するよう提案しましたが、現代
史の奴隷貿易を形作ったアフリカ諸国に対して、どのような謝罪がなされたで
しょうか? ビル・クリントン氏は、1998年のウガンダ訪問の際、「我々は国家
にもなっていなかったとき、ヨーロッパからやって来たアメリカ人は奴隷制度の
恩恵に授かった。我々は過ちを犯したと言うべきだろう」と語りました。評論家
は、「この発言は、正式な謝罪というよりも、むしろ後悔の念を表していると
言った方がよい」としました。



★コンゴの独裁者への支援

民主的に選出されたコンゴのルムンバ初代首相は、就任後たった12週間で退陣
し、その4ヵ月後に暗殺されました。コンゴがベルギーの支配からの独立を宣言
してから3ヵ月後、冷戦のさなかに起こったこの事件は、この国にとって悲劇で
した。ベルギー政府は、2002年、この暗殺への関与を認め、謝罪しました。しか
し、アメリカCIAは、直接の関与を認めず、この国で大規模な秘密作戦を行い
ました。この後、モブツ腐敗政権が誕生し、何の謝罪もない中で、数十年もの
間、アメリカの支援を受け続けました。



★2003年のイラク侵攻

2003年のアメリカ主導のイラク侵攻は、現代史上、最も物議をかもした出来事の
ひとつです。この戦争は、イラクの独裁者サッダームフセインの政権を崩壊させ
たものの、地域に情勢不安と混乱をもたらし、それは今日まで続いています。イ
ラク人の受けた被害は甚大です。この攻撃を命じたブッシュ元大統領は、この戦
争、あるいは、大量破壊兵器の存在に関する誤った情報について謝罪しませんで
した。



★イラン航空655便撃墜事件

1988年7月3日、アメリカ海軍のミサイル巡洋艦ヴィンセンスが、ペルシャ湾上空
を飛行していたイラン航空機に向かって地対空ミサイル2発を発射し、これによ
り、乗員乗客290人全員が死亡しました。アメリカは、F16戦闘機と勘違いした
と主張しています。アメリカ政府は、この出来事に対して何の謝罪の念も示して
いません。ブッシュ前大統領は、選挙活動の際、「アメリカを代表して謝罪する
ことはない。事実が何であろうと重要ではない」と語りました。



ワシントンポストは、締めくくりに、“アメリカはこれまで、何度謝罪しただろ
うか”と疑問を呈し、「アメリカが謝罪した例は非常に限られている。1940年代
のグアテマラ人体実験、1893年のハワイ王朝の転覆。2012年にも、オバマ大統領
が、アフガニスタンでのコーラン焼却へのアメリカ軍の関与について謝罪した」
としています。



ジェニファー・リンド氏は、著書の中で、次のように記しています。

「アメリカのやり方は、謝罪は例外であり、それをしないのが法だというもの
だ。ここで重要なのは、道徳ではなく政治である。それを行った者からの謝罪は
ありえない。各国の人々も、謝罪を聞いただけでは満足せず、政治的な問題を抱
えることになる。アメリカをはじめとする多くの国は、謝罪を回避する。なぜな
ら、過去は葬った方がよいと考えるからだ」


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▼地上唯一の超大国は、決して謝罪しない

ウィリアム・ブルム
 ローグ・ステート
(『アメリカの国家犯罪全書』2003年3月刊行)
 第25章

http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/


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