[CML 043568] アムネスティがセックスワーカーの権利保護に関する方針と調査結果を公表

檜原転石 hinokihara at mis.janis.or.jp
2016年 5月 27日 (金) 06:52:06 JST


▼アムネスティがセックスワーカーの権利保護に関する方針と調査結果を公表
http://www.amnesty.or.jp/news/2016/0526_6061.html

2016年5月26日[国際事務局発表ニュース]



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パプアニューギニア

パプアニューギニアでは、セックスワークの稼ぎに依存したり、性を商売とする
組織を作ったりすることは違法である。同性愛も犯罪であり、男性のセックス
ワーカーを起訴する場合の主な根拠となっている。

アムネスティの調査で、こうした刑法が、警察によるセックスワーカーへの脅し
やゆすり、恣意的拘束を許している背景にあることがわかった。

パプアニューギニアのセックスワーカーは、激しい蔑視、差別、暴力をうけてい
る。強かんや殺人の被害も受けている。2010年に大学の研究者らが行った調査に
よると、首都ポートモレスビーでは、6カ月間に顧客や警察に強かんされたセッ
クスワーカーは50%だったという。

警察や顧客らによる強かんや性的虐待を受けても、セックスワークそのものが違
法と見なされているため、被害届を出すことができないという悲痛な証言もあった。

ホームレスのセックスワーカー、モナは次のように語った。「警察は私の友だち
(客)と私を殴り始めた……6人の警官が一人ひとり私にセックスしたの。奴らは
銃を携帯しているから言うことを聞くしかなかった。裁判所に訴え出ようにも誰
も頼る人はいないし。とても辛かったけれどどうしようもなかった。売春は法律
違反なので誰も助けてくれない」

セックスワーカーは病気をまきちらす元凶として差別され非難される場合が多い
が、警察はセックスワーカーに不利な証拠としてコンドームを使う。このため
セックスワーカーの多くは、HIV/AIDSをはじめ、性と生殖に関する情報やサービ
スを得ることをためらってしまう。

セックスワーカーの女性メアリーによれば、「警察が私たちを捕まえたり取り締
まる時にコンドームを見つけると、売春を広めているとかエイズみたいな病気を
まきちらしているのはお前たちだとか口汚く罵る。脅しをかけ、お金を要求す
る。払わないと手荒に扱われるので、怖くて払うしかない」。

香港

香港では、個人がプライベートな部屋で行うことであれば、売春は違法ではな
い。しかし、隔離された場所での行為であるためセックスワーカーは無力な立場
に置かれ、強盗や暴行、強かんなどを受けやすくなる。

セックスワーカーのクイーンは、「客引きの罪に問われるのが怖くて、強かんな
どの被害を訴え出たことはない」と語る。

香港のセックスワーカーは、警察の保護を受けられないばかりか、警察の標的に
なることもあるという。

アムネスティの調査によれば、警察官は権力を乱用し、おとり捜査やゆすり、強
要でセックスワーカーの犯罪をでっちあげ、処罰することが多い。覆面警官は、
証拠をつかむためにセックスワーカーから一定の性的サービスを受けることが認
められている。また警察や警察を自称する個人が、「金銭を渡すかセックスをタ
ダでさせれば法的制裁を見逃しやる」と言い寄るという証言もあった。

トランスジェンダーのセックスワーカー対しては、警察の扱いがとりわけ手ひど
いことが多く、トランスジェンダーの女性に男性警官が極めて屈辱的な全身の身
体検査を行うケースも多い。

香港でトランスジェンダーのセックスワーカーの支援する弁護士は、「さんざん
体を触ったり、からかったりですよ」と言っている。

トランスジェンダーの女性のセックスワーカーは逮捕後、男性用の拘置施設や精
神疾患の囚人用の特別房に送られることもあるという。

ノルウェー

ノルウェーでは、買春行為は違法だが売春そのものは違法ではない。一方、
「セックスワークの促進」やその施設の賃貸など関連行為は、犯罪とされている。

顧客や組織犯罪による強かんや暴力は多発しているにもかかわらず、セックス
ワーカーが警察に被害を通報するには高い壁がある。

「ある男の家に行ったら、その男に2回顎を拳固で殴られた。でも警察には言わ
なかった。記録が残ると困るから」とあるセックスワーカーは語った。

またセックスワーカーが警察に暴力被害を訴え出ると、警察と関わったばかりに
家から立ち退かされたり国外追放されたりすることがあるようだ。

法律では、セックスワーク行為があった場合、その場所を貸した家主が訴えられ
る可能性があるため、セックスワーカーは強制的に立ち退かされる恐れがある。

セックスワーカーの人権団体の代表は、次のように説明している。「家主が立ち
退きをさせないと、警察が家主を容疑者として立件する。警察は、家主が法律を
利用してセックスワーカーを立ち退かせるように仕向けている

またセックスワークの当事者は、身を守るために互いに協力したり、ガードマン
のような第三者の警護を頼むこともできない。こうしたことは同国の法律では
「セックスワークの促進」と見なされかねないからだ。
ブエノスアイレス(アルゼンチン)

ブエノスアイレスでは、公式には売買春は違法ではない。しかし実際には、関連
する行為を処罰するさまざまな法規があり、またこうした法律では合意の上での
セックスワークと人身売買を区別できないため、セックスワーカーは犯罪者とさ
れてしまう。

同地でもセックスワーカーが警察に暴力を訴える上でのハードルは高いことが、
調査で明らかになっている。

「相手(客)が金を払い、私が車を降りようとしたら、いきなり首を掴まれてナ
イフで切り付けられた。それで有り金全部と携帯電話を渡してやっとの思いで逃
げることができた

路上で客引きをするローラは、時間の無駄だと思ったため、警察には暴力も盗み
も訴え出なかったという。「ストリートワーカーの言うことなんか聞いてはくれ
ないから」

セックスワーカーは路上で手当たり次第に警察から呼び止められ、繰り返し罰金
をとられたり監察処分にあったりする。ブエノスアイレスでは、公衆の面前で
セックスワークにまつわるやりとりを取り締まる場合、警察や検察が個人の外見
や服装や態度を見て取り締まることは違法となっている。しかし実際にはこうし
た見た目の判断は頻繁に行われており、特にトランスジェンダーのセックスワー
カーは格好の標的にされている。

個人宅で仕事をするセックスワーカーは、警察による長時間の手荒な点検や捜
査、さらにはゆすりや賄賂の要求を受けることも多い。

またセックスワーカーは、甚だしい蔑視や差別にさらされ、とくに医療サービス
を受けるうえで困難があるという。

トランスジェンダーである元セックスワーカーは、「病院に行けば笑いものにさ
れ、医者の診察はいつも後回しなので、まともな医療は受けたことがない」と話
した。

このため徹底して医療サービスを避けるセックスワーカーもいる。


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