[CML 043278] 事故は新自由主義が引き起こした

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2016年 5月 5日 (木) 20:08:10 JST


 坂井貴司です。
 転送・転載歓迎。
 
 オトモダチモミイによって、NHKの報道姿勢は酷くなる一方です。公共放送と
いう建前さえ捨てて、国営プロパガンダ機関の道を歩んでいます。

 それでも、見るべき番組があります。

 再放送です。

 今年一月15日、長野県軽井沢を走っていたスキーバスが暴走して転落しまし
た。運転手と乗客13人が死亡しました。

 なぜ、事故が起きたのか。その原因を調べると、新自由主義によって引き起こ
されたことが明らかになりました。

 事故を起こしたバスを運営していた会社は、小泉・竹中の規制緩和によって、
新規参入した中古車販売会社でした。製造されてから5年以内の貸し切りバスを
7台所有していることとされていた規制が、バス3台あれば良いに緩和されまし
た。これによって、貸し切りバス会社が急増しました。
 バブル景気崩壊で多額の負債を抱えていた中古車販売会社のESPは、事態を打開
するため貸し切りバス業界に参入しました。バス運行管理する社員は一人だけで
した。その社員は、別のバス会社で死亡事故を起こした過去を持っていました。
 ESPが保有していた貸し切りバスは、外側はきれいでも、中身はボロボロでした。
床下部分はサビで穴だらけでした。診断した車両メーカーは、走らせると事故を
起こすと警告しました。ESPは1400万円で購入した以上、廃車にすることはで
きないと使用し続けました。
 ESPは「激安ツアー」を売り物にするインターネットの旅行会社から仕事を請負
っていました。国が定めた下限価格以下の報酬で請け負いました。ESPの社長は下
限価格があることを知りませんでした。
 業務運行はずさんでした。「仕事をもらってバタバタと運転手とバスをそろえ
る業務だった。運転手を研修する余裕はなかったので、いきなりハンドルを握ら
せた」と役員は証言しました。

 事故を起こして死亡した土屋運転士は、「老後破産」した老人でした。
 和菓子メーカーに就職し、家庭を築いたものの、会社倒産で失業し、妻子と別
れました。その後、中型、小型バスの運転士になり、中小零細企業が多い貸し切
りバス会社を転々としました。賃金は安いため貯金はできませんでした。年金も
ありませんでした。
 定年退職後、土屋運転士は「老後破産」しました。貯金も退職金もなかったか
らです。生活は困窮し、借金返済と飢えに苦しむ生活に陥りました。家賃を滞納
し、アパートから追い出しをくらっていました。
 仕事を探しましたけれど、60歳を越えた老人に仕事は見つかりませんでした。
ようやく見つかったのが、運転手不足に悩んでいたESPでした。賃金は出来高払い
の非正規の運転手として雇われました。 
 ESPに勤務する前、大型バスを運転した経験はありませんでした。大型バスの運
転はできないと周囲に言っていました。しかし、ESPの面接を受けた時、そのこと
は伏せました。
 適性検査では「死亡事故を起こす」という結果がでました。しかし、ESPは人手
不足だと土屋運転士にハンドルを握らせました。

 事故を起こしたバスに乗った乗客は早稲田大学や法政大学などの「一流大学」
の学生でした。しかし、奨学金の返済や高額の授業料支払いのため、学生生活に
余裕はありませんでした。
 せめてスキーに行きたいと、安いツアーを検索し、見つけました。「この価格
ならならスキーに行ける」と喜んで予約しました。
 
 土屋運転士は事故当日、日払いの賃金を受け取りました。1万6千円でした。
それが数百キロの凍り付いた道を徹夜で走る報酬でした。そして土屋運転士の全
財産でした。
 事故後、土屋運転士の遺骨は無縁仏として寺に納められました。

 死亡した学生の遺族は、運転士が死亡したことと、ESPが会社解散をしたため、
賠償を請求することができませんでした。泣き寝入りで終わりました。

 新自由主義の矛盾が悲惨な形で爆発したバス事故です。

 NHK総合
 NHKスペシャル
「そしてバスは暴走した」
 http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20160430

 放送日:5月7日(土)
 放送時間:午前0時10分〜0時59分(6日深夜)
 
坂井貴司
福岡県
E-Mail:donko at ac.csf.ne.jp
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「郵政民営化は構造改革の本丸」(小泉純一郎前首相)
その現実がここに書かれています・
『伝送便』
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