[CML 042684] 「脱被ばく」という主張を必要とする社会 荒木田岳さん/「子ども脱被ばく裁判」の会会報「道しるべ」より

京都の菊池です。 ekmizu8791 at ezweb.ne.jp
2016年 3月 27日 (日) 09:03:24 JST


「脱被ばく」という主張を必要とする社会  荒木田岳さん/「子ども脱被ばく裁判」の会会報「道しるべ」より


転送転載歓迎



「脱被ばく」という主張を必要とする社会

荒木田 岳(福島大学)


 安保法制成立の陰で放射線被ばくの問題は忘却されているように見受けられるが、忘却されるとされざるとにかかわらず、人々の被曝は続いている。安保法制も脈絡なく出現したわけではなく、立憲主義・法治主義の危機は福島原発事故の延長線上にある。
 福島原発事故後、政府自らが定めた手続にも基準にも従わずに、場当たり的な対応をしたのが2011年のことであった。現地が不安のどん底にあったとき、政府、マスコミは根拠のない安全論をまき散らし、住民の被ばく回避を妨害した。こうした場当たり的対応を正当化したのが「学術権威」であった。「科学的」という言葉で異論を封じ、人々は不安を口にすることもできなくなった。被ばく問題は争点化されなかったのである。
 しかし、そもそも放射線のエネルギーは莫大であり、人体にとって有害きわまりないものであることは周知のとおりで、無用な被ばくも避けるに越したことはない。これは、半世紀以上も前から物理学者や医者の間で合意されてきたことであった。こうした見解が福島県内で主張されなかったのは、これが「不都合な真実」だったからにほかならない。
 こうして、福島県内では「脱原発」の知事の下、右から左まで「オール福島」で復興、というモードに入っていった。とくに驚かされたのは、脱原発を主唱する「放射線防護学」という肩書きの「科学者」が、放射線は防護しなくてよいという旨の主張を繰り返していたことであった。異論を許さぬ自称「民主主義者」が、現地に多様な考え方があるのは「迷惑」だとも述べていた。こうした全体主義的な世論を打破するには被ばく問題自体を争点化するほかないと考えた。
 福島原発事故が提起したのは、エネルギー問題でも復興の問題でもなく、被ばく問題であり、人権問題であり、私達の生命と健康と生活の問題であった。未だこのことがが広く理解されているとは言いがたいが、事実は、静かにこの現実を社会に突きつけているように思う。
 当然のことは言う必要がない。しかし、当然のことを言わなければならない時代が現実化している。「脱被ばく」の権利を裁判で争わなければならない時代がやってきている。こうなると世も末だが、この譬えは案外冗談ではないかもしれない。このような時期、旧ソ連邦が、原発事故から5年後に消滅したことの意味は、もう一度考えてみる必要があるように思われる。



京都の菊池です

「子ども脱被ばく裁判」の会 《会報 第2号 2015年10月発行》道しるべ

より、
上記を転載しました。


(※会報「道しるべ」は、
「子ども脱被ばく裁判」の会のブログよりダウンロードできます。
http://datsuhibaku.blogspot.jp/p/blog-page_5.html )


荒木田さんは、
「子ども脱被ばく裁判」の親子裁判の原告でもあります。


「子ども脱被ばく裁判」の会のブログ
http://datsuhibaku.blogspot.jp/
より


子ども脱被ばく裁判とは? 
http://datsuhibaku.blogspot.jp/p/blog-page.html


2011年3月11日、東京電力福島第一原子力発電所事故は、4年が経過する今も放射性物質を放出し続け、収束の目途すら立っていません。
「低線量の放射線に長期間にわたり継続的に曝されることによって、その生命・身体・健康に対する被害の発生が危惧される」(2013年4月24日仙台高等裁判所判決文抜粋)と司法も認めているように、子どもたちの健やかな成長が脅かされています。
福島で子育てをする私たちは、「子どもたちに被ばくの心配のない環境で教育を受ける権利が保障されていることの確認」(子ども人権裁判)をそれぞれが居住する自治体(福島市、川俣町、伊達市、田村市、郡山市、いわき市、会津若松市)に求めるとともに、
事故後、県外に避難した人たちとも力を合わせて、国と福島県に対し、「原発事故後、子どもたちに被ばくを避ける措置を怠り、無用な被ばくをさせた責任」(親子裁判)を追及するために、
2014年8月29日福島地方裁判所に提訴しました。

原告(延べ人数)
子ども人権裁判 35名
 第一次提訴 23名
 第二次提訴 12名
親子裁判 166名
 第一次提訴 84名
 第二次提訴 82名
(2015年1月14日現在)


※この「子ども脱被ばく裁判」の会のブログは、

「311甲状腺がん家族の会」のホームページ
http://311kazoku.jimdo.com/
をリンクをはって、

「311甲状腺がん家族の会」へもご支援をお願いします!

と呼びかけています。

「311甲状腺がん家族の会」のホームページもぜひお読みいただき、まわりへ伝えてください。



荒木田さんは、

3月下旬、関西でお話されました。
※荒木田岳さんが兵庫でお話されます。チェルトコフさんの上映とトーク。そして今日はレイバーネットTVもあり
(記事URL
http://list.jca.apc.org/public/cml/2016-March/042722.html )

そして、原発賠償京都訴訟を傍聴し、報告会で発言もしてくださりました。
※明日3/25金曜日の原発賠償京都訴訟第13回期日に ぜひご参加ください!(午前10時20分集合・京都地裁)
(記事URL
http://list.jca.apc.org/public/cml/2016-March/042751.html )


もう一つ。

関西で、
毎日放送が、荒木田さんを取材して作ったドキュメンタリー番組が今日3/27日曜日の深夜に放送されます。
可能であれば録画もしてぜひご覧ください。

この番組に荒木田さんと同じく取材を受け登場する森松さんからの案内を転載します。



皆さまへ

いつも寄り添いお支え下さいまして感謝です、
原発賠償関西訴訟原告団・東日本大震災避難者の会 Thanks & Dream (略称:サンドリ)代表の
森松明希子です。

3/27日曜日の深夜に放送される1時間のテレビ・ドキュメンタリー番組に出演します。

【テレビ情報】■毎日放送 2016年3月27日(日)深夜0時50分〜 “自主避難”?原発事故から5年・真実と風化
http://sandori2014.blog.fc2.com/blog-entry-912.html

こちらのページで予告動画が見られます。
http://www.mbs.jp/eizou/

ぜひご覧ください。
できるだけ多くの方々にお知らせいただけましたらありがたいです。

原発事故は目には見えない放射能汚染と五感で感じることの出来ない低線量被ばくの問題であり、
そのことを避けて通ることは出来ないと思うのです。
本当の意味での復興、そして平和や安全な暮らしというものを、
ともに考えていただければと心から願います。

東日本大震災避難者の会 Thanks & Dream 代表・
原発賠償関西訴訟原告
福島県郡山市→大阪市・2児を連れて母子避難
森松明希子


今日放送の前作
映像'14 "自主避難"〜原発事故から3年・家族の苦悩 2014年3月16日放送

について下記参照ください。

“自主避難”〜原発事故から3年・家族の苦悩|福島映像祭2014
http://fukushimavoice.net/2014/08/1569

<福島映像祭2014> あらゆる福島の内側へ― 特集上映 公式サイト
http://www.mmjp.or.jp/pole2/2014/fukushimaeizousai/fukushimaeizousai2014.html

Silmaril Necktie 
原発ゼロ上牧行動と脱原発・高槻アクションの広報部  
タグ別アーカイブ: 津村健夫
https://silmarilnecktie.wordpress.com/tag/津村健夫/


オムニバスドキュメンタリー 3・11大震災3年 記者たちの眼差し - 報道の魂
http://www.tbs.co.jp/houtama/last/140419.html


菊池
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