[CML 042535] 第182回 引き続き、差別犯罪本「全国部落調査」について
檜原転石
hinokihara at mis.janis.or.jp
2016年 3月 19日 (土) 08:25:33 JST
檜原転石です。
▼連載差別表現
小林健治
第182回 引き続き、差別犯罪本「全国部落調査」について
http://rensai.ningenshuppan.com/
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○「カミングアウトしないから差別が助長される」のではない
部落差別とおなじく、「その個人に表象される(差異)が見えにくい」
LGBT(セクシュアルマイノリティ)の人たちの中で、カミングアウトしてい
る人も多いが、圧倒的多数の人は自己の性的指向や性自認と社会意識・社会制度
の狭間で苦しんでいる。カミングアウトしないから差別が助長されるのではない。
社会意識としてLGBTに対する差別観念が存在し、社会制度も整備されてい
ない現実があるからカミングアウトできないのである。これは部落差別も同じだ。
カミングアウトするとは「社会的立場の自覚的認識」に立って、差別と闘う主体
性を確立したときに、みずから行うものであり、他者からあれこれ指示されるこ
とではない。
被差別部落出身であることを「隠し」、LGBTであることをカムアウトし
ないのは、それぞれの当事者の「弱さ」に起因する事柄ではない。差別との闘い
方には多様な手段・方法と態度がある。みずから「出自」を名乗る必要もない
し、名乗っても差別されない社会関係と制度の確立こそが問われている。
カミングアウトして明らかになるのは、カミングアウトされた側の差別意識
の有無である。
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