[CML 042466] IK改憲重要情報(137)

河内 謙策 kenkawauchi at nifty.com
2016年 3月 14日 (月) 20:32:44 JST


IK改憲重要情報(137)[2016年3月14日]



私たちは、内外の改憲をめぐる動きと9条改憲反対運動についての情報を発信しま
す。

(この情報を重複して受け取られた方は失礼をお許しください。転載・転送は自由で
す)



弁護士 市川守弘、弁護士 河内謙策



連絡先:〒170-0005東京都豊島区南大塚3-4-4-203 河内謙策法律事務所電話

03-6914-3844,FAX03-6914-3884



河内が参加している「南シナ海問題署名運動」のサイトは以下のとおりです。

http://www.southcs.org/

__________________

(以下の見解は、河内個人の見解です。市川の見解は、必ずしも河内の見解と同一で
はありません。御理解のほど、よろしくお願い申し上げます。)



    中国の膨張主義・侵略主義が急拡大



 前回の「IK改憲重要情報(136)」で、南

シナ海における米中の一触即発の情況をお伝えしましたが、その後、アメリカが通行
を通告し、中国が「道」をあけたようです。以下のニュースは、そのことを推測させ
ます。もっとも、アメリカ人はジョークが好きな人間たちですから、アメリカの軍人
が「友好的に意思疎通を図った」と言っていることは、ほんとうのことかどうか分か
りません。今後は、更にヒートアップすることでしょう。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/03/08/2016030800572.html



 中国の膨張主義・侵略主義は、急速に拡大しています。

 米国家情報長官は、南シナ海人工島の軍事施設が年内にも完成すると述べていま
す。

http://www.sankei.com/world/news/160311/wor1603110015-n1.html



中国は、南シナ海問題につき「日本は当事者ですらない」と暴言を吐く一方で、中国
の海軍艦隊が日本列島を一周しています。日本は脅迫されているのです。

http://www.sankei.com/west/news/160308/wst1603080002-n1.html

http://www.sankei.com/west/news/160308/wst1603080002-n1.html



 国内に問題をかかえる専制国家は、国内民衆の目を外に向けさせて延命を図るとい
う教科書どおりの行動をとっているのが中国です。

 遂にインド国境も火を噴きだしたようです。

http://www.sankei.com/world/news/160312/wor1603120055-n2.html



 中国は、オランダ・ハーグでの常設仲裁裁判所での「敗北」を予想して、新たな策
謀をめぐらしています。なんと、中国自身が国際海洋司法組織をつくるというので
す。お笑いです。

http://www.cnn.co.jp/world/35079450.html



  改憲をめぐる自民党内の動き



 安倍首相が「在任中に改憲をやる」と発言したことは、「IK改憲重要情報
(136)」でお知らせしましたが、「夕刊フジ」3月12日号は、この安倍首相の発言
に対して、自民党の幹部から異論が出ていることを伝えています。

「参院選を前にして、憲法改正を争点にするのはまずい。不得策だ。野党は、安全保
障法制を「戦争法案だ」と攻撃したように、「戦争か、平和か」と不安をあおる攻撃
を仕掛けるだろう」

「参院選前に不適切だ。思いは分かるが、憲法改正の意向だけが表に出る」

「選挙戦略で考えたら、(改憲は)主要な争点として適切でない。国民が求めている
のはまずは景気・経済対策だ」

 そのほかにも、同旨の発言がつづきます。

 これは何を意味するのでしょうか。自民党幹部は、なかなか国民の気持ちをとらえ
ている、と言っていいのでしょうか。

 私は、自民党の幹部の多数の一国保守主義をそこに見ます。つまり、自民党の幹部
は憲法改正を日本の中からしか見ていないのです。安倍首相はもちろん一国保守主義
ではありません。だからこわいのです。

アメリカに従属している限り、アジアの覇者をめざすかぎり、憲法を改正して軍事大
国にならなければならないことを安倍首相らは、分かっているのです。それが「積極
的平和主義」ということでしょう。

私は、日本の民衆運動の主流は、一国平和主義だと思います。日本の国内で「平和」
を叫ぶだけです。南シナ海の問題に声をあげることもしません。

後世の歴史家は、民衆運動の「一国平和主義」は「積極的平和主義」に敗れたと総括
することになるのでしょうか。



兵頭二十八の最近本のお勧め



 地政学という学問があります。Wikipediaによれば、「地理的な位置関係が政治、
国際関係に与える影響を研究する学問」と言われています。私の見たところ、この地
政学を下敷きにして国際政治を論じている論者は多いのです。

 兵頭二十八という軍事評論家がいます。

この人は、一見、奇人ですが、その分析は、非常に鋭く、余人の追随を許さぬものを
持っています。

 この兵頭二十八が、最近、以下の本を書きました。

 兵頭二十八『「地政学」は殺傷力のある武器である。』徳間書店

 とにかく、この本は面白い。

 この本の面白さは、地政学の祖である、アメリカのマハンのことを徹底的に調べて
いることです。マハンの父、父の恩師まで調べているので、地政学がどのような発想
をもっているのかがよく分かります。

 この本のもう1点の面白さは、現代史のユニークな解釈です。たとえば、日本の戦
前の歴史と石油の関係がよく分かります。私は、この本で初めて、北カラフトの石油
のことを勉強しました。

 もう1点面白いのは、兵頭は非常な愛国者なので、地政学から見て、「日本は中国
になど、絶対に負けない」と言い切っていることです。その理由は………です(本を
読んで下さい)。

 もちろん、兵頭は9条改憲論者です。だから、私に対して「改憲論者をもちあげる
とは何事だ」という抗議があるかも分かりません。しかし、護憲論者も改憲論者の本
を読んで、対等に冷静に議論する時代が来ていると思うのです。護憲論者が、「護
憲」だという立場にあぐらをかき、改憲論者を毛嫌いしている内に、護憲論者の議論
は枯渇し、教条を振り回すようになり、国民から遊離してしまっているのではないで
しょうか。国民の中でも、見る人は、見ていますよ、と私は言いたいのです。



             以上















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