[CML 042313] 今日の言葉(2)――これだけ偏見や憎悪を振りまくことで支持を広げてきたトランプが世界一の超大国アメリカの大統領になった時アメリカ社会のみならず世界に与える影響は計り知れない。
higashimoto takashi
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2016年 3月 6日 (日) 22:22:33 JST
【プアホワイトの崇拝に近いトランプ支持の危険性】
今年の大統領選挙の候補指名争いは、民主・共和両党ともに、当初は泡沫候補に終わると見られていた候補が予想外の善戦を
続けている。民主党で民主社会主義者を自任するバーニー・サンダース上院議員が、大本命のクリントンを猛追する一方で、共
和党では行政経験ゼロの億万長者トランプが、他の有力候補を圧倒して序盤から大きくリードするなど、これまでの常識が通用し
ない異例の状態が続いている。一般的にはこの現象は、硬直化した旧態依然たるワシントン政治に辟易とした有権者が、異色の
候補者に惹かれた結果だと説明されているし、おそらくそれは大筋では正しい評価だろう。
しかし、トランプの下に集まる熱狂的な支持には注意が必要だ。なぜならば、それはトランプの支持者たちの多くが、彼の主張する
政策そのものよりも、そのスタイル、とりわけ人種や宗教、性別に対する偏見(bigot)や憎悪(hate)を剥き出しにした発言を口にする
ことを憚らないトランプの演説スタイルに惹きつけられていることが、明らかになってきたからだ。(略)
トランプにはクルーズも、他のどの候補も持たない特徴がある。それは彼が人種的、宗教的、性的な偏見を平然と口にし、これま
でのアメリカ政治の基準では許容されないとされてきたヘイトスピーチ的な言説を憚らないことだ。そして、トランプのそのスタイル
が、むしろ大胆不敵(bold)、率直(straight)、強いリーダーシップなどと持て囃され、彼こそが再び強いアメリカを取り戻してくれる真
のリーダーだと一部の、とりわけプアホワイトと呼ばれる現状に不満を抱く白人の低所得層に、崇拝にも近い形で崇められている
のだ。実際、トランプ支持者の集会では、他人種や他宗教、女性や性的マイノリティーを蔑んだり揶揄したりする言葉が当たり前
のように乱れ飛び、そうした主張に批判の声をあげる反対派の市民が、会場から力づくで追い出されるシーンが繰り返し目撃され
ている。(略)
過去30年あまりの間、新自由主義的な政策によってアメリカ社会に格差が広がり、多くの白人が中間層から貧困層に転落した。
と同時に、アメリカにおける白人の比率も減り続け、近い将来白人人口が全体の50%を割ることは必至の状況だ。独立以来アメ
リカの歴史を牽引してきた白人が、間もなくマイノリティに落ちようとしている。そうした状況に不満や危機感を抱くプアホワイトたち
が、トランプ人気を支えている(略)。とどまるところを知らないトランプ旋風にようやく危機感を持った共和党の指導部やメディアは、
ここにきてトランプ批判を強めている。共和党にとっても、明らかに自分たちが主張してきた政策とは異なる主張を持つ候補を選
ばなければならなくなると、党のアイデンティティが危機に陥る恐れもある。また、既存のメディアも、ここまではトランプ旋風を、い
ずれ失速するだろうという前提で、面白半分で伝えてきたところがあったが、ここにきて批判の手を強めている。(略)
(神保哲生「ビデオニュース・ドットコム」2016年3月5日)
以下、省略。全文は下記をご参照ください。
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東本高志@大分
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