[CML 043697] 琉球新報<社説>:県議選与党大勝 辺野古移設を断念せよ 民意無視はもう許されない+沖縄タイムス社説:[与党が過半数堅持]基地への拒否感根強く ほか

uchitomi makoto muchitomi at hotmail.com
2016年 6月 7日 (火) 06:54:50 JST


琉球新報<社説>:県議選与党大勝 辺野古移設を断念せよ 民意無視はもう許されない
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-292771.html

2016年6月6日 06:01

 民意はまたも明確になった。政府がこれ以上、沖縄の民意を無視し、踏みにじるのは許されない。

 翁長県政1期目の県議会勢力図がどうなるか、全国的にも注目を集めた第12回県議選は、県政与党が地滑り的な大勝を収めた。安倍政権が強行しようとしている米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設についても、明確に反対する人が大多数を占めた。
 一昨年の知事選、衆院選、名護市長選、名護市議選でも辺野古反対派が全て勝利している。民主主義国である以上、辺野古新基地建設を正当化できる根拠はもはや皆無だ。政府は新基地建設を断念し、対米交渉をやり直すべきだ。

説得力なき犯罪対策

 今回の県議選は定数48に対し、71人が立候補した。無投票となった定数2の名護市区を除き、12選挙区で激しい選挙戦を展開した。
 県政をめぐる課題はさまざまあるが、最も注目された論点はやはり米軍基地問題だった。米軍属女性遺棄事件に強い反発が上がる中、各候補はこぞって日米地位協定の改定を打ち出した。「運用改善」でよしとする意見はごく少数だった。
 投開票日の直前、政府は事件を受けた対策を打ち出したが、内容は防犯カメラ増設と警察官増員である。カメラを増やせば米軍関係の犯罪を抑止できると言わんばかりの「方向音痴」の対策は、何の説得力も持たなかった。県議会当選者の96%が地位協定の改定を求めていることの重さを、政府は正面から受け止めるべきだ。
 在沖米軍基地全体について、立候補者全員が「基地の大幅な整理縮小」か「全面撤去」、「整理縮小」のいずれかを掲げた。基地の現状維持を求める人はただの一人もいない。在沖米海兵隊も大多数が「全面撤退」か「大幅削減」で、「現状維持」は皆無だ。辺野古新基地についても、明確な反対だけで新議席の7割弱に達する。
 政治的な立場は別として、こうした事前のアンケート結果と当落だけを純粋に受け止めれば、今県議選に込めた県民のメッセージは次のように総括できよう。米軍を今の規模で沖縄に押し付け続けるのは許さない。海兵隊の現状維持どころか、新基地まで沖縄に造ろうとする政府は論外だ。
 菅義偉官房長官は記者会見で、この県議選の結果が辺野古新基地建設に与える影響はないとの認識を繰り返し示していた。いくら予防線を張りたいのだとしても程がある。沖縄の民意に対してあまりに不誠実だ。

政策立案に期待

 県議には住民の多様な意見や要求をくみ取り、政策に集約する機能が求められる。
 沖縄には多くの問題がある。中でも子どもの貧困は喫緊の課題だ。その意識の反映か、前回の選挙と比べて今回は格段に多くの候補者が政策に掲げた。
 翁長県政与党は県の実態調査や対策推進基金を評価し、野党は内閣府の対策予算計上を評価する。そんな傾向が見られた。
 県議会は県と並ぶ「二元代表制」の一方である。行政を評価するのもいいが、自前の政策立案もぜひ実行してほしい。
 内閣府の予算は現時点で期間は不透明だ。事業開始後に国の補助が打ち切られた場合、負担に耐えられない、と二の足を踏む市町村もある。貧困対策には時間がかかる。一時のブームに終わらせず、息の長い事業として行政の枠組みに組み込む必要がある。その知恵を新議員には期待したい。
 県民所得が全国平均の7割にとどまること、全雇用者の45%が非正規であることなど、経済分野の課題も大きい。単に抽象的な「経済振興」を訴えるだけではない、具体的な政策提案が求められる。
 直近の4年間、県議会は2本の議員提案条例を制定した。その前の40年通算で4本だったことを考えると、高く評価できる。今回、新たに県民代表となった48人にも政策立案機能を期待したい。

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琉球新報<社説>:飲酒米兵国道逆走 これが「喪に服す」の実態だ
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-293316.html

2016年6月7日 06:02

 嘉手納基地所属の米海軍兵が酒に酔った状態で嘉手納町水釜の国道58号を逆走し、2台の軽自動車と次々に衝突し、男女2人に重軽傷を負わせた。

 「綱紀粛正」の掛け声に何ら実効性がないことをあらためて証明した格好だ。一方でこれは、沖縄では何度も繰り返されてきた、いわば日常の光景でもある。
 精神論を語るだけでは時間の無駄だ。戦後70年が過ぎた。もう、本当に効果のある対策を講じるべきときだ。
 自分たちは特権に守られており、米軍基地内に逃げ込めば日本側に逮捕されず、証拠隠滅も可能だ。そんな意識がふらちな行動を招いているのは想像に難くない。
 捜査に関わる特権を米軍人・軍属から剥奪するよう、日米地位協定を抜本改定すべきだ。全米軍基地に国内法を適用し、基地内での全ての捜査を可能にすべきだ。
 現場は沖縄最大の国道の、なおかつ見通しが良く、速度が出やすい地点だ。そんな場所で逆走する車に出くわした恐怖はいかばかりか。逮捕された米兵からは基準値の6倍ものアルコールが検知されている。死者が出なかったのが不思議なくらいだ。
 容疑者は「読谷村内の友人宅で酒を飲んだ」と供述している。米軍属女性遺棄事件を受け、在沖米軍が基地外での飲酒を30日間禁じる措置を講じてから1週間ほどしかたっていない。米軍の言う「喪に服す」とは、この程度である。
 日本政府は米軍犯罪対策として、警察官の増員やパトカーの増強を掲げたが、噴飯物だ。事件事故を防ぐというより、起きた事件事故の処理に当たることになろう。これで抑止策とは、もはや笑い話だ。
 安倍晋三首相はこの事故を「言語道断だ」と述べたが、うわべの言葉だけ厳しくても、実効性がなければパフォーマンスにすぎない。
 沖縄での米軍絡みの事件事故を本気でなくすなら、地位協定改定より期待できる対策がある。沖縄への基地集中をやめることだ。
 3月の女性暴行、4月の覚せい剤取締法違反、5月の遺棄、今回と続いてきた。だが復帰後、米軍絡みの事件は昨年末までで5896件もある。今回の事件も、いわば約6千分の1にすぎないのだ。
 1県だけにこれほど被害を集中させるのは、あまりに理不尽と言うほかない。政府が真剣に向き合うべきなのは、その差別性だ。

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沖縄タイムス社説:[与党が過半数堅持]基地への拒否感根強く
https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=171831

2016年6月6日 05:00 社説 沖縄県議選2016 注目
 
 2014年12月に就任した翁長県政の「中間評価」と位置付けられた県議選。結果は辺野古新基地建設でぶれない翁長雄志知事の姿勢を後押しするものだった。

» 翁長知事支える与党が過半数維持 沖縄県議選

 任期満了に伴う第12回県議会議員選挙(定数48)は5日投開票され、翁長知事を支える県政与党が引き続き過半数を堅持した。

 改選前の議席数(欠員2)は46議席で、議長を除き与党が23議席、野党・中立が22議席だった。与党は各選挙区で善戦し改選前の議席に上積みした。

 政府と対峙(たいじ)する翁長知事にとって、県議会の後ろ盾を得た意義は大きい。14年の名護市長選、県知事選、衆院選で示された県内潮流が大本では変わっていないことをあらためて裏付けた。

 女性遺体遺棄事件が起き、反基地感情が高まる中、与党側は辺野古新基地建設に明確に反対を表明。野党側は辺野古を含むあらゆる可能性を追求するとし、争点ぼかしの「あいまい戦術」をとった。宜野湾市長選のときの戦術を踏襲したのである。

 米軍の綱紀粛正と再発防止策に実効性がなく、日本政府が決めた応急対策にも県民から疑問が噴出した。

 投開票前日には米海軍二等兵曹の女が酒酔い運転で国道58号を逆走し車両2台と衝突する事故が発生、道交法違反容疑で現行犯逮捕された。相次ぐ事件・事故の発生によって県民の怒りはかつてないほど高まっており、それが選挙結果に影響したものとみられる。

■    ■

 今回の県議選については与野党とも、7月10日投開票の参院選の前哨戦と位置付け、重視していた。

 翁長知事は告示前から候補者選考の調整に主導的に関わった。名護市区と宮古島市区では与党候補者の新旧交代を果たした。

 告示後も、当落線上にいると判断した候補者に対しては選挙区に複数回入るなど、強力に後押しした。

 自民党も国政並みの取り組みをした。テレビ、ラジオCMで経済振興や雇用対策を訴えた。

 子どもの貧困や待機児童問題などについては与野党が共通して訴え、有権者の関心も高かった。

 宜野湾市長選で敗北した「オール沖縄」陣営は県議選に勝利したことでその勢いを参院選につなぐ構え。過半数を制することができなかった野党は参院選に向け、取り組みの見直しを迫られることになりそうだ。

■    ■

 投票率は53・31%。前回12年の52・49%に比べ0・82ポイント上回ったことになる。

 復帰後の県議選で投票率が最も高かったのは1976年の82・28%。その後も70~80%台の高い投票率を維持してきたが、92年から毎回のように低下し続けた。

 今回の上昇をもって長期低下傾向に歯止めがかかったと判断するのは早計だ。

 新しい議会は「政策形成」「執行部監視」の機能を高め、住民との対話や情報公開などを通して住民との距離を縮めてもらいたい。投票率の低迷に議会上げて本腰で取り組むときだ。

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沖縄タイムス社説:[今度は海軍に禁酒令]地位協定に手を付けよ
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=171985

2016年6月7日 05:00 注目 社説
 
 在日米海軍は6日、日本に駐留するすべての海軍兵に対し、基地内外での飲酒を禁じ、勤務時間外の行動についても自宅と勤務先の往復などに制限する服務規律の見直しを発表した。

» 在日米海軍が禁酒令 飲酒事故受け

 嘉手納基地所属の海軍兵が酒酔い運転の容疑で逮捕された事件を受けての緊急対策である。

 「全面飲酒禁止」は異例で、再発防止への決意がにじむ重い判断に見えるが、当面の間、海軍に限った措置である。これまで繰り返された綱紀粛正策に照らせば「ほとぼりが冷めるまで」の弥縫(びほう)策にしか映らない。

 元海兵隊員で軍属の男による女性遺体遺棄事件を受け、在沖米軍は先月27日、軍人・軍属らに対する基地外での飲酒や深夜0時以降の外出禁止策を決めた。6月24日までの約1カ月間を「喪に服する」期間とすることも強調している。

 今月3日、政府の犯罪抑止対策推進チームは、警察官100人の増員や車両100台のパトロール隊などの設置を決めた。

 そして今回。在日米海軍は全兵士に飲酒禁止を指示したのである。

 日米両政府から矢継ぎ早に打ち出される再発防止策は、沖縄の怒りが地位協定の改定にとどまらず、全基地撤去の運動へとつながるのを恐れてのことだろう。

 しかし、これら対策が実効性のある恒久対策になり得ないことは、過去の事例をひもとけばすぐに分かる。  

■    ■

 2012年、本島中部で起きた2米兵による女性暴行事件の際、米軍は外出時間や飲酒の規制を盛り込んだ「リバティー制度」を設けた。ところが14年に規制が緩和されると、飲酒運転で逮捕される米兵が相次いだ。

 観光客の女性がホテルで暴行された事件を含め、昨年から今年にかけて那覇市内で頻発した米兵関係の事件は、中北部に比べ憲兵や上官の「監視が緩い」ことが背景にあげられた。

 事件を受け今度は、那覇での宿泊が禁じられた。いたちごっこである。

 海軍兵による酒酔い運転事故も、米軍自らが定めた哀悼期間に起きている。綱紀粛正策は1週間余りで破られた。

 ドーラン在日米軍司令官は、今回の服務規律の見直しに当たり「米軍兵士は国の代表として最も高い水準の規律を維持することが求められている」と話したが、飲酒の全面禁止自体、「良き隣人」政策の破綻というしかない。

■    ■

 日米双方から示された三つの再発防止策に県民が冷ややかなのは、いずれ時間がたてば緩和され、事件・事故が再び繰り返されることを経験則として知っているからだ。

 遺体遺棄事件後、共同通信社が実施した全国世論調査で、7割を超える人たちが地位協定の改定を支持している。

 米軍関係者が地位協定によって守られ、優遇され、それが占領者意識を温存させ、再発防止を妨げているのは明らかである。

 両政府の対策には、その最も大事な部分が抜けている。 		 	   		  


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