[CML 041639] 今なぜ違憲訴訟か(その2) 弁護士 内田雅敏

motoei at jcom.home.ne.jp motoei at jcom.home.ne.jp
2016年 1月 21日 (木) 10:27:00 JST


今なぜ違憲訴訟か(その2)
弁護士・内田雅敏(総がかり行動・戦争をさせない1000⼈委員会事務局⻑)

日々を過ごしていたが、その情勢は、わずか数年にして
国家の意図するままに一変し、信教の自由はもちろん、
思想の自由、言論、出版の自由もことごとく制限、禁圧
されて、有名無実となったのみか、生命身体の自由をも
奪われたのである。『今日の滴る細流がたちまち荒れ狂
う激流となる』との警句を身をもって体験したのは、最
近のことである。情勢の急変には10年を要しなかった」
(1997年4月2日、愛媛県靖国神社玉串訴訟、尾崎行信
裁判官補足意見)。
まさに情勢の急変には10年を要しないのである。

▶平和国家の放棄 武器輸出を国家戦略
戦争は最大の人権侵害であると同時に最大の消費で
もある。武器輸出を国家戦略とすることを政府に迫る経
団連の提言(2015年9月16日朝日新聞)は、「政府の行為
によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにす
ることを決意」した、この国の戦後の否定でしかない。
2015年10月1日、政府は、武器輸出の窓口となる防衛
装備庁を発足させた。防衛省の外局となり約1800人で発
足する。武器輸出を国家戦略とする「平和国家」などは
あり得ない。これは単に倫理的な意味だけではない。武
器輸出をするためには、武器の需要がなくてはならない。
武器の需要、すなわち紛争である。1961年1月、米大統
領アイゼンハワーは、軍産複合体のもたらす危機を訴え
た。米国経済は、10年ごとに大きな戦争をしなくては成
り立たないようになっている。後になってその戦争を反
省しようが、それはまた全く別なことである。福島の惨
状を「放置」したままで、原発輸出に血道を上げる産業
界。今、また武器輸出、武器輸出を国家戦略とするよう
な国は、その国の産業構造を変えてしまうと云う事を理
解すべきである。

安全保障は「抑止」と「安心供与」の両輪によって成立
▶日本の場合
「抑止」は自衛隊と日米安保、
「安心供与」は憲法9条 専守防衛(集団的自衛権行使
不可)
▶「安心供与」の判断材料は、その国の品格(国柄) 信
頼できる国かどうか
‘販国家か 「同盟国」の政策に異を唱えることがで
きるか
イラク戦争における、仏、独と日本の違い
→日米安保とNATOの違い
沖縄の米軍基地の恒常化
過ちを検証できる能力があるか
→イラク戦争後の英国と日本の違い
人権保障が確立されているか。人権保障が確立されて
いない国は簡単に戦争に進みやすい。
現代中国に対する「警戒心」は、中国の具体的な「軍
事行動」だけによるものでなく、古くは天安門事件、
最近でも、人権派弁護士の連行などの人権弾圧 法治
主義でなく人治主義、反日「暴動」愛国無罪
日本の場合もヘイトスピーチの横行など
ぬ閏膽腟舛機能しているかどうか
閣議決定による集団的自衛権行使容認、安保法制
(戦争法制)の強行採決 立憲主義の否定
ノ拗颪箸隆愀古 歴史に真摯に向き合う姿勢があるか
この夏を忘れまい
▶敗北感はない
2015年9月19日未明、集団的自衛権行使容認の閣議決
定の具体化としての安保法案(戦争法案)が参議院で、強
行「採決」されたとき、自分でも不思議なくらい敗北感
はなかった。《さあ、これからだ》ということを改めて、
自分に言い聞かせた。これは私だけの思いでなく、この
法案に反対してきた多くの人々の共通の思いであった。
▶選挙戦に勝つ
強行採決後の反対運動は、安保法制の具体的な発動を
許さない活動であり、同時に安保法制廃止を求める活動
である。議会制民主主義の原則からすれば、まず、次回
以降の国政選挙で、今回の安保法案に賛成した議員を落
選させること即ち、議会に於いて与野党逆転をもたらす
ことである。今、政府・与党が、頼みとするところは「忘
却」である。私たちが、2015年の夏を「忘却」せずに、
闘い続けることができるかどうかに全てがかかっている。
▶違憲訴訟
反対運動の中で、安保法案が、憲法違反であることが
明瞭となった。ほとんどの憲法学者が、安保法制が憲法
違反であることを明らかにした。日弁連も、集団的自衛
権行使容認の閣議決定、安保法制が、憲法違反であり、
その強行「採決」は立憲主義の否定であり、それはこの
国の国柄を変えてしまうものであることを強く主張し
てきた。国柄が変わるということは、立法、司法、行政
の三権分立が瓦解し、行政独裁の国家となってしまうこ
とである。元裁判官、内閣法制局長官、元最高裁判事、
そして元最高裁長官までが、安保法案が違憲であると声
を挙げた。今までになかったことである。法律専門家と
してのプライド、それが、児戯に類する「論理」で無残
に破壊されて行く、国会審議の状況を見て、己の人格が
否定されるような思いを抱いたのであろう。
安保法制違憲訴訟は、差止め訴訟と、国家賠償請求訴
訟の二本立てであり、被侵害法益は平和的生存権と憲法
制定権である。 (2015年12月)

記載 九条こわす安保法制違憲訴訟埼玉準備会
連絡先 090-1702-8944(白田)


CML メーリングリストの案内