[CML 041511] IK改憲重要情報(125)

河内 謙策 kenkawauchi at nifty.com
2016年 1月 12日 (火) 17:00:03 JST


IK改憲重要情報(125)[2016年1月12日]



私たちは、内外の改憲をめぐる動きと9条改憲反対運動についての情報を発信しま
す。(この情報を重複して受け取られた方は失礼をお許しください。転載・転送は自
由です。)



弁護士 市川守弘、弁護士 河内謙策



連絡先:〒170-0005東京都豊島区南大塚3-4-4-203 河内謙策法律事務所電話
03-6914-3844,FAX03-6914-3884



河内が参加している「南シナ海問題署名運動」のサイトは以下のとおりです。

http://www.southcs.org/

___________________

(以下の見解は、河内個人の見解です。市川の見解は、必ずしも河内の見解と同一で
はありません。御理解のほど、よろしくお願い申し上げます。)



      日本、南シナ海問題に乗り出す



 既に多くの方がご存知のように、日本が南シナ海問題に乗り出すことを、安倍首相
は国会で表明しました。また、前後して、日本のP3Cが南シナ海で、「日本に帰還す
る際の飛行ルートの一部」という名目で、実質的に哨戒活動を行うことが明らかに
なっています。哨戒活動は軍事行動です。憲法9条違反であることは明白です。http:
//japanese.joins.com/article/317/208317.html?servcode=A00
<http://japanese.joins.com/article/317/208317.html?servcode=A00&sectcode=A10
> &sectcode=A10



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160109-00050140-yom-pol



現在進行中の9条改憲反対運動についての私の疑問



 9条改憲反対運動の発展のために様々な努力をされている方々には心から敬意を表
します。しかしながら、来る参院選を衆参同日選挙にして、衆院でも参院でも3分の2
以上の議席を独占して、改憲を進めようという陰謀が企まれている状況をみると、現
在進行中の9条改憲反対運動には、大きな疑問を感じざるをえないのです。それで、
各方面から御批判をいただくかもしれませんが、私の意見を率直に提起させていただ
きたいと思います。



疑問1:戦争法廃止運動より9条改憲反対運動を第一にすべきではないのか



 私の所に来た多数の年賀状が、今年は戦争法廃止のために頑張りたい、と書いて
あったのでびっくりしました。9条改憲阻止を何故第一の課題に考えないのでしょう
か。労働者の立場にたって闘う全労連のウェブサイトを見ても、戦争法廃止が前面に
出ていますから、日本の平和運動の中で、この点で混乱があるように思うのです。

http://www.zenroren.gr.jp/jp/



戦争法廃止も9条改憲反対も同じでないか、と思う人は、国民の視線からものを考え
ることが出来ない人だと思います。また、

9条改憲反対運動には、独特の困難な問題があり、戦争法反対運動を横滑りさせれば
よいということでは、無いのです。



疑問2:今回の9条改憲の狙いも、その反対の論拠も、運動の中で議論が不足してい
るのではないか



 今回の9条改憲の狙いは何か、それにどのような論拠で反対するのか、これらにつ
いて真面目に本格的に議論がなされているのでしょうか。たとえば「9条の会」の11
月13日のアピールは、非常にすぐれたアピールですが、この点が不十分です。

http://www.9-jo.jp/opinion/20151113apeal.pdf

なぜ9条改憲に反対するのか、この分かりきったような質問に反対する答えが一番難
しいのです。「戦争に反対だから」という答えに対しては、どんな戦争なの、

いつの戦争なの、なんのための戦争なの、という質問が出てくるでしょう。私は「戦
争に反対だから」というのは、不十分な答えだと思うのです。また、戦争に反対とい
うことだけでは、感情的な反対論だ、という批判を克服することは難しいと思いま
す。

 私は、今回の改憲は、アジアの覇権国家をめざすのか、それともアメリカにも中国
にも毅然とした平和国家をめざすのか、という争いだと考えています。



疑問3:9条改憲反対運動は、反対運動のプランをつくるべきではないのか



 日本の企業では、大きなプロジェクトを発足させるときには、担当者に企画書を作
らせ、それを取締役会で議論します。

 ところが、日本の平和運動は、この点では「ブルジョア民主主義」の水準以下で
す。

反対運動のプランもなく、ワーと一斉に駆け出すのです。これでは、運動をどう発展
させるかについて衆知を結集することはできませんし、終わってからの総括もできま
せん。各団体で、各地域で、あるいは全国的なレベルで、さまざまなプランがつくら
れることが望ましいと思います。



疑問4:日本の平和運動は、なぜ南シナ海問題にとりくまないのか



日本の平和運動は、きわめて一国主義的色彩の濃い平和運動です。ですから、今度の
9条改憲についても、日本国内からしか物事を考えていないし、アジアの民衆との連
帯を考える人も少数です。敵は世界的、アジア的視野で攻めてきているのですから、
これでは勝てるはずがありません。今のままでは、ベトナムに行っても、フィリピン
に行っても、民衆同士の連帯はつくれません。

 南シナ海の問題に目をつむって、いくら9条改憲反対の多数の人が集まっても、私
は大きく評価することはできません。日本の平和運動は、たくさんの人を集めること
に目を向けすぎているように思います。



疑問5:今度の9条改憲は、戦後の総決算の政治戦ではないのか



憲法9条の改憲の是非は、外交の問題・安全保障の問題にとどまるものではありませ
ん。たとえば、戦後社会保障の発展は、憲法9条の下でこそ可能だったのであり、9条
改憲がなされれば社会保障の大改悪は必至です。したがって、社会保障関係者に大き
く参加してもらうような9条改憲反対運動をつくりあげる必要があります。これはさ
まざまな分野についても言えることだと思います。

 だから、9条改憲問題につき、戦後政治の総決算にふさわしい運動にするために、

私達はもっと知恵を出す必要があるし、様々な分野の人と議論をし、コンセンサスを
作り上げていく必要もあるのでは、ないでしょうか。



疑問6:民衆運動の側のシンクタンクが必要なのではないでしょうか



 分業と協業がいかに労働生産性を高めるかは、アダム・スミス以来、明らかです。

しかし、日本の平和運動の弱点の一つは、平和運動の参加者が、すべて組織者兼理論
家のジェネラリストになりたがることです。これでは、複雑な理論問題が提起される
ときには対応しきれません。9条改憲は、そういう問題なのです。

 理屈は憲法学者にまかせておけばよい、という議論があるかも分かりませんが、9
条改憲を憲法9条違反ということはできませんから、憲法学者にとっても9条改憲は非
常の難題です。また、憲法学者に任せると議論は法律的になって、国民の気持ちや感
情から遊離する危険があります。だから、各団体や地域において、憲法の理論問題に
専念するスペシャルチーム=シンクタンクを作る必要があるのではないでしょうか。



疑問7:9条改憲反対運動の内部で、大きな議論の嵐が巻き起こる必要があるのでは
ないか。



2001年のことです。私がアメリカに留学しているときにアメリカの平和運動家と知り
合いになりました。それで私は、「日本の平和運動についてどう思うか」と尋ねまし
た。そのアメリカの平和運動家は何回か日本に行ったことのある人でした。私は、好
意的な回答を期待していました。ところが、そのアメリカ人は「日本の平和運動には
民主主義がないからね」と答えたのです。

 私は、その状況は、今も変わっていないと思うのです。いや、老人の繰り言を言わ
せていただければ、もっと悪くなっているのではないでしょうか。ネットなどを見て
も、若い人の発言は少なくなっているように思います。

 日本人には「原罪」があります。何が正しいか、よりも、そのような発言をするこ
とが、世間の人にどのように受け取られるか、を第一に考えるという思考パターンで
す。私は、このような思考が日本の平和運動にも大きく浸透しつつあるのではない
か、と心配しているのです。



              以上











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