[CML 041372] 低線量内部被曝の危険を⼈々から覆い隠すICRP学説の起源(第128回広島2人デモ 2015.5.1)

檜原転石 hinokihara at mis.janis.or.jp
2016年 1月 2日 (土) 14:42:58 JST


檜原転石です。

原発右翼オジサンが大好きな小野昌弘は科学を連呼してますが、彼こそが、放射
線学の変質に気づきもしない間抜けな科学者なのでしょう。だって放射線学っ
て、守田さん曰く──科学の装いをまとった放射線学から露骨に金勘定を導入した
「放射線学」へ、と変質しているわけですから。まあ簡単に言えば、基準値を厳
しくすれば避難民が膨れ上がりカネがかかる。よって基準値を大甘にして、住民
をあまり避難させずにしておけば、かかる費用を節約できる。この場合、津田敏
秀のようにまともな情報を発して住民に避難を考えさえ不安を与える科学者がい
ると、原発マフィアにとってまことに都合が悪い。そこで「放射脳」「放射線恐
怖症」「放射能おばけ」とかいう言葉を連呼する愚者が至る所から現れ、放射性
物質を余り怖がるな!と吹聴しはじめればカネをけちって避難させない原発マ
フィアにとってまことに都合が良い。

起きていることはこれだけのこと。要するに小野昌弘は「コスト・ベネフィッ
ト論」を採り入れたICRPに隷従する科学者でしょうから、多分私たちは
ICRP批判をすればいいわけです。

私は、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)情報として以下を何度も紹介してます。

★ICRPが、未だに広島・長崎の原爆被爆者調査に基づいて低線量被ばくのリスク
係数を決めているのは、時代遅れである。

 以下のサイトでもICRP学説への批判が読めます。

▼低線量内部被曝の危険を⼈々から覆い隠すICRP学説の起源(第128回広島2
人デモ 2015.5.1)
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150501.pdf

ICRP学説は私たちの⽣活の隅々まで⽀配している

・・・恒常的な放射能汚染⾷品安全基準作りを開始しま
す。それが、2011年4⽉21⽇に第1回会合を開催した「放射性物
質の⾷品健康評価に関するワーキンググループ(WG)」でし
た。WGは、同年7⽉26⽇の最終会合まで合計9回の会合を開いて
影響評価を⾏い、厚労⼤⾂に答申します。この答申に基づいて厚
労⼤⾂は、放射性セシウムで飲料⽔10Bq /kg、⼀般⾷品で
100Bq/kgを⾻⼦とする現在の放射能汚染⾷品基準を決定しま
す。この時、WGが全⾯的に依存したのが、ICRPの勧告でした。


・・・

フクシマ事故の避難基準よりも
さらに苛酷な原⼦⼒災害対策指針

つまり原⼦⼒災害対策指針の
採⽤する避難基準は100mSv以上ということです。
今チェルノブイリ事故の避難基準を5mSv以上、フクシマ事故
の時の避難基準を20mSv以上として⾒た時、原⼦⼒災害対策指
針がいかに苛酷な避難基準を採⽤しているかがおわかりでしょ
う。この苛酷な避難基準を勧告しているのもICRPなのです。

ICRP学説の特徴-「放射線防護の3原則」

・・・

チェルノブイリ事故で、旧ソ連政府は深刻な経済的打撃を受け
ました。避難の基準を「5mSv 以上の被曝」としたため、避難者
の数は数⼗万⼈にのぼりました。そればかりではありません。避
難者は医療費無料や避難先・居住先住居の提供、その他命令によ
る避難者ばかりではなく、⾃主的避難者にも数々の援助や補償を
⾏ったため、その財政負担はきわめて重いものになりました。チェ
ルノブイリ事故は旧ソ連邦の崩壊を早めた、といわれるゆえんで
もあります。チェルノブイリ原発を引き継いだ独⽴ウクライナ政
府にも、避難者への補償、医療費援助など⼀連の賠償政策はきわ
めて重くのしかかっています。チェルノブイリ事故のような苛酷
事故が発⽣した時、いかに政府(社会)の負担を軽減するか、この
課題はICRP によって⼤きなテーマとなりました。

といっても取りうる⼿段はそういくつもあるわけではありませ
ん。経済的負担を軽減する(便益が⼤となる)ためには、避難者を少
なくすればいいのです。そのためには避難基準を変更すればいい
のです。(「被曝状況を変化させるようなあらゆる決定」)
こうして、3 つの被曝状況が打ち出されました。
本来は公衆の被曝上限は「年間1mSv」です。被曝線量が
1mSv を超えるような⼈々は避難させなければなりません。(旧ソ
連政府はチェルノブイリ事故の時、年間1mSv 超の被曝線量基準で避難させること
はできず、5mSv 以上としました)
これを2007 年勧告で、緊急被曝状況なる新たなカテゴリーを
作り出し、20mSv から100mSv の間で、「避難基準を選びなさい」
としました。こうすると、政府や事業者の負担は⼤幅に削減され
ます。(社会的便益が増⼤)⼀⽅で、避難基準が上がるわけですから、
公衆の被曝線量は増⼤し、健康影響のリスクは⼤きくなります。(害
が⼤きくなる)
その場合には、「放射線被曝の状況を変化させるようなあらゆ
る決定は、害より便益が⼤となるべきである」なので、表5 のよ
うな、新たな被曝強制(強要)の新基準が打ちだされたわけです。

“ALARA”(アラーラ)の原則
・・・
中川保雄はその著書『放射線被曝の歴史』の中で、コスト・
ベネフィット論は健康問題を経済問題にすりかえるものだ、と
述べていますが、このすりかえは、1977 年ICRP 勧告の中に盛
り込まれ、表4 に⾒るような『放射線防護の3 原則』が定式化し、
現在に⾄っています。

▼中川保雄の「放射線被曝の歴史」
 -竜が口から炎を吹き出すようなICRP批判

ICRP的発想は私たちに刷り込まれている
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/zatsukan/028/028.html

▼明日に向けて(991)コスト・ベネフィット論-放射線防護学への金勘定の導入
(ICRPの考察-5)
守田です。(20141208 23:30)

ICRPの考察の5回目です。

http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/f1f71267c2ec9738dbe623fd8e6bcfa5
・・・
科学の装いをまとった放射線学から露骨に金勘定を導入した「放射線学」へ。
ICRPなど国際機関の主張する「放射線防護学」はここでもはや科学や学問と
は言えない領域に入り込んだのだということをしっかりとおさえておく必要があ
ります。
この点をおさえてさらにICRPの考察を続けます。

▼IPPNW情報
 電離放射線の危険について
2013年10月19日ドイツ、ウルム市で開催された専門家会議概要 

http://www.fukushima-disaster.de/fileadmin/user_upload/pdf/japanisch/Health_Effects_of_Ionizing_Radiation_Japanese.pdf
・・・
ウルム専門家会議の個別結論:  
 1)バックグラウンド放射線だけでも健康被害の引き起こされることは、疫学
的に証明されている。
 2)医療診断を目的とした放射線の使用が引き起こす健康被害は、疫学的に証
明されている。
 3)原子力エネルギーの利用や核実験は、疫学的に証明可能な健康被害を引き
起こす。
 4)疫学研究の基本に集団線量の概念を用いることによって、低線量被ばくの
領域における健康リスクを確実に予測し定量化することが可能である。
 5)ICRP(国際放射線防護委員会)が未だに用いている広島・長崎で行なわれ
た研究を基本とするリスク係数の算定は、時代遅れである。
 6)被害を最少に抑止する原則を厳格に適用しながら、リスクに基づいた放射
線防護コンセプトを導入する必要がある。
                                    
           

・・・

1)バックグラウンド放射線だけでも、健康被害の引き起こされることは、疫学
的に証明されている

低線量のバックグランド放射線(ラドンの吸入、大地および宇宙由来の放射線、
食物とともに体内に摂取される自然放射線同位体)でさえ、健康被害を引き起こ
すことは、疫学的に証明されている。そのため、ある放射線量が「自然な」バッ
クグラウンド放射線の線量域に収まっているから無害だとする論拠は、誤解を招
くものである。1-

2) 医療診断を目的とした放射線の使用が引き起こす健康被害は、疫学的に証
明されている

 コンピューター断層撮影(CT)、また従来のエックス線検査のいずれにおいて
も、発がんリスクの高くなることが証明されている。(最もよく見られるのが乳
がん、白血病、甲状腺がんや脳腫瘍である)。小児および思春期の若者は、成人
に比較してより強い影響を受ける。とりわけ影響の大きいのは、出生前の胎児で
ある。18-40

診断を目的としたエックス線と核医学の使用は必要最小限に留め、低線量のCT機
材のみを、厳密な適応状況に限って使用し、可能であれば常に超音波やMRI(核
磁気共鳴画像法)を用いることが強く推奨される。

 例えば、乳がんの遺伝的素因を持つ女性のように、特定の集団においては、放
射線リスクはより高くなる。そのようなリスクを背負った女性には、エックス線
を使ったスクリーニング検査を行なわないことが推奨される。41-45

・・・

5)ICRPが、未だに広島・長崎の原爆被爆者調査に基づいて低線量被ばくのリス
ク係数を決めているのは、時代遅れである。

ICRPなどの機関は今でも、広島・長崎で行なわれた研究調査を、放射線による健
康被害を予測する際の決定的な参照データとしている。原爆被爆者をベースにし
たリスク予測は、通常よりも増加した放射線量に長期にわたってさらされている
住民に対して適用することはできない。その理由は、下記の通りである:


 日本の原爆被爆者が受けたのは、短時間の、貫通力のある高エネルギーのガン
マ線である。放射線 生物学の研究によると、そのような放射線は、放射性核種
の体内摂取によって起こるアルファ線や ベータ線による内部被ばく、あるい
は、通常の環境放射線範囲におさまる線量の、自然および人工 放射性同位体を
原因とする慢性的なエックス線やガンマ線による被ばくと比較して、体内組織へ
の 損傷が少ないことが実証されている。158,159
・
原爆から放出された放射線は、非常に高線量だった。そのうな放射線はかつて、
低線量の放 射線に 比較して変異原性が高いと考えられていた。ICRPは現在で
もこの仮定が有効であるとし、彼らの発 する勧告の中では、発がんリスクの数
値を2で割っている。職業上放射線にさらされる労働者のグループを対象とした
研究は、この仮定に反する結果を出しており、もはやWHOも、リスク係数を二 分
することを正当とは見なさなくなっている。160,161
・
広島、長崎では、放射性降下物と中性子線による放射化がもたらした影響が顕著
であったにもかかわらず、放射線影響研究所(RERF)はこれらを考慮に入れな
かった。そのことによって、実際の放射線の効力は過小評価されることになっ
た。162
・
RERFの調査は1950年に始まったため、原爆投下後の最初の5年間の重要なデータ
が欠落している。このため、潜伏期間の短い催奇作用や遺伝的影響、がんの評価
が不完全であることを念頭におかな ければならない。
・
原爆投下後の広島・長崎を見舞った被災状況を生き延びることができたのは、特
に生命力の強い 人々であったと想像できる。つまりそれはひとつの選択された
グループ(適者生存)を形成したことになる。そのため、調査の対象となったグ
ループは、一般的な人口集団を代表していたとは言えない。このような選抜の働
いた結果、放射線リスクは約30%低く見積もられることになった。163
・
原爆被爆者たちの多くは、社会的に迫害されていた。そういった事情から、例え
ば子孫の結婚や社 会復帰のチャンスを逃さないように、出身地、また子孫に現
われた疾患について、彼らが正直な報告を行なわないことが度々あったと考えら
れる。164


▼ちきゅう座

新年になりました、今年もよろしくお願い申し上げます:元旦のメールは、国際
放射線防護委員会(ICRP)や放射線ムラの「学説」の根拠となっている広
島・長崎の被爆者データ(LSS)がいかに問題の多い過小評価されたものかの
お話です

2016年 1月 2日
  評論・紹介・意見
 田中一郎
http://chikyuza.net/archives/59130

・・・


<別添PDFファイル>

●広島・長崎での放射線障害の過小評価(中川保雄『(増補)放射線被曝の歴史』)

<ご推薦申し上げる名著>

●『(増補)放射線被曝の歴史』(中川保雄:明石書店)

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032660915&Action_id=121&Sza_id=C0

<ご推薦申し上げるレポート>

●低線量内部被曝の危険を⼈々から覆い隠すICRP学説の起源(第128回広島2
人デモ 2015.5.1)

http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150501.pdf

<ご参考>

(1)(増補版) 放射線被ばく評価の単位 「シーベルト」 への疑問 いちろう
ちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-9ead.html

(2)放射線被曝の単位「シーベルト」はどのようにインチキなのか? いちろ
うちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-1ba9.html

(3)ICRP国内メンバーによる内部被曝論はいかなるものか いちろうちゃ
んのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-2747.html

(4)『放射線健康障害の真実 がんセンター院長が語る』(西尾正道:旬報社)

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032747179&Action_id=121&Sza_id=C0

(5)『隠された被曝』(矢ケ崎克馬:新日本出版)

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032454729&Action_id=121&Sza_id=C0

<別添PDFファイル『広島・長崎での放射線障害の過小評価(中川保雄『(増
補)放射線被曝の歴史』)』の一部抜粋>

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(中略)ABCCは、広島・長崎の原爆被爆者を対象とした放射線の晩発的影響
に関する研究は、10万人規模の集団を30年以上の長期間にわたって追跡調査した
唯一無二にして精級な研究であると誇ってきた。しかしそれはすでに見たよう
に、数々の問題点を含んでいる。改めて整理するならば、

第一に、被爆後数年の間に放射線被爆の影響で高い死亡率を示した被爆者の存在
がすべて除外されている。

第二に、爆心地近くで被爆し、その後長く市外に移住することを余儀なくされた
高線量被爆者が除外されている。

第三に、ABCCが調査対象とした直接被爆者は1950年の時点で把握されていた
直接被爆者数、28万3500人のおよそ1/4ほどでしかなかった。しかも、調査の
重点は2キロメートル以内の被爆者におかれ、遠距離の低線量被爆者の大部分は
調査の対象とすらされなかった。

第四に、そのうえでABCCは高線量被爆者と低線量被爆者とを比較対照すると
いう誤った方法を採用して、放射線の影響を調査したのであった。

第五に、年齢構成の点においてもABCCが調査対象とした集団は、若年層の欠
けた年齢的に片寄った集団であった。

以上のようにABCCが行った紋射線の晩発的影響の調査は、きわめて片寄った
集団を対象としたものであったと言わざるをえない。そのような片寄った集団を
対象として得られた放射線被爆線量とガン・白血病の発生率や死亡率との関係、
すなわち線量影響関係から求められたリスクはきわめて過小評価されたものとな
らざるをえないのである。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion5838:160102〕



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