Re: [CML 042177] 憲法押し付け論は、大きな間違い!( 25 日放映の報道ステーション)

檜原転石 hinokihara at mis.janis.or.jp
2016年 2月 28日 (日) 10:26:52 JST


檜原転石です。

くすのきさん、こんちは。

発想法を変えないと、相手の土俵で相撲をとってしまう。

立憲主義とは権力者にまともな憲法を押しつけて守らせるもの。



▼古関彰一さんに聞いた(その1)
日本国憲法誕生の真実
http://www.magazine9.jp/interv/koseki/koseki.php


 それにしても、憲法が押しつけだ押しつけだと盛んにおっしゃる方は、天皇制
を非常に支持している人に多いですよね。だけど僕に言わせれば、あのとき
GHQが象徴としての天皇制を残した憲法を「受け入れないと天皇制がなくなっ
てしまうかもしれないよ」とやや強引に推し進めたからこそ天皇制は残ったんで
す。そこを理解しないで押しつけだ押しつけだと言って、天皇制を残してくれた
GHQに感謝もしないんだから、それは不敬罪じゃないの?なんて冗談を言った
りするんですけどね(笑)。そのあたりのことは、もっときちんと検証されてい
かないといけないなと思います。



・・・









編集部


 受け入れられなかった部分と、受け入れられた部分がある。


古関


 そこを私たちは冷静に見なければいけない。どこが受け入れられなかったかと
いえば、それはやはり近代憲法の理念に反している部分であって、決して松本
案、つまり日本政府の案だから駄目というのではなかったんですよ。
  GHQから押しつけられたと言うなら、いったい何を押しつけられたのか。
私は近代憲法を押しつけられたという言い方ができると思います。人によって
は、政府は押しつけられたのかもしれないけれど、国民に対しては押しつけじゃ
なかったという言い方をする人もいる。同じことですね。人権が広く認められる
憲法、平和に生きられる憲法、国民はいいなと思うけど権力者は困る、そんな憲
法を「押しつけられた」というわけです。


編集部


 しかし、「押しつけられた」という言葉だけが一人歩きしてしまった。


古関


 そうですね。権力者の言葉がマスメディアを通じて語られ、それがいつの間に
か広がって、多くの国民が「押しつけられた」と思うようになってしまったん
じゃないか。誰が何を押しつけられたのか、そこは改めてきちっと考えてみてほ
しいなと思います。

▼古関彰一さんに聞いた(その2)
 9条の基本は、あらゆる人の命を大切にすること
http://www.magazine9.jp/interv/koseki/koseki_2.php

戦後民主主義の出発点は
「権威主義」だった


編集部


  前回お話を伺った、民間の研究団体「憲法研究会」による憲法草案ですが、
これは当時、GHQと日本政府に提出されただけでなく、新聞各紙でも全文が報
道されているんですよね。このとき、それを読んだ国民からの反応はどうだった
のですか? のちに正式な日本国憲法の内容が発表されたときには、国民の大多
数に歓迎された、とよく言われますが、憲法研究会の案というのは、かなりそれ
に近い内容だったわけですよね。


 古関


  そうです。天皇は象徴として国家的な儀礼だけをやる、と書かれていたし、
明治憲法とは比べものにならないくらい人権が尊重されている内容だった。しか
し、残念ながらこの段階で、国民の多くがそれに飛びついた、とは言えなかった
ようです。一方、GHQ案をもとにした日本政府案が発表されたときには、「こ
れはいい」という反応が多かった。それはやっぱり、人々が政府とか天皇とかい
う権威に弱いということだったと思います。


 編集部


  民間の案だったから反応が弱かった、政府が出した案だったから受け入れ
た、ということですか。


 古関


  そうだと思います。そして、そうやって権威的に出発したことが、僕は戦後
民主主義の限界だとも思っている。これを言うと、当時を知っている人には「生
意気だ」と言われるけれど。
  憲法研究会の案が新聞で発表されたのは敗戦の年の12月末です。「徹底抗
戦だ」とか言っていたときから4カ月くらいしか経っていない。その意味では無
理もないと同情もできます。だけど、自分たちがどういう形で戦後を出発したの
か、戦後の民主主義にどんな限界があったのかということは、ちゃんと冷静に見
据えておくべき事実だと思いますね。


 編集部


  あくまで政府という「上から」与えられる形で出発した民主主義だった。




On 2016/02/28 3:06, くすのき wrote:
> くすのき
> 
> 以下で25日放映の報道ステーションを知りました。
> なかなかの力作です。
> 
> 現憲法は占領下で作られたもの、GHQの押し付け憲法だから改正すべし、と
> いうのは、まったくの、こじつけけ論であることが理解できます。
> 
> ついでですが
> 独協大に古関彰一さんという憲法学者がおいでですが、彼が15−16年
> くらい前に憲法の成立過程を漫画で出しています。?賞とかも獲得した、
> この漫画本は、とても分かりやすい内容ですが、今は絶版の様子。
> どこか、出版社さん、復刻はできないものか、と思います。
> (我が家の書棚のどこかに隠れている筈ですが発掘できないままでいます)
> ネットで調べると、古関さんにはブックレット他多くの著作があるようです。
> 以下も分かりやすい内容でした。
> http://www.magazine9.jp/interv/koseki/koseki.php
> 
> さて、報道ステーションに関する転送です。
> ーーーーーーーーーーーーーーーー
> 報道ステーション(25日放映)を、私は観ていないのですが、大切な歴史の発掘=
> 真実が公表されています。それは、憲法9条(戦争放棄)は、当時の日本の首相であ
> る幣原喜重郎がGHQ司令官マッカーサーに提案してつくられたものだということです。
> 押しつけ憲法だから、日本の手で9条改憲しようというアベの、大きな間違いが暴露
> されています。
> ぜひ下記の動画を再確認してください。ご覧になってない方は特に。
> 岸時代の憲法調査会の肉声テープ発見
> 
> http://www.dailymotion.com/video/x3ub062
> 
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