[CML 042130] 北九州の集中連帯行動支援

[donko at ac.csf.ne.jp]

　坂井貴司です。
　
　２月２４日、私は
　
　ユニオン北九州（全労協加盟）
　http://union-k.org/

の集中連帯行動の支援に行きました。

　最初に、北九州市八幡西区折尾駅前にある高松産業グループの東洋建設工業が
起こした不当解雇撤回社前集会の応援に参加しました。

　この企業に35年間、営業職で勤めていた社員Oさん五年前、ワンマン経営者の命
令で突然リストラされました。

　Oさんは弁護士を通じて解雇撤回を交渉しました。東洋建設工業も弁護士を立て
て、交渉に応じました。
　その結果、解雇は撤回することで合意しました。
　ところが、経営者は「それは弁護士が勝手に決めたことだ」と解雇撤回を取り
消しました。

　Oさんはユニオン北九州(全労協加盟)に加入して、団交を申し入れました。東洋
建設工業は団交を拒否し続けました。
　新たに会社が雇った弁護士とユニオン北九州は交渉しました。しかし、その弁
護士はなんの権限もありませんでした。何一つ交渉は進みませんでした。
　ユニオン北九州は福岡県労働委員会に解決の斡旋を求めてました。すると東洋
建設工業は「100万円払うから、それで解決しよう」とFAXを送りました。解雇の
金銭的解決をはかろうとしました。
　Oさんは当然拒否しました。
　少額のカネでケリをつけることができなかった東洋建設工業は、福岡地裁に
「Oさんとの雇用関係はない」ことを求める確認訴訟を起こしました。
　裁判所は「Oさんとの雇用関係はある」との判決を出しました。東洋建設工業は
福岡高裁に上告しました。福岡高裁は東洋建設工業の上告を棄却しました。

　裁判で二回も敗訴したにも関わらず、東洋建設工業はOさんの職場復帰をしてい
ません。ユニオン北九州との団交を徹底的に拒否しています。

　Ｏさんは会社前でマイクを手に叫びました。
　
　　「社長、あなたは私をクビにして、団交を拒否しています。裁判にも二回負
けています。会社の評判はがた落ちです。
　何が楽しいのですか？
　それか経営者のすることですか？」
　
　Oさんの叫びを聞いて、私は安倍首相をここに引っ張りだしたい気持ちになりま
した。
　「あなたが言う『労働者を手厚く保護する岩盤規制』なるものは、どこにある
のですか？Oさんに説明してください！
　
　次の宮若市へ移動しました。
　
　郵便局間を動く郵便物は、日本郵便の子会社である日本郵便輸送（旧日逓）が
輸送します。その下請けとして、多くの運送会社が輸送を請け負っ
ています。
　　
　福岡県宮若市に
　
　大成運輸
　http://www.t-taiseiunyu.com/
　
という中堅の運送会社があります。

　大型トラックを使った長距離輸送をしています。日本郵便輸送の下請けもして
います。
　
　この大成運輸では、数年前から労働争議が起こっています。
　
　ホームページを読みますと、立派な理念を掲げて法令順守に努めていいるとあ
ります。
　実態は違います。
　大成運輸は長時間、低賃金で労働者を酷使する企業です。何かあれば懲戒処分
をします。
　賃金は全く上がりません。20年間勤務している社員と新入社員の賃金は同じで
す。

　顧客からのクレームを理由に運転手を懲戒処分をしたことをきっかけに、労働
者の怒りが爆発しました。ユニオン北九州に加入して、処分撤回を求める闘いを
始めました。合わせて賃上げと、セクハラ、パワハラの根絶も要求しました。
　
　次々にユニオン北九州に運転手が加入したのを見て、経営者は組合員に処分を
乱発しました。

　組合員の運転手が、運転中に携帯やスマホの画面を見ました。それがドライブ
レコーダーに記録されていました。
　それを見た経営者は。、「運転中の危険行為だ」と、無期限の運転停止と降格
処分を行いました。役員の反対を押し切って行いました。

　大成運輸の賃金は完全歩合給です。運転停止は、賃金ゼロを意味します。

　この処分はユニオン北九州に加入した運転手だけに下されました。組合員では
ない運転手には同じことをしたのに、何の処分を下しませんでした。組合差別、
労組潰しであることは明らかです。

　無期限運転停止処分をされた運転手たちは、家族を抱えて貯金を崩し、借金を
しながら生活をしています。大成運輸は組合員が自主的に退職するのを待ってい
ます。

　今、組合員は処分取り消しを求める裁判の準備をしています。　
　
　委員長以下、ユニオン北九州のメンバー１０人が、処分撤回と団交の開始を求
める社前集会を行いました。
　
　処分を受けた組合員の一人は、大型トラックを運転して郵便物を輸送する業務
を行っていた運転手です。毎日６５０キロ以上を走っていたそうです。
　
　霰混じりの冷たい雨が降る中、寒さに震えながらも、大成運輸の敷地内に入っ
ての２時間にわたる社前集会を貫徹しました。
　
　ユニオン北九州は大成運輸に対し、処分の撤回、未払い賃金の支払い、組合員
に対する謝罪、団交の開始を求める要望書を渡しました。
　カーマニアで高級車を５台持っている経営者は出てきませんでした。
　
　日本郵便の持ち株会社である日本郵政は株式を上場しました。株主の信頼を得
る企業にならなければなりません。そんな状況で、孫請け企業で労働争議が起こ
っていることは、日本郵政の信用に傷がつくことになります。

　日本郵政は、下請け企業に早期の解決を求めるべきです。

坂井貴司
福岡県
E-Mail:donko at ac.csf.ne.jp
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「郵政民営化は構造改革の本丸」（小泉純一郎前首相）
その現実がここに書かれています・
『伝送便』
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