[CML 042021] 絞死刑のがれた彼の流刑地は オーストラリア「闇の河」なり
大山千恵子
chieko.oyama at gmail.com
2016年 2月 18日 (木) 06:54:03 JST
「闇の河」 <http://www.jca.apc.org/gendai/onebook.php?ISBN=978-4-7738-1519-1>
ケイト・グレンヴィル
現代企画室
<http://blog.goo.ne.jp/chieko_oyama/e/1cd654c7b01e09f8537816b523fe0b71>
19世紀初頭、ロンドンの貧民たち。生きるために盗みをして*死刑
<http://blog.goo.ne.jp/chieko_oyama/e/1f403e9a2fbafab7701cfc0e6f8f3561>*
宣告、ざらにあることなのだ。
*せめて絞首刑での苦痛なしで死にたいという友人の願いを叶えるためにソーンヒルは知り合いを廻って金を集めて死刑執行人に賄賂を送った。しかし、執行人の計算間違いか、賄賂が足りなかったのか、死刑囚はのたくりまわって苦しみながらの死。群衆は死刑を堪能する。*
そして主人公ウイリアム・ソーンヒルも盗みが見つかって死刑宣告される。妻のサルが機転を利かせて流刑の罪になる。家族全員が流刑地
オーストラリアに辿りつく。植民初期のシドニー、船運その後の暮らし、原住民との出会い、隔たった土地に移り住む一家。子どもも増えていく。隣人たち。
米国の原住民侵略史を思い出す。欲張りで思いあがった白人。
*原住民の女を鎖で繋ぎ、強姦、輪姦する。具体的な場面は出てこなかったが、反吐がでる。この白人は原住民の耳を「お守り」として持っている。さいてー。*
毒薬で原住民を皆殺しにする白人。原住民と小さな繋がりをもっていたソーンヒルも、トウモロコシを根こそぎとられそうになって銃を撃ってしまう。そしてトウモロコシ畑は焼き払われてしまう。野営地での妻サルの対応。
「背中をやりで突かれるかもしれない恐怖に怯えて残りの人生をびくびくしながら生きるよりは、あのいまいましい(ロンドンの)バトラーの貸間の方がずっとましだっていうことよ」、賢明なサラの言葉。
ソーンヒルの船に17人の殺戮者が載って、進んでいく。ん? あらすじか?? 違うよ。気になったところを書いてるんだよ。
*原住民と平和に生きようとするもの、こども同士が遊び始めるさま。造形描写が巧みだ。*
文中では原住民と訳されているが、解説でアボリジニ
<https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9C%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%83%8B>
と。
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大山千恵子
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