[CML 042004] 今日の言葉 ――マスコミのいう「北朝鮮の事実上の長距離弾道ミサイル」とは、どうやら自民党改憲草案にいう「緊急事態」の予行演習と「有事」宣伝の情報戦だったようだ。

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2016年 2月 16日 (火) 15:48:38 JST


      Blog「みずき」:人工衛星の打ち上げそのものは、その打ち上げ当事国がアメリカであれ、ロシアであれ、かつまた北朝鮮
      であれ、すべての国々に認められている宇宙の平和利用の権利です(宇宙条約第1条)。それをアメリカやロシアなど他
      の国の人工衛星打ち上げは非難せず、北朝鮮だけの打ち上げだけを特化して問題視するのは国際間の公平性と平等
      性の保障に反する行為です。だとすれば、「宇宙ロケット・人工衛星は『平和利用』で、ミサイルは『軍事利用』という使い
      分けそのものが、情報戦」であるとしても、「北朝鮮が国際的に非難されるのは当然」ということにはならないでしょう。 加
      藤哲郎さんの主張にはその点の認識が欠けているように私は思います。また、加藤さんが評価してリンクを貼っている「日
      本のマスコミ」批判の主張とも矛盾するものです。根拠のある北朝鮮批判は必要だと私も思いますが、ゆえのない北朝鮮
      批判に与してはならないでしょう。

【「平和利用」と「軍事利用」という使い分けそのものが情報戦というべき】
米英の報道さえ「ロケット」となっているのに、なぜか日本のマスコミは「事実上の長距離弾道ミサイル」と一斉に報じた、北朝鮮の核
実験に続く自称「人工衛星」打ち上げ。確かに米国東海岸まで核弾頭を搭載すれば「ミサイル」になるという点では正しいのですが、
かつて「飛翔体」などとよんできたものに、日曜なのに首相以下政府が素早く動き、石垣島にPAC3を配備したものものしい体制を見
ると、どうやら自民党改憲草案にいう「緊急事態」の予行演習と「有事」宣伝の情報戦だったようです。

北朝鮮が国際的に非難されるのは当然(Blog「みずき」:下記注参照)ですが、そもそもロケット開発そのものが、核開発と一体の軍
事技術であったことを振り返れば、宇宙ロケット・人工衛星は「平和利用」で、ミサイルは「軍事利用」という使い分けそのものが、情
報戦です。

まもなく福島原発事故から5年、終わりなき核被害を経験しつつある私たちは、核についての「原子力の平和利用」=「原爆反対・原
発推進の論理」と併せて、核運搬手段として開発・推進されてきたロケットや宇宙開発技術の「軍民両用」「中立性」にも、疑いの眼
を向けるべきでしょう。

どちらも第二次世界大戦期の米英原爆製造「マンハッタン計画」に始まります。学術書としては鈴木一人さん『宇宙開発と国際政治』
(岩波書店)ぐらいしかありませんが、米英のナチス核技術者監視・獲得計画、アルゾス作戦からペーパークリップ作戦まで追いかけ
てゆくと、ナチスV2ロケット開発者ヴェルナー・フォン・ブラウン博士の戦犯訴追を免責したアメリカ移住、「米国宇宙開発の父」へと転
身する歴史が、刻印されています。アメリカ留学中にマンハッタン計画下でミサイル開発に動員された中国人科学者銭学森博士は、
戦後マッカーシズムにより5年間軟禁されましたが、55年に朝鮮戦争の米軍人捕虜と引き換えに中国に帰還し、中国の核開発とミサ
イル開発の双方をリードして、今では「中国宇宙開発の父」とよばれます。

日本の本格的な「原子力の平和利用」と糸川英夫博士のロケット開発は、なぜか1955年頃に一緒に始まり、共に予算規模の巨大な
科学技術庁の管轄におかれてきました。「事実上の長距離弾道ミサイル」が、「事実上の核兵器開発」と一体だったのは、どこかの国
だけの話ではありません。(加藤哲郎のネチズン・カレッジ 2016.2.15)

【山中人間話】
・金平茂紀
天皇陛下、パレスチナ議長と会見

Blog「みずき」:この種の報道は天皇の政治利用のメディア版というほかないものです。金平茂紀記者をしてもそのことの危険性に気
づかないか。天皇は憲法7条によって形式的・儀礼的な国事行為をなしうるだけの存在でしかありません。その天皇に政治的ななん
らかのパフォーマンスを期待するべきではありません。国民主権の精神に反することになるからです。Blog「みずき」:上記にいう「おめ
でたい話」とは下記のような記事のことを指しているのでしょう。私は現場で経験を積み重ねた人の目の確かさと鋭さを思います。

・常岡浩介
教皇、ロシア正教会のキリル総主教と歴史的会見 - バチカン放送局 
http://ja.radiovaticana.va/news/1208208
プーチンと結託して「血塗れの復活」を遂げたロシア正教会と、アサド擁護で同様に「血塗れ」と化したフランシスコの利害が一致した
わけだけど、みんなおめでたい話にしているね

Blog「みずき」:上記にいう「おめでたい話」とは下記のような記事のことを指しているのでしょう。私は現場で経験を積み重ねた人の目
の確かさと鋭さを思います。


以下、省略。全文は下記をご参照ください。
http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-1787.html


東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
http://mizukith.blog91.fc2.com/ 



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