[CML 041995] 今日の言葉 ――集団転向とウルトラリアリズムの本隊までが、ほんとはリベラルでさえないリベラリストの「改憲別働隊」(新9条論者)に合流し始めています。

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2016年 2月 15日 (月) 19:01:28 JST


      Blog「みずき」:『』内は徳岡宏一朗弁護士のブログからの引用ですが、たしかに「新9条論」への的確な批判とはいえます。
      が、引用の最後のくだり「伊藤先生はもとより、伊勢崎さんにも期待しているんですが」というのはなんとも甘い見通しとい
      うほかありません。そもそも内海信彦さんの「トロイの木馬『新9条論』」批判は憲法9条2項の「交戦権の否認」を否定する
      伊勢崎賢治×想田和弘対談批判です。そこで批判されている人に対して「期待している」などとしめくくりでいう徳岡さんの
      論を「『新9条論』への痛烈な批判」などと持ち上げてはいけません。内海さんの「新9条論」 批判も徳岡さんの論と同じくや
      はり「甘い」と判定せざるをえません。私の伊勢崎賢治氏批判を再掲しておきます。

【「伊勢崎さんにも期待」とはなんとももはや】
集団転向とウルトラリアリズムの本隊までが、改憲別働隊に合流し始めています。トロイの木馬「新9条論」への痛烈な批判です。

『とうとう産経新聞が特集するほどにまで、改憲派から利用価値を認められてしまった新9条論。冷静になって、しばらく封印してお
いてもらいたいものです。(略)さて、東京新聞によると、新9条論とは『戦後日本が平和国家のあるべき姿として受け入れてきた「専
守防衛の自衛隊」を明確に位置づける。解釈でも明文でも、安倍流の改憲を許さないための新九条である』といっています。(略)

あのですね、およそ憲法・法律の条文なんて、どんなに細かく規定しても解釈の余地がないだなんてこと、ありえませんよ。そもそも、
解釈の余地がないというなら、今の憲法9条なんて、戦争は放棄する、戦力は一切持たない、交戦権は否認すると、これでもかとい
うくらい明確に詳細に規定しているのです。それでも、個別的自衛権はある、必要最小限度の武力として自衛隊は合憲だ、自衛戦
争も合憲だという憲法学説も相当に有力なのです。そして、この規定にもかかわらず、安倍政権は自衛隊がアメリカの戦争に参戦
する集団的自衛権さえ、9条に違反していないと解釈したのです。というわけで、新9条論が立憲主義確立に役立つだなんてことは
ありえません。(略)

ほんとはリベラルでさえないリベラリスト、井上教授と今井氏。井上教授なんて、9条2項は削除すべきだと言っている。自民党案よ
りひどい。(略)結局、新9条論者は、民主党らを改憲の3分の2に取り込むのに利用されるだけでしょう。現に、今井一氏の9条改
正案なんて、防衛裁判所という名の軍事法廷まで規定されてしまっています。まあ、昔から国民投票至上主義者の今井氏はもとも
と自民党の改憲を裏から手助けしている人だと思いますが。(略)

そして、新9条論は、安保法制に反対する運動を分断します。安保法案が戦争法案だとして反対した人々の中には、小林節慶大
名誉教授のようにもともとの改憲論者から、私のような9条の条文に手を触れるべきではないという原理原則論の護憲論者まで、
幅広い層が結集していました。ところが、新9条論には私のような護憲論者は乗れませんから、排除されてしまうのです。そんなこ
とで、この夏の参院選挙で、改憲勢力に勝てると思っているんでしょうか。もう、市民運動としても、政治運動としても百害あって一
利なしです。(略)伊藤先生はもとより、伊勢崎さんにも期待しているんですが。そのうち、憲法9条2項の交戦権の否認なんてあっ
たな~~、ってことになりかねない。』(内海信彦 2016年2月15日)


以下、省略。全文は下記をご参照ください。
http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-1786.html


東本高志@大分
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