[CML 041960] 今日の言葉 ――覚醒剤の所持や使用は刑法上の犯罪であるが、いちばん被害を受けているのは実は本人であり、犯罪化というアプローチが適切なのかどうかは疑問である。

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2016年 2月 13日 (土) 14:45:43 JST


      Blog「みずき」:ヤメ検弁護士の郷原信郎さんがいわゆる清原問題に関して「『一発実刑』で清原を蘇らせることは
      できないか」という主張をしていることに対して、同じく弁護士の徳岡宏一朗さんが「薬物依存症の清原和博容疑
      者に、治療ではなく「一発実刑判決」での更生を求める郷原信郎氏は間違っている」という批判を反しています。
      徳岡さんの主張に私は賛成ですが、同様の主張をしている人に脳科学者の茂木健一郎さんがいます。当然、こ
      の茂木さんの主張にも私は賛成ですし、情理を兼ね備えた論だとも思います。逆にメディアの清原バッシングに
      はエセ「正義」漢の姿を見て吐き気をもよおします。

【「一発実刑判決」という主張に対する疑問】
覚醒剤は、脳の報酬系などに強い作用をもたらし、依存症や、幻覚症状などが出るため、絶対に使ってはいけない。かつ
ては国策として用いられたこともあったが、このような激烈な副作用がわかって、今は絶対禁止である。

ところで、覚醒剤の所持や使用は、刑法上の犯罪であるが、私はむしろ、その依存症を、治療の対象とするというアプロー
チの方が良いのではないかと思う。非合法の薬物を製造、販売する側と、使用する側では対応が違うべきだと思う。非合
法の薬物を使用することは、そのような産業を結果として支えたり、あるいは、薬物の作用で自分や人を傷つけたりする可
能性があるという意味では反社会的だが、いちばん被害を受けているのは実は本人であり、犯罪化というアプローチが適
切なのかどうかは疑問である。

むしろ、身体を強制的に拘束するにせよ、違法薬物の脳や身体に及ぼす悪影響についてのレクチャーや、依存症から脱
するためのさまざまな厚生プログラムを実施するというアプローチの方が、「禁錮」や「懲役」といった刑罰よりも、結果とし
て社会のためになると思う。一度、覚醒剤などの薬物に手を出すと、「再犯率」が高いとも言われるが、そのような意味でも、
更生プログラムこそを充実させるべきである。その意味で、いわゆる「犯罪」とは別カテゴリーの、薬物乱用に対する強制
措置のあり方が検討されるべきだと思う。

清原和博さんが、覚醒剤所持で逮捕された。現役時代から、球場で何回もそのプレイに感動し、また、テレビなどの現場
でも何回かお目にかかって、ファンだったので、残念に思う。今回のことを反省されて、まだ戻っていらっしゃることを待って
いる。(茂木健一郎Twitter 2016年2月2日)


以下、省略。全文は下記をご参照ください。
http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-1784.html


東本高志@大分
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