[CML 041840] 今日の言葉 ――アメリカが本当に画期的に変わるには中東の騒乱の源になっているパレスチナはじめ対外政策の変化が不可欠です。しかし、残念ながらサンダースの言動からはその可能性を感じられないのです。
higashimoto takashi
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2016年 2月 5日 (金) 15:50:55 JST
Blog「みずき」:サンダースの「イスラエル擁護発言」は知りませんでした。「アメリカが本当に画期的に変わるには、
中東の騒乱の源になっているパレスチナはじめ対外政策の変化が不可欠」だと私も思います。しかし、サンダース
を過剰に評価するべきではないことはもちろんですが、サンダース現象はいまのアメリカの底流に蠢動している巨
大なマグマようなものの一端を私たちの目に見える形で垣間見せてくれました。そういう意味ではやはり「画期」の
端緒とはいえるでしょう。私はしばらくはその端緒のゆくえを見守りたいと思っています。
【熱烈なサンダース賞賛への疑問】
サンダースが掲げる格差是正・再分配強化等の経済政策にはもちろん大賛成です。彼が当選したら、ネオリベ思考にどっぷ
り漬かったメディア、そしてそのメディアに洗脳されてもはやネオリベ以外の価値観を持てなくなっている多くの日本人に衝撃
を与えることになるかもしれません。しかしながら、ご紹介されているFB記事のような熱烈な賞賛には素直に共鳴できません。
それはサンダースの外交政策、特にパレスチナ問題に対する姿勢に不審を感じるからです。
昨年11月の米ローリングストーン誌のサンダース候補ロングインタビューからパレスチナ問題に関わる部分を引用します。
聞き手:How would President Sanders approach Israel?
サンダース:The United States will support the security of
Israel, help Israel fight terrorist attacks against that country
and maintain its independence. But under my administration, the
United States will maintain an even-handed approach
to the area. I believe in a two-state solution, where Israel has
security and the Palestinians have a state of their own.
The United States has got to work with the Palestinian people in
improving their standard of living, which is now
a disaster, and has been made much worse since the war in Gaza.
聞き手:You've said of Netanyahu, "I'm not a great fan." What's
your issue with him?
サンダース:Do I think that Netanyahu overreacted? Yes, I do.
War is terrible unto itself. But I think that Israel
overreacted and caused more civilian damage than was necessary.
They have very sophisticated weapons systems.
They make the case, and I respect that, that they do try to make
sure that civilians are not damaged. But the end result
was that a lot of civilians were killed and a lot of housing was
destroyed. There was terrible, terrible damage done.
二国共存を主張してはいますが、まずはイスラエルの安全、イスラエルをテロから守る事を強調しています。二国共存もオバマ
が既に提唱していることですから、基本的にオバマの路線を継承するということでしょう。もっと失望させられるのはガザ攻撃に
ついての見解で要するにネタニヤフは過剰反応でやり過ぎたということです。イスラエルの攻撃自体については正当性を認めて
いるのは明らかです。尚、当時YouTubeにアップされた動画を見た人によると、2014年の夏ガザ空爆の最中に行われたタウンホ
ールでの集会でサンダースは強くイスラエルを擁護する発言を行っていたそうです。パレスチナ連帯キャンペーンに加わるイギ
リス労働党のコービンとは随分違います。
サンダースはイスラエルにあるコミューン「キブツ」で社会主義を学んだと言ってますが、その理想郷のようなキブツもパレスチナ
人から奪った土地に建設されたものという意識はあるのでしょうか。アメリカは、国内の貧困格差・人種差別も確かに深刻なの
ですが、それでも言論・表現の自由や情報の公開性などやはり民主国家だと感じさせることが多々あります。しかし、これほど自
由と民主主義のもとに他国の人々の主権や生命をふみにじってきた国はありません。アメリカが本当に画期的に変わるには、
中東の騒乱の源になっているパレスチナはじめ対外政策の変化が不可欠です。しかし、残念ながら今のところサンダースの言
動からはその可能性を感じられないのです。
さきほど投稿したコメントでふれた未確認のYouTube動画ですが確認できました。
https://www.youtube.com/watch?v=Vf2cCdgwgoM
500人のパレスチナの子どもが殺されたことに強い衝撃を受けたパレスチナ人たちの抗議に対し“shut up.”と返すサンダースが
見られます。(田中純子 2016年2月5日)
以下、省略。全文は下記をご参照ください。
http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-1775.html
東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
http://mizukith.blog91.fc2.com/
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