[CML 043020] 池田まきさんの第一声

小林 久公 q-ko at sea.plala.or.jp
2016年 4月 18日 (月) 23:38:04 JST


札幌の小林です。
北海道五区補欠選挙は、依然として接戦が続いています。

市民が応援している池田まきさんは、家庭内暴力の中での家庭崩壊、
貧困の中で、自らをつくりあげてきた芯のある43才の女性です。
自らの体験を生かし福祉の専門家として活躍している人です。

その彼女の第一声をフリーライターの山本さんが紹介してくださいましたので
お知らせします。

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「私の幼少のころ、家庭は荒んだものでした。
DV、家庭内に暴力があり、
私の居場所はありませんでした。
母は救急車で運ばれ、
そのまま、帰ってきませんでした。
危険を察知した妹は、2階から飛び降りました。
私も、同じでした。
中学を卒業し、なんとか高校へ進学しました。
そんな時、ある男性と知り合い、結婚し、
1人の子供に恵まれました。
子供の時から、描いていた温かい家庭が作れると思いました。
私にとって、やっと得たやすらぎの時間でした。
しかし、二人目の子供がおなかにいるとき、
男の姿は家から消えました。

でも私は子供の時のように、不幸せではなかった。
子どもがいたからです。
制度が、制度をつくりだした憲法があるから、
私たちを守ってくれる、と思いました。
しかし、現実は違った……」

まったく不思議な演説だった。
衆院5区補選が告示された4月12日。出陣式(出発式)の冒頭、池田まき候補は演説をこう切り出した。

この演説文は、実は正確なものではない。私の記憶に残るままに言葉を並べたものだ。 

だから、池田候補が話した事柄を印象的に再構成したといってもよい。でも、それが私の聞いた演説なのだ。

もう少し、状況を紹介しよう。
池田候補の出陣式は江別市の国道12号線、大手スーパーの駐車場に面して、街宣車を止めて行われた。

肌寒さこそ残るが、青空が広がり、注ぐ春の陽ざしはきらめいていた。三々五々集まった支持者は500人に膨れ上がり、イケマキコールの事前練習なども盛り上がった。

午前9時30分ごろ、「池田まき」と大書した看板を掲げた大型ワゴンが到着した。支持者からワーッと歓声が上がる。街宣車の前には、国会議員、道議会議員、市議会議員が並んだ。野党統一候補らしく民進、共産、市民ネットの議員の顔が見える。

選対本部長、応援弁士がワゴン車の屋根にしつらえられた演台に上がると、待ちかねた拍手が湧いた。
池田候補擁立に尽力した上田文雄さんの力の入った演説に続いて、いよいよ、池田候補本人がマイクを握った。
「イケマキガンバレ!」。ピンクの小旗が振られ、手製のプラカードが左右にゆすられ、ピンクと青ののぼりが風にはためく。

池田候補はとてもにこやかだ。白いキルティングの防寒具が青空に映えてまぶしい。タスキ姿も初々しい。
まずは支持者、関係者に対するお礼のあいさつ。型通りの一言一言にも歓声が沸く。

その歓声が、静まっていく。
「私の幼少のころ、家庭は荒んだものでした。」
「DV、家庭内に暴力があり、
私の居場所はありませんでした。」

淡々とした語り口。言葉ははっきりとしている。
池田候補は、これまでも自らの生い立ちに触れたことはある。
「DV」の2語も耳に残っている。
しかし、演説冒頭から生い立ちに入ったことはないのではないか。
しかも、具体的に触れたことはなかったように思う。

相手候補はいかにもエリートらしい経歴があり、家庭環境の裕福さもうかがわせる。
池田候補はそれとは全く異なる、恵まれない環境の中、苦難の人生を戦い抜いてきた。 

多くの人は、勝機は2人の非対称性にあると思い、池田候補に人生を語ることを求めてきた。

この要請に対し、池田候補は「偏見と差別」のある社会のあり方を指摘してきた。
そして「何があったかの過去が問題ではなく、私が何をしてきたか、何をなそうとしているかが大切」と繰り返し主張してきた。
「自らの悲惨な過去を売り物にしたくない、池田さんの誇り高さ」「同情を買うのではなく、共感を得ての支持を求めている」。池田候補について、こう理解していた。

「しかし、二人目の子供がおなかにいるとき、
男の姿は家から消えました。」
普通なら、言葉の調子に乱れもあるところだろうが、池田候補の話しぶりは、それまでとなんら変わることなかった。

「しかし現実は違った…」
この言葉に続く具体的な事柄は、演説にはない。しかし、乳飲み子2人を擁した池田さんが家族を頼ることもできず、
やっとの思いでたたいた福祉の門も固く閉ざされたままだったことは側聞するところだ。 

「ダブルワークはもとよりトリプルも」。仕事を二つも三つも掛け持ちしたという。

初めて体系的に語られた来し方。それを顔に喜怒哀楽を見せずに語り続けた。
私は打ちのめされた。言葉の背後にある苦難の具体に、容易に言葉にすらできない悲痛を、どれだけ想像できていたか、と。

10分23秒だったという演説のうち、7分ほどが生い立ちと生きざまに関わっていたという。

選挙出陣にはまったく似つかわしくない演説だった。
それは池田まきさんが選挙の一候補としてではなく、一個の人間として新たな人生に踏み出す決意表明だったと思う。
それが、この日集まった支持者の多くを感動させた要因だったと思う。
池田さんに豊かな未来が訪れるよう、心から切に願っている。
(フリーライター 山本伸夫)


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