[CML 039638] 今日の言葉 ――安全保障関連法案をめぐるメディアの報道ぶりの腰の引け方の根底にあるのは「官尊民卑」のニュースの価値観が染みついていることであるように思えてならない。

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2015年 9月 12日 (土) 14:43:36 JST


【こんな絶望的なメディア状況が戦後70年の今年、目の前にある】
今さら記すのも恥ずかしいほどだが、安全保障関連法案をめぐる報道ぶりほど、現在の日本のマスメディアの水準をあからさまに
示す材料はない。

歴史をひもとくと、満州事変の勃発に際して、日本のすべての新聞は戦争支持へ雪崩をうった。それ以降は日本の新聞は戦争遂
行をあおりまくった。全滅を「玉砕」と記した。自爆攻撃を「特攻」と呼んで美化した。今や緊密な同盟国とされるアメリカを「鬼畜」と
呼んだ。

だからつい最近、NHKが、国会での首相のヤジを「自席発言」と報じた神経は、もはや喜劇を通り越して悲劇的、戦前的でさえあ
るように思えたのだ。実際、安保関連法案をめぐる各紙および各テレビ局の報道ぶりには著しい差異がみられる。それは立ち位
置の違いとか、そのようなレベルを通り越えて、あったことをなかったかのように無視する、報道しない、ベタ記事扱いにする。政
権の意向を極度に忖度(そんたく)して批判的視点からの報道を自主規制する。国会会期中、まさに国会で審議が続いているそ
の同時間帯に、ワイドショーに首相の出演を許す自発的隷従者=「腰巾着」のような立場に甘んじるテレビ局があった。番組には
「たいこ持ち」らが出ていた。こんな絶望的なメディア状況が、戦後70年の今年、目の前にあるのである。将来の日本人は「ああ、
あんな大事な時に、メディアはあのざまだったんだ」と呆然(ぼうぜん)とするかもしれない。近々の最もわかりやすいケースは、8
月30日の日曜日に国会周辺で、安保関連法案に反対する人々によって行われた集会・デモをめぐる報道である。僕の個人的な
感想だが、当日のテレビ報道の多くは明らかに腰が引けていたと思う。まるで何かを恐れているかのように。あの場で何が起きて
いたのかをテレビで知ろうと思うならば、英BBCの特派員リポートを見た方がよく分かるというありさまだった。

これは精いっぱいの自戒を込めて記しているのだ。どの放送局も週末の取材体制は手薄になっているのだが、それを覆すだけの
補強をする判断がない。ニュースの焦点の当て方もどこかピントがずれていた。4野党党首の演説がニュースか? 国会正門前の
道路が「決壊」状態に なり、おびただしい数の人々であふれたことがニュースなのではないか。その状況を伝えるのにふさわしい
ヘリコプターによる空撮をためらった局もあった。だが、こうしたテレビの腰の引け方の根底にあるのは、僕には「官尊民卑」のニュ
ースの価値観が染みついていることであるように思えてならない。(金平茂紀「毎日新聞」2015年09月11日)

【山中人間話】

以下、省略。下記をご参照ください。
http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-1522.html


東本高志@大分
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