[CML 039460] 『東洋経済』の郵政記事

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2015年 9月 2日 (水) 02:09:55 JST


 坂井貴司です。
 
 『東洋経済オンライン』が、日本郵政の株式上場の問題点を上げた記事を掲載
しています。
 
 「日本郵政、念願の上場後に待ち受ける懸念 大量の「非正規雇用者」が反乱
を起こす?」
 http://toyokeizai.net/articles/-/82279
 
 郵政労働者の半数が非正規であること、10以上の労働争議を抱えていること
を挙げています。
 
(ここから)

 8月27日午前11時30分。東京・霞ケ関の日本郵政本社前は、異様な緊張感に包ま
れていた。日本郵政の正社員や非正規労働者で組織する郵政産業労働者ユニオン
の組合員と、本社を背にした3人のガードマンが対峙していた。

 郵政ユニオンの日巻直映・中央執行委員長は、マイクを握ると、「上場で得る
資金は、復興財源ではなく、閉鎖した郵便局の再開に充てるべき」「日本郵政は
労働争議を多く抱えている。郵政全争議の解決なくして株式上場の資格はない」
と本社前アピールをした。郵政ユニオンの中村知明書記長は「労働者の権利を蹂
躙する会社に上場する資格はない」と訴えた。

 昼食から帰ってきた社員と思しき2人が「上場はおかしいですよね」「これだけ
労働者を犠牲にしたうえでの上場はおかしい」と、郵政ユニオンの組合員に声を
かけてきたという。11時30分からのアピールは12時40分過ぎまで行い、午後1時
30分~3時まで本社前で座り込みによる抗議行動。午後4時からは有楽町駅前でビ
ラ配りをした。同様の抗議行動は全国の主要駅の駅前や、組合支部がある地域の
郵便局の前で同日一斉に実施したようだ。

9月上旬にも上場承認

 日本郵政と子会社のゆうちょ銀行、かんぽ生命保険は、11月にも株式を公開す
る。9月上旬には東京証券取引所が1部上場を承認するとみられる。週刊東洋経済
は9月5日号の特集「日本郵政株」で、前代未聞の3社同時上場の魅力とリスクを追
った。最有力視されているのは「9月10日承認、11月4日上場」だ。

 実現すれば前代未聞の親子3社同時上場。上場可能な政府保有株9・2兆円のうち
8・3兆円を占める日本郵政の上場は「最後にして最大の政府放出株」である。

 公開価格はいくらか。上場承認後の仮条件の設定やブックビルディング(需要
予測)次第で流動的だが、3社は7月に1株から30株への株式分割を実施。これによ
り、ある主幹事証券が試算した時価総額を株数で割ると、3社合計で100万円を下
回り、60万円程度になる。

 3社合計でこのくらいの金額ならば、非課税枠100万円のNISA(少額投資非課税
制度)口座に入れて長期保有してほしいという政府の願望に沿うことができる。

 冒頭の労働組合は、郵政グループにある2つの組合のうちの1つ。最大は約23万
人を組織する日本郵政グループ労働組合(JP労組)。郵政ユニオンは組合員数
2000人と小規模だ。ただ、非正規労働者の割合が5割程度とJP労組よりも高く、非
正規労働者の待遇改善に尽力してきたという自負がある。

 現在進行中の郵政での裁判・労働委員会事案は、郵政ユニオンが把握している
だけでも14あるという。以下、並べてみると

    1郵政・労働契約法20条裁判
    2非正規社員の65歳解雇無効裁判
    3さいたま新都心郵便局過労自死裁判
    4神奈川県 青葉郵便局雇い止め・解雇撤回裁判
    5東京都 銀座郵便局再雇用拒否撤回裁判
    6日本郵便本社・解雇撤回裁判
    7千葉中央郵便局雇い止め・解雇撤回裁判
    8広島県 福山郵便局セクハラ・パワハラ裁判
    9北海道 空知郵便局労災認定却下撤回裁判
    10北海道 滝川局不当労働行為(労働委員会に訴え出た案件)
    11北海道 苫小牧局不当労働行為(同)
    12埼玉県 越谷郵便局不当労働行為(同)
    13ゆうちょ銀行エキスパート社員解雇裁判
    14日本郵便輸送不当労働行為(同)

 このうち、今後大きな拡がりを見せる可能性があるのが,力契法20条裁判。
同法20条は、非正規雇用であるということ以外の理由がない場合、労働条件が
「不合理であるとみとめられるものであってはならない」とする法律だ。

 待遇に不合理な差別があるとして、11人の時給制契約社員と1人の月給制契約社
員の計12人が日本郵便を訴えている。たとえば、集配・集荷は非正規労働者と正
社員が混在して作業しているが、2輪車で集配・集荷をすると正社員には「外務業
務手当」として1日最低1090円が支給される。

 ところが期間雇用社員には何も支給されない。また、祝日出勤すると、正社員
には日給分の135%が上乗せ支給されるが、期間雇用社員だと上乗せ額は35%に抑
えられている。

非正規雇用20万人の存在

 この裁判のゆくえが上場後のリスクになりそうなのは、非正規社員がグループ
全体で約20万人と多いうえに、この法律の性格上、法廷で「労働条件が不合理」
だと判断されれば、ほかのすべての非正規労働者と契約を結び直さなければなら
ないことになっているからだ。つまり、この裁判で1人当たり年1万円分の待遇改
善が認められれば20万人分の計20億円の人件費アップ要因になる。同10万円なら
200億円である。

 同様の裁判では、地下鉄の非正規労働者が原告のメトロコマース訴訟や、非正
規雇用の運転手が原告のハマキョウレックス訴訟がある。メトロコマースは現在
係争中。ハマキョウレックスは1審判決が最近出た(原告側は控訴)。それは、交
通費の違いしか認めないという、郵政ユニオンが支援する労契法20条裁判にとっ
ては、厳しい内容だった。

 中村書記長は「ハマキョウレックスの判決はわれわれにとっていい判決ではな
かったが、『それはそれとして受け止めてがんばっていこう』と励まし合ってい
る。20条訴訟はどんな判決が出ても、原告、被告のどちらかが控訴して最高裁ま
で行くだろう。支援する会では『10年戦争だ』と言っている」と長期戦を辞さな
い構えを見せている。

 東京地裁と大阪地裁の2つの裁判所で同時に行われている20条訴訟は、森博行弁
護士、棗一郎弁護士、水口洋介弁護士など名だたる労働専門の弁護士が原告弁護
団に名を連ねる。一方、被告弁護団は東西とも大手法律事務所の森・濱田松本法
律事務所が受任した。東洋経済の取材依頼に対して、原告弁護団の弁護士2人は快
諾したが、被告弁護の大手法律事務所は「お受けできかねます」として応じなか
った。

(ここまで)

坂井貴司
福岡県
E-Mail:donko at ac.csf.ne.jp
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「郵政民営化は構造改革の本丸」(小泉純一郎前首相)
その現実がここに書かれています・
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