[CML 039454] 科学者は社会的慣習に従った ~ベンジャミン・フランクリン、トーマス・ジェファーソン、リンカーンの人種差別~

檜原転石 hinokihara at mis.janis.or.jp
2015年 9月 1日 (火) 14:09:38 JST


檜原転石です。

主題は件名とは微妙に違って、御用科学者に関しての話です。

東本さん関連で、早野らの論文『福島県内における大規模な内部被ばく調査の結
果』(福島県内の子どもの内部被ばく検出人数はゼロ〜国内から初、食事による
内部被ばく影響論文〜)が出てきましたが、彼はこの論文を丸ごと信じたようです。

もちろんこの種の御用学者の論文にはすぐ批判がありました。

▼”医療ガバナンス学会MRIC”に投稿するも、即刻不受理となった『「早野氏論
文」への公開質問状』
http://blog.livedoor.jp/medicalsolutions/archives/51984809.html

 私はこの文脈で、スティーブン・J・グールド 『人間の測りまちがい 差別
の科学史(上・下)』を紹介しましたが、その著者がベンジャミン・フランクリ
ン、トーマス・ジェファーソン、リンカーンについての記事がこのメールの件名
に当たります。

【科学者たちが慣習的なランクづけに賛成したのは、このような状況のもとで社
会的通念を共有したからであり、未解決の問題を明らかにするために集められた
客観的データによったのではない。しかも、逆の因果関係という好奇心をそそる
事例においては、これらの発言は政治的文脈への独自の裏付けとして読まれたの
である。
 すべての指導的科学者は社会的慣習に従った。】

 ベンジャミン・フランクリン、トーマス・ジェファーソン、リンカーンなどみ
んなが人種差別主義者なのですから、当時の科学者の論文も又、白人社会の偏見
に合うように、有色人種は白人より劣っている、という結論を導き出すために科
学を無意識にねじ曲げたというわけですが、具体的には[人種のランク付けをし
たくて、頭蓋容量を量り続け、データを都合の良いように操作したモートン。人
相によるラック付けを正当化するためにカリカック一族の写真を修整したゴダー
ド。生得的知能を測れると思い知能テストをアメリカ軍の徴兵全員に課したヤー
キーズ。シリル・バートが知能を単一の因子として数学的に正当化するさいに犯
した誤り。(スティーヴン・J・グールド追悼 書評・人間の測りまちがい 高
橋徹 http://www.jca.apc.org/inochi/euge/eugenics08.htm)]

 核・原発マフィアに貢献する今日の御用科学者も当然“測り間違い”をするわけ
で、当時も騙された人がいたように今日でもまんまと騙された人がいても不思議
ではありません。

 しかし普通の常識があれば、福島からかなり遠い地域でも事故後の食品汚染が
事故前のそれの1000倍以上もある状態で、”福島の子どもが内部被曝がゼロ”
という論文を信じることはないと思います。

 もう一つの別の“常識”、内部被ばくの研究者にとっての常識では、WBC検査
自体が、内部被ばくの実態を正確に評価するに耐えるものではない。よって検査
でゼロと出ても、もちろん安全を保証しない。御用学者の早野教授は「福島県内
の土壌の汚染から危惧されていた内部被ばくのレベルよりも、住民の実際の内部
被ばくの水準はかけ離れて低く、健康に影響がでる値では到底ない」などと断言
しているが、被ばくによる健康影響に安全しきい値など存在しないのは国際常識。

 かように、これだけ常識外な論文でも丸ごと信じてしまう人がいるのは、原発
災害を経験しながらも、放射性物質に関する知識を全く獲得しなかった人がいる
からで、ある意味この事態は恐ろしいことです。

 “無知を力”に私の投稿をデマ呼ばわりする前にやることがあるはずです。そ
う、いくつになっても勉強は必要なのです。

▼ベンジャミン・フランクリン、トーマス・ジェファーソン、リンカーンの人種差別
http://blogs.yahoo.co.jp/henatyokokakumei/39919198.html
・・・
昔の恥をさらすだけのためにこうした発言を引用するのではない。西欧諸国の白
人指導者たちが18〜19世紀における人種のランクづけを当然のこととして少
しも疑問を抱かなかったことを示すために、我々から最高の尊敬を受けている
人々をとりあげているのである。科学者たちが慣習的なランクづけに賛成したの
は、このような状況のもとで社会的通念を共有したからであり、未解決の問題を
明らかにするために集められた客観的データによったのではない。しかも、逆の
因果関係という好奇心をそそる事例においては、これらの発言は政治的文脈への
独自の裏付けとして読まれたのである。
 すべての指導的科学者は社会的慣習に従った。・・・

▼ スティーブン・J・グールド 『人間の測りまちがい 差別の科学史(上・下)』
http://www.webdoku.jp/shinkan/0808/b_05.html

▼スティーヴン・J・グールド追悼
書評・人間の測りまちがい
http://www.jca.apc.org/inochi/euge/eugenics0


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