[CML 040359] 【京都新聞・社説】辺野古移設  強行策では解決しない

uchitomi makoto muchitomi at hotmail.com
2015年 10月 29日 (木) 11:09:59 JST


【京都新聞・社説】辺野古移設  強行策では解決しない
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20151029_4.html

 沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、政府のなりふり構わぬ強行策が目に余る。
 翁長雄志知事が辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消した処分を否定するため、国による「代執行」の手続きに乗り出した。政府内の決定で知事の処分の効力も停止させ、きょうにも本体工事に着手する構えだ。
 いずれも異例で強引なやり方であり、県側は猛反発している。安倍晋三首相は何度も「地元の理解」を口にしてきたが、それを投げ捨てるのに等しい行動である。政府は全面対決の道を選んだと言わざるを得ない。
 代執行は都道府県の事務が法に反する場合、高等裁判所が認めれば国が知事に代わり行える例外的措置だ。政府は早速、翁長氏に処分の是正を勧告する文書を出し、続く是正指示にも従わなければ代執行の訴訟を起こすとしている。
 菅義偉官房長官は、翁長氏の処分が「違法で著しく公益を害するため」と説明する。だが、より穏当な法的手段もあり、一足飛びに代執行に頼むのは乱暴すぎる。
 政府が承認取り消し処分に対し、国民の救済が目的の行政不服審査法を使って都合よく停止決定したことへの批判も強い。このため国側から法廷闘争を仕掛け、埋め立てに明確な法的根拠を得て早期決着したいと狙ったのだろう。
 翁長氏は「結論ありき」と批判を強め、徹底抗戦する構えだ。県は近く処分効力停止への不服審査を申し出る。20年前、当時の大田昌秀知事が米軍用地の強制使用に関する代理署名を拒み、訴訟に勝った国が署名を代行した経緯が重なる。国の強権的な振る舞いが、今日まで沖縄の人々に不信感を植え付けてきたことを政府は忘れてはならない。
 加えて政府が辺野古周辺地区の振興事業に対して補助金を直接交付する方針を伝えたことも県側を怒らせている。移設に反対する県や市の頭ごしの懐柔策は、「アメとムチ」によるあからさまな県民の分断工作だ。公正な行政運営を逸脱し、地方自治をないがしろにする行為は許されない。
 このまま国が本体工事を強行すれば大きな混乱を招きかねず、県民との溝を埋めるのはますます難しくなる。政府は力ずくで地元を屈服させるような姿勢を改め、民意に向き合うべきだ。日米同盟や基地負担の在り方を含め、粘り強い話し合いで解決の糸口を探る以外に道はない。

[京都新聞 2015年10月29日掲載] 		 	   		  


CML メーリングリストの案内