[CML 040149] 【京都新聞・社説】 「辺野古埋め立て  取り消し決断は民意だ」

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2015年 10月 14日 (水) 12:55:06 JST


【京都新聞・社説】 「辺野古埋め立て  取り消し決断は民意だ」

http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/

 安倍晋三政権は沖縄県民の苦悩に向き合う気がないのか。

 米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先、名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認を翁長雄志知事が取り消したのに対し、さっそく政府は取り消しの効力を停止させる法的措置を取る方針を示した。

 翁長知事の決断は、沖縄の苦難の歴史と多くの県民の声を受けたものだ。一方、政府は移設推進の姿勢を変えていない。このままでは法廷闘争を含めた「全面対決」になるのは必至だ。

 政府は法的措置を経て、秋のうちに本体工事着手を目指すとしているが、あまりにかたくなではないか。日本の安全保障の足元が揺らぎかねない、との認識が希薄に思える。沖縄の声に耳をふさいで、工事を進めるべきではない。

 仲井真弘多前知事が下した埋め立て承認には環境保全措置などに不備がある−とする県の有識者委員会の検証結果にもとづいた承認取り消しである。さらに言えば、辺野古移設に主張を変えた前知事に、県民は選挙でノーを突きつけ、翁長知事を大差で選んだことも忘れてはなるまい。

 工事主体の防衛省沖縄防衛局は、翁長知事の取り消しの効力停止と審査請求を、すみやかに国交相に申し立てるという。同じ政権内であり、申し立てが認められるのは火を見るより明らかだ。

 そもそも、申し立ての根拠である行政不服審査法は、行政の処分に不満がある国民の救済を目的にしており、政府側が使うのはおかしなことだ。

 3月に前例がある。移設関連作業でサンゴ礁が傷ついていないか、翁長知事が調査のため作業停止を指示したところ、防衛局は農相に停止取り消しを申し立て、認められている。この時の審査請求の結論は今も出されていないのに、作業は再開されている。

 法的手続きを踏まえているというだろうが、県民には上から従わせる強権的な姿勢にしか見えまい。安倍政権は県側と協議の場を設けたといっても、「沖縄県民に寄り添って解決しようという思いが薄い」と翁長知事は受け止めている。

 国交相が効力停止を認めれば、審査請求の審査期間中でも本体工事に着手できる。そうなれば、県側は効力停止の取り消しを求め裁判を起こすことになろう。

 法廷では政府側に有利な判断が下されるとの見方が強い。しかし法律や権力で県側を屈服させて、問題は解決するだろうか。沖縄の苦難の歴史に学ぶべきだ。

[京都新聞 2015年10月14日掲載] 		 	   		  


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