[CML 040765] 「赤旗」の辺見庸へのインタビュー・ドタキャン事件その後(4)――「遺憾」というのなら、小池さん、あなたはこの問いに、じぶんのことばで説明し、答える義務がある。

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2015年 11月 23日 (月) 15:01:56 JST


辺見庸によれば、共産党副委員長の小池晃さんは、「数日前、『戦争をさせない1000人委員会』メンバーにたいし、同党機関紙
「赤旗」のインタビュー・ドタキャン事件について『遺憾だ』とかたったという。『1000人委員会』メンバーからわたしの担当編集者
にそのむねの電話があった」と言います。

その小池氏が語ったという「遺憾」の意が仮に共産党指導部(常任幹部会)は「赤旗」での辺見庸インタビューなど考えていなか
った。辺見にインタビューを申し込んだのは赤旗記者の独断でしかない、という意での「遺憾」発言だったとしても、外部から見
れば辺見にインタビューを申し込んだという赤旗記者も歴とした共産党本部の組織の人です。そうであれば、共産党(直接的に
は小池氏)が「遺憾」と言うのであれば、その「遺憾」発言の直接の相手方に対して直接詫びるのが世間の筋というものです。し
かし、辺見によれば、辺見に対する直接の詫びはいまだにないようです。

辺見の言うように「『遺憾』というのなら、小池さん、あなたはこの問いに、じぶんのことばで説明し、答える義務がある」と私も思
います。市民社会(世間)の常識とはそういうものです。いまからでも遅くありません。志位委員長なり小池副委員長は辺見庸
に納得できるコトの経緯を釈明した上で突然のインタビュー・ドタキャン事件について詫びをするべきでしょう。そして、志位氏と
の対談を希望する辺見の提案を小異(それがよしんば大異であったとしても)を留保して、「鴻鵠の志」の問題として真摯に受け
とめるべきではないか。私はそう思う、ということをもう一度繰り返しておきます。

今日も辺見庸「日録1」(2015年11月22日付)の大概を示しておきます。

      (前略)

      平野謙や荒正人、本多秋五らの顔をおもいだしたりする。「政治と文学論争」をおもいだす。荒正人の授業をおもいだ
      す。教室のいちばん前で聴いた。昔の共産党とその周辺、そして共産党の論敵には、歴史とことばを知るインテリが
      いくらでもいた。いまはどうなのか。いまはなにもないのではないか。わたしは〈なにもないもの〉=〈ヴォイド〉にむかっ
      て話していやしないか。ぞっとする。「一億総懺悔」や「権力迎合」も知らない新聞記者たち、いや、「国家」や「国家権
      力」の語感もわかっていないひとびとと話すには、わたしはもうあまりにも疲れすぎている。小池副委員長は1960年生
      まれという。わたしからすれば若者だ。あなたが「遺憾」の二字にどんな「肉感」をこめたか。すこし疑問だ。(略)どうし
      て「はらわた」からことばをしぼりださないのか。あなたがたをやりこめたいのではない。これは政治的「勝ち負け」の
      問題でもない。ちがう。

      いやしくも「共産党」を名のり、「コミュニスト」を自任しているかもしれないひとびとに、冥途の土産に、お訊きしたいの
      だ。いまはどんな時代なのか、と。わたしにはいつもそうやってじぶんの足場をたしかめたい意識がある。いまはどん
      な時代なのか。それだからこそ、『1★9★3★7』(イクミナ)を書いた。本を党に送った。志位さんにも小池さんにも送っ
      た。「赤旗」からインタビューの申し込みがあった。日時場所の調整があり、それらが決まった。ほどなくして、中止す
      るという、(震え声の、苦しげな、ほとんど泣きださんばかりの)電話連絡があった。なにがあったのだ?これはだれで
      も知りたがるのが自然ではないか。もしも朝日や毎日や讀賣のドタキャンなら、わたしはチェッと舌打ちして、すぐにう
      ち忘れただろう。あなたがたは朝日や毎日や讀賣ではない。ものごとをもっと踏みこんでかんがえようとしている、すく
      なくもそう自称している党ではないのか。

      (中略)

      昔の共産党員はものがよく書けた。(略)「日本人における封建制、鎖国性、官僚制、天皇制からの影響」――中野重
      治がこう書いたとき、「日本人」には「日本共産党員」がかさねられていたのではないか、とわたしはおもっている。中
      野には現役党幹部のときでも、厳しい対自的(フュール-ジッヒ)な目があった。わたしもなるたけ向自的でありたいとお
      もう。あなたがに蹴たぐりをかけたり、おちょくったりするほどわたしには体力もない。ただ、気になる。「赤旗」読者に
      『1★9★3★7』の紹介をすることをやめたというのは、党の判断による間接的な「思想統制」にひとしいのではないか。
      問題は重大である。「遺憾」というのなら、小池さん、あなたはこの問いに、じぶんのことばで説明し、答える義務があ
      る。(辺見庸「日録1」2015/11/22)

全文は下記をご参照ください。
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東本高志@大分
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