[CML 037436] 勝利ではなく―カオス、これが帝国の眼目だ(前)

Yasuaki Matsumoto y_matsu29 at ybb.ne.jp
2015年 5月 15日 (金) 02:17:00 JST


みなさまへ   (BCCにて)松元

ウクライナに続くイエメン政変とほぼ同時にリビアからの大 量の避難民が地中
海で非業の死を遂げるニュースが続いた。しかし、それがカダフィ政権を壊滅さ
せリビアを混沌の淵に追い落とした米 NATOの軍事侵攻の失敗であり責任で
あることを問う主流メディアはない。米当局もEU当局も、「人 道的」軍事介
入に対して反省の弁を公表した高官はいない。世銀に 勤めたエコノミストで地
政学アナリストのペーター・ケーニッヒが、米欧帝国の眼目は国や地域をグチャ
グチャ(カオス)にすることにこそあ る、と怒りをぶつけている。拙訳ですが
紹介させていただきます。

いうまでもなくこのカオス戦略の起源は、イスラエル「建 国」によるパレスチ
ナ民族のカオス化にはじまる。そしてエジプト、ヨルダン、レバノン、イラク、
シリアとカオス化と隷属化の戦略は拡大さ れ、永続する戦争の日常化という今
日の事態になった。パレスチナ人は、各地の難民キャンプで、ガザと西岸の牢獄
で、67年も経つというのに分断され零落したままだ。米欧帝国とイスラエルの維
持のために謀ら れる宣戦布告なきこの永続する戦争に日本も参加するという。
コミュニティもファミリーも根こそぎ破壊するネオリベ実験国の優等生としての
日本国が、調子に乗ってつぎはカオス化の実験国にならないともかぎらないこと
を恐れる。大きなショックドクトリンの「うま味」が待ってい るからだ。
(2015年5月14日記)

なお、文中( )内はすべて訳者の挿入、原著者の( )内 挿入はすべて[ ]
に表記 した。

Chaos -- not Victory -- is Empire’s Name of the Game

*勝利ではなく―カオス、これが帝国の眼目だ*

Url of this article:

http://www.informationclearinghouse.info/article41771.htm

By Peter Koenig

ペーター・ケーニッヒ(松元保昭訳)

2015年5月5日

インフォメーション・クリアリング・ハウス(ICH)誌
2015年5月6日

グローバル・リサーチ誌



「一度欧米に「解放された」国が再び深くより深くカオスの中に崩れ落ちてい
る。」紛争に落ち込んだ国家のどれ もがそうであった。そこではワシントンお
よびその西側同盟と中東の手先たちが戦争―永遠のカオス、悲惨、死―そして屈従
を植え付けてい る。

これこそがまさにポイントだ。ワシントン/NATOの戦略は、戦争や紛争に
「勝利する」ことではなく、継続し て―終わりなきカオスをつくり出すことにあ
る。その方法は、/楊院△弔泙蟾駝韻箸修了餮擦鮖拉曚垢襪海函軍隊―兵士と
装備―のための 継続的な必要性を西側に保証すること。米国GDPの50%以上を
軍産複合体に関連する産業やサービス部門に依存していることを思い出してほし
い。7覿鼻∈沌または カオスにある国は、破産しておりカネが必要だ。―悪名
高いIMF,世界銀行、またそれらに結びついた邪悪な開発援助機構と高利貸し
からの 「緊縮」マネーという耐え難い条件が付き纏うカネ―とくに彼らの民衆な
ど配慮しない腐敗した指導者によって等しくカネの奴隷にされる。 

それが眼目だ―イエメンで、ウクライナで、シリアで、イラクで、スーダンで、
中央アフリカで、リビアで…ほか のどこでもいい。誰が誰と戦っているかは重要
ではない。ISIS/ISIL/IS/DAISH/DAESH/Al-Qaeda(シリアのイスラム国/レ
バントのイスラム国/イスラム国/と もに「イスラム国」のアラビア語頭文字表
記ダーイシュ/アル=カーイダ)、そしてリストに追加したい報酬目当ての殺し屋
組織が ほかのどんな名前であろうとそれらはまさに問題を混乱させるための符
牒である。あるいはBlackwater(ブラックウォーター:汚水またはマラリア)、
Xe(クセノフォビア:外国人嫌悪)、Academi(ア カデミー)などを加えた方
がいいかもしれないが、ほかに連ねられた名前のすべては容易に判別できないよ
うに選ばれたものばかりだ。彼らは シオニスト-アングロ-サクソン帝国の売春
婦、最低レベルの売春婦だ。ついで、サウジア ラビア、カタール、バーレー
ン、他の湾岸諸国のようなエリート売春婦が現われ、当然、英国、フランスが加
わる。

オランド大統領はラファール戦闘機24機 の売却でカタールと数十億ユーロの契
約にサインしたばかりだ。彼はサウジの新王サルマーンとの会談のため、ラ
ファール機のさらなる売却の ため、現在リヤドに向かっている。―それはいい商
売でありでっちあげた敵たちの皆殺しに役立つ。さらに5月5日の湾岸協力会議
[GCC]サミットにも参列する。会議の議論の話題は、イエメンを含む地域の
「危機」である。その「危機」とは、ワシン トン[またはシオニストの主人]に
代って西側に仕組まれたもので、単により正当な政府を求めているだけの「反逆
者たち」に責めを負わせた。

西側同盟の欧米がこのあまりに病的な用語('crises' =危 機であるとか
‘rebels’=反乱軍、謀反人、抵抗者であるとか)を考案したので、ウィルスのよ
うにわれわれの頭に染み込んで―何を置き去 りにしたのか―その言葉の本当の意
味が何であるかさえもう分からない。われわれはそれらを繰り返しそれらの言葉
を信じる。結局、来る日も 来る日もMSM(主流メディア)がわれわれの腸
(はらわた)の中にそれらの言葉を徹底的に叩き込む。生存のため自らの自由の
ために抑圧的 な体制に抵抗して闘う人々は、「テロリスト」であり「反逆者」
というわけだ。―アフリカからの難民、つまりワシントンが負わせた紛争に襲 わ
れた国々からの難民たちが、「よりましな生活」のため地中海を渡ろうとしてす
でに4000人以上が非業の死を遂げた。―彼らは都合よく勝手に「移民」と名付け
られ多くの場合「不法」という語が加えら れる。それによって欧米の良心は罪
責から逃れて綺麗ごとで済まされる。移民とは貧しい乞食だ。不法移民は投獄さ
れるべきだ。西側欧米に仕 組まれた政情不安とカオスには、彼らは「移民」の
母国で何の関わりも持っていないのだ。恥を知れ、ブラッセル!

カオスに戻ろう―オランド氏は知っている。彼の戦闘機がその主人に仕えて、地
域のさらなる荒廃、さらなる死 者、さらなる惨事、さらなる悲惨、さらなる奴
隷状態を広げるために利用され―地中海で溺れ死ぬもっと多くの難民―さらに永遠
に続くカオス を広げるために利用されるということを。生存の淵に立つ人々―彼
らの子どもと家族のため薄皮一枚の生存のためにまさに闘わねばならないと い
うのに―彼らの国のため資源のため自由のためにもはや闘うことさえ出来ない
人々を生み出すということを。オランド氏はこうしたことを実 によく知ってい
る。これが帝国というものだ。

教えてほしい―兵器、戦闘機、別のタイプの殺人マシーン、これらの兵器が人々
の殺害のため国々の破壊のために 現に使われていることを完全によく知ってい
て国々に売り付けるのは誰なのか―こうした人物は大量殺害者ではないのか?
もっとも悪質な戦争 犯罪者ではないのか?

オランド氏は、現に戦争犯罪者であることに加えて、彼は完璧な偽善者である。
彼は、結局大きな戦利品のわずか な欠片がどう考えても自分の皿にも落ちるだ
ろう―そして乳と蜜の流れるすがすがしい海でその主人と一緒に泳いでいるかも
しれない、などと 考えているのだ。ヴィクトル・ユーゴー、スタンダール、バ
ルザック、デュマのような人々を生み出した彼の偉大な母国の経済が―帝国の他
の 手先たちに殺人マシーンを売ることで―保証されるとでも考えているのか?
83%の有権者が彼を軽蔑することなど気にもかけないのか?

騒乱、カオス、悲惨を広げること―それがワシントンとその臣下たちの最も得意
とするところだ。彼らは戦争に 「勝つ」ことを望んではいない。彼らは永遠の
カオス、悲惨、容易に服従する人々を望んでいるのだ。―彼らはそれを完全なス
ペクトル支配と 呼ぶ。

【訳注:完全なスペクトル支配full spectrum dominance:ウィリアム・エング
ダールが提唱した 「新世界秩序における全体主義的民主主義―完全なスペクトル
支配」2009 に おける造語で「全方位支配」の意か。】

http://hisheavenlyarmies.com/documents/engdahl-full-spectrum-dominance.pdf



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