[CML 038175] 今日の言葉 ――自民党・安倍政権は、まぎれもなく2本の虎の尾を踏んだ。一本はジャーナリズム、もう一本が沖縄である。

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2015年 6月 28日 (日) 17:43:38 JST


【沖縄の怒りを孤立させてはならない】
自民党若手議員の勉強会「文化芸術懇話会」の席上発言は、典型的な末期症状の露呈だ。(略)朝日・毎日・東京だけでなく、
さすがに読売までもが本日(6月27日)社説を掲げて、自民党・安倍内閣の「異常な異論封じ」「批判拒絶体質」を批判し、報道
規制発言に苦言を呈している。産経だけが様子見である。(略)朝日の社説は最近珍しく、ボルテージが高い。「これが、すべて
の国民の代表たる国会議員の発言か。無恥に驚き、発想の貧しさにあきれ、思い上がりに怒りを覚える。」と言葉を飾らない。
毎日も、東京も遠慮するところがない。(略)当事者性から言えば(略)沖縄タイムス編集局長・武富和彦、琉球新報編集局長・
潮平芳和両名による「百田氏発言をめぐる沖縄2新聞社の共同抗議声明」は、押さえた筆致で、ジャーナリズムの基本姿勢を
語って格調が高い。「戦後、沖縄の新聞は戦争に加担した新聞人の反省から出発した。戦争につながるような報道は二度とし
ないという考えが、報道姿勢のベースにある。」という一節が印象深い。ジャーナリストとしての理念を立派に貫いているからこ
その権力側からの逆ギレ批判であることが良くわかる。(略)そして、本日の両紙の社説の舌鋒が鋭い。憤懣やるかたないと
いう怒りがほとばしり出ている。琉球新報は、「ものを書くのをなりわいとする人間が、ろくに調べず虚像をまき散らすとは、開い
た口がふさがらない。あろうことか言論封殺まで提唱した。しかも政権党の党本部でなされ、同調する国会議員も続出したのだ。
看過できない。」と言い、沖縄タイムスは「政権与党という強大な権力をかさにきた報道機関に対する恫喝であり、民主的正当
性を持つ沖縄の民意への攻撃である。自分の気に入らない言論を強権で押しつぶそうとする姿勢は極めて危険だ。」といずれ
も厳しい。(略)

この沖縄の怒りを孤立させてはならない。日本全土の国民が沖縄の怒りを我が怒りとしなければならない。沖縄の平和は、そ
のまま日本全土の平和なのだから。自民党・安倍政権は、まぎれもなく2本の虎の尾を踏んだ。一本はジャーナリズム、もう一
本が沖縄である。その痛みは、虎の本体としての日本国民全体のものである。国民の圧倒的な怒りの風を起こして、安倍政権
を塵として吹き飛ばそうではないか。(澤藤統一郎の憲法日記 2015年6月27日)


【補遺】
「集団的自衛権の行使」を認める閣議決定から1年が経つ。日本を戦争する国へ持っていく「安保法案」の実態も、はっきりし
てきた。どんなに国会会期を延長しても、法案そのものが違憲であることに変わりはない。もう悪あがきはやめなさい。廃案し
かない。戦争の惨禍は身に染みている。昨日、目黒考二『昭和残影─父のこと』(KADOKAWA)を、一気に読んだ。俳句を愛し、
自分の信念を貫き、運動家として活動した父・亀治郎。戦前、19歳の時、亀治郎は非合法の反戦活動をした廉で8年の投獄
に処されていた。この事実を初めて知った著者は、父の青春時代の足跡を、彼が残したメモを辿り、かつ150冊を超える膨大
な資料で跡づけながら、30年かけて、戦争へとなびいていく激動の時代と苦闘する家族の姿を綴った感動ノンフィクションだ。
「文化芸術懇話会」の自民党の若き政治家のみなさん、百田尚樹さんの講話より、この本を読みなさい。ずっとずっと勉強にな
る。亀治郎が、「苦しい軍隊生活」を強いられた戦地の満州・朝鮮で作った俳句がある。<銃になふ足もとの雪明けそめぬ>
<爆弾の地ひびき重く闇暑し>─私の胸にも響く。「東京新聞」が始めた連載<平和の俳句>の響きにも通底する。(Daily JCJ
【今週の風考計】2015年06月28日)

【山中人間話】
・首相に罵声 欧米メディアはどう報じたか――。米紙ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズ紙、ロイター通信、フランス通信、
英紙ガーディアンなどが報道。

以下、省略。下記をご参照ください。
http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-1358.html


東本高志@大分
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http://mizukith.blog91.fc2.com/ 



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