Re: [CML 037903] Re: IK改憲重要情報(80)
higashimoto takashi
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2015年 6月 15日 (月) 00:00:50 JST
前田さんの転送の追加情報です。
[keystone]のメールの一節:
> だいたい、中国の岩礁埋め立てがそんなに問題なら、1980年代から1990年代にかけて、台湾、ベトナム、フィリピンやマレ
> ーシアが次々と滑走路(立派な軍事施設)を建設しちゃったのも問題なんじゃないですかね。(略)しかし、これらの「力によ
> る現状変更」に対する非難は、とんと聞いたことがないですね。
この点について中国問題のオーソリティーの浅井基文さん(元外交官)は、ご自身のホームページで、5月29日から31日にか
けてシンガポールで開催された第14回シャングリラ対話フォーラムでアメリカのカーター国防長官も島礁埋め立てを行って
いるのは中国だけではないことをはっきりと認める発言をしたことについて報告しています。浅井さんによれば、カーター国防
長官は、南沙諸島においてヴェトナムは48、フィリピンは8、マレーシアは5そして台湾は1の前哨基地を持っていると中国が
繰り返し指摘していた事実を認めたということです。アメリカは軍事的な米中対決は自国にとって得策ではないことを自覚して
いるようです。
そのアメリカの対応と比較して日本のヒステリックな対応の浅ましさを浅井さんは朝日新聞記者の質問を例にとって皮肉って
います。最後の引用部分「余談ですが」の節参照。
以下、浅井さんの「シャングリラ対話フォーラムと米中関係」(2015.06.02)の抜粋。全文は下記をご参照ください。
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2015/709.html
「5月29日から31日にかけてシンガポールで開催された第14回シャングリラ対話フォーラムは、南シナ海における中米間の対
立が深まる中で開催されたこともあり、大きな関心を集めました。特にアメリカのカーター国防長官がフォーラム出席前にハ
ワイで行った厳しい対中発言に続き、同長官がフォーラムでさらにエスカレートした発言を行うか否かに注目が集まりました。
しかし、フォーラムの冒頭に基調演説を行ったシンガポールのリー・シエンロン(李顕龍)首相は、21世紀の世界はもはやパ
ワー・ポリティックスのゼロ・サムの時代ではないと指摘して間接的にアメリカを牽制し、(中国の習近平外交が押し出している)
ウィン・ウィンを目指すべきであると強調するとともに、中国の台頭は平和的なものであり、中国は対ASEAN協力、「一帯一路」、
アジアインフラ投資銀行(AIIB)などにおいて積極的に友好協力関係を築こうとしていると中国の対外政策を高く評価しました。
また、「アジアのすべての国々は米中関係が前向きなものであることを希望している。米中のいずれかを選ぶことを希望する
国はない」とも述べて、会議が米中対決の場となることを強く牽制しました。」
「リー首相の後を受けて30日に演説したカーター国防長官の発言に関する私の印象は、予想したよりははるかに抑制された
内容になっているというものでした。私がカーター演説で特に注目したのは次の諸点です。一番大きなポイントは、島礁埋め
立て(カーターは前哨基地(outpost)と表現)を行っているのは中国だけではないことをはっきりと認めたことです。即ち、南沙
諸島において、ヴェトナムは48、フィリピンは8、マレーシアは5そして台湾は1の前哨基地を持っていることをカーターは指摘
しました。これは中国が繰り返し指摘していた事実を認めたものです。この点の変化については、中国側も注目しました。カ
ーターが演説した後に、中国国防部は現地で小規模の記者会見を行い、その場で国防部の関友飛外事弁公室主任は、「カ
ーターは南海各国に言及した。中国はアメリカが実際の行動においてもこのようなバランスを実行し、中国を狙い撃ちした言
動を取らないことを希望する」と述べました(6月1日付人民日報WS)。また、国防大学戦略教硏部の金一南教授も、「カーター
は、南海問題について説明するに際して、しばしば「各国」と強調し、中国を狙い撃ちにしなかった。これは、アメリカの過去の
偏った立場に対するある程度の修正だ」と指摘しました(同)。」
「二番目にカーターが挙げたのは、航行と飛行の自由の原則を守るという従来からの主張です。しかし、カーターはこの点に
関して二つのポイントを強調しました。即ち、この政策は数十年にわたって続いているものであり、世界のすべての地域でや
って来たことだとしたのです。その言わんとしたことは明らかです。即ち、アメリカが中国の埋め立て工事に対して行うと公言
した軍機の飛行及び軍艦の接近航行は従来の政策の枠内のものであるとして、フォーラム出席前の発言をトーン・ダウンし
たのです。」
「余談ですが、むしろ私が驚かされたのは、カーター国防長官の演説の後に行われた質疑の中で、朝日新聞の記者が突拍
子もない質問(アメリカの警告にもかかわらず中国は島礁埋め立て工事をやめず、エスカレートさせている状況のもとで、ア
メリカは、警告以外に何をする用意があるのかという趣旨の、まるで産経新聞か読売新聞かの如き質問)を投げかけたこと
でした。しかし、この挑発的な質問に対しても、カーター国防長官は抑制を保つ発言に終始したのです。そしてこの記者の脳
天気な質問同様、6月1日付の朝日新聞の報道もまったく的外れの内容でした。」
東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
http://mizukith.blog91.fc2.com/
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From: maeda at zokei.ac.jp
Sent: Sunday, June 14, 2015 10:04 PM
To: 市民のML
Subject: [CML 037903] Re: IK改憲重要情報(80)
前田 朗です。
6月14日
> どうでもいいけど、河内氏の中国脅威論を受け取らないように設定できません
か?
>
デマ垂れ流し専門家の投稿は削除すればいいだけです。
[keystone]から転送です。
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南沙諸島やその周辺の領有権問題に関して、日本では右から左まで一緒になって
中国ばかり非難してますが、これは公正な態度とは言えませんね。
だいたい、中国の岩礁埋め立てがそんなに問題なら、1980年代から1990年代にか
けて、台湾、ベトナム、フィリピンやマレーシアが次々と滑走路(立派な軍事施
設)を建設しちゃったのも問題なんじゃないですかね。
台湾はイツアバ島に1200m級、ベトナムはスプラトリー島に600m級、
フィリピンはチツ島に1200m級、マレーシアはスワロー礁に1000m級(後に1400m
に拡張)
の滑走路を建設していますよ。
しかし、これらの「力による現状変更」に対する非難は、とんと聞いたことがな
いですね。
それに、そもそも中国が南沙諸島に対して領有権を主張するようになった原因の
一つは、1939年、我が「大日本帝国」がこれらの島々を勝手に台湾総督府の管轄
下に編入してしまったことですよ。
戦後、台湾を返還された中国政府が、南沙諸島も一緒に返還されたと考えるのは
むしろ当然じゃないですか?
南沙諸島問題についてはこちらのブログが詳しいので、まずはこのへんの記事を
読んで頭を冷やしてはどうでしょうか。
南沙諸島/新南群島/スプラトリー諸島の所属に関する件
http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20150601/1433177811
南沙諸島に対するフィリピンの領有権主張の変遷
http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20150609/1433860640
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