[CML 037837] 今日の言葉 ――僕が「集団的自衛権」と聞いて連想するのは国会論戦や法制度ではない。戦場の匂いと音だ。
higashimoto takashi
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2015年 6月 11日 (木) 17:42:45 JST
今日の言葉 ――僕が「集団的自衛権」と聞いて連想するのは国会論戦や法制度ではない。戦場の匂いと音だ。
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【感覚的に認めがたいこと】
どうも感覚的に認めがたいのは、これから自衛隊が派遣される可能性があるのは「日本防衛」ではなく米国が中東やアフリカで
行う紛争だということ。(略)僕は、記者=傍観者として数々の戦場を体験してきた。2001年アフガン空爆・タリバン政権崩壊、
03年イラク戦争とその後10年余の混乱、06年イスラエル・ヒズボラ戦争、11年アラブの春。リビア内戦、シリア内戦、イエメン
混乱。そして15年、日本人拉致事件で再びシリアへ。戦争を傍観できる「記者」という立場だったから冷静に見ることができた。
特に、中東の戦争はイラクを除き日本が関与していなかっただけに「第3者」でいることができた。一方、イラク戦争等でNYタイ
ムズなどの記者が「自分は米国人だから、本当にニュートラルにはなれない」と言うのを聞いた。「参戦国」のメディアと国民感
情は、どうしてもナショナリズムに引きずられる。それは自然におこる感情だけでなく、政府によっても操作される。政府による
情報操作と言えば、最近自分も巻き込まれた。ああ、こういう渦が、社会を覆っていくのかと思った。(略)
僕が「集団的自衛権」と聞いて連想するのは国会論戦や法制度ではない。戦場の匂いと音だ。本当にあそこに若い日本人を送
り込むのか。戦場の匂いって、ご存じですか? 爆弾が至近で炸裂したときの音をご存じですか。紛争地で人を殺すのは銃弾や
爆弾ではなく、むしろ小さな「破片」ってご存じですか。防弾チョッキは、弾をよけると言うよりもむしろ、跳弾や近くでの爆発によ
って発生した石片やコンクリート片、鉄片などの小さな破片を避けるためにある。動く人間に銃弾はそうそう簡単には当たらな
い。でも、どかんと爆発が起きれば、細かい破片が四方八方に飛び散り、人間は簡単に死ぬ。そんなことも、現場に行くまでは
分からなかった。初めてかぐまで、屍臭がどんなものかも知らなかった。リビアでは「カダフィー軍がくる」との情報で反政権民兵
が一斉に猛スピードで四駆を飛ばして逃げるのに混じり、一緒に逃げた。ガザでは、イスラエル軍のドローンの「ビーーン」という
音が聞こえたら、まもなく自分か周囲の誰かが遠隔操作で撃たれて死ぬという予告だった。1月に行ったシリア・アインアルアラ
ブ(コバニ)で恐ろしかったのは、すでに撤退したISの戦闘員ではなく、ごろごろ転がる不発弾だった。写真は、トルコとシリアの
国境。平和なトルコ側から扉が開くと、地獄の釜も開いたのが分かるだろうか。(貫洞欣寛Twitter 2015年6月9日)
https://twitter.com/kando_filhind
【山中人間話】
(省略)
東本高志@大分
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