[CML 037710] 私は河合弘之弁護士の唱える「脱原発」に根底的な疑問を持つ ――反原発運動の主張や言葉に強い違和感を持ったり、傷ついたりしている人が多いのも事実なんです。
higashimoto takashi
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2015年 6月 3日 (水) 19:59:29 JST
「今日の言葉」として。
【映画「日本と原発」(河合弘之弁護士監督)上映運動に関連して】
沖縄大学の「日本と原発」上映会に行ってきました。今日はおとなしく黙っていようと思っていたのですが、(略)大体
次のようなことを話したつもり(うまく話せたかどうか、自信はないです)。(略)浪江町の映像を見て、これまでのいろ
んなことを思い出しました。福島県の各地に親戚や知人がいるので、原発事故後に何度も福島に行く機会があり、
お話を聞きながら自分なりに考えてきました。福島県に行ったことのない方も多いと思いますが、福島県の面積は沖
縄本島の11倍もあります。その中には、放射線量の高い帰還困難区域のような場所も確かにありますが、(いまこの
教室でも0.04μSv/hぐらいあるのですが)ここと放射線量の変わらない場所も福島県にはたくさんあります。広い福島
県を「危険」のような一言で括ってしまうとすれば、実情に即していないと思います。映画の中で、小出さんが何度か
「汚染地帯に取り残された人々」と話されていました。その中には私の親戚や知人も含まれるのでしょうが、この4年
間を、決して無力に過ごしてきたわけではありません。私の両親の故郷である三春町では、子どもたち全員の内部
被曝検査内部被曝検査を、繰り返しおこなってきました。検出限界に問題があるという見方もあるかもしれませんが、
内部被曝のレベルは確実に下がっていて、今ではまったく検出されなくなっています。米の全量全袋検査をはじめ、
野菜や果物、水産物の検査も丁寧に行われています。検査をしなければならないこと自体が理不尽なのはその通り
だと思いますが、生産者や多くの人が大変な努力をしてきたこと、着実に成果を上げてきたことは、わかっていただ
きたいと思います。脱原発運動では、「放射能汚染は回復不可能である」ということが強調されます。それは一面の
事実ですし、取り返しのつかないことは確かに多々あると思います。しかし、時間の経過や人々の努力によって、福
島では取り戻した部分、取り戻しつつある部分もたくさんあるんです。映画の中で、「(最悪の場合)福島発の放射能
が世界中をめぐることになる」という言葉がありました。でも、第一原発は東京電力の発電所なんです。東京の人から
「福島発の放射能」と言われるのは、福島の多くの人にとって、納得できないことだと思います。(略)反原発運動の主
張や言葉に強い違和感を持ったり、傷ついたりしている人が多いのも事実なんです。私の知る範囲でも、福島の人た
ちの思いはそれぞれなのですが、複雑で微妙な思いをできる限り受け止めて、一緒に脱原発に進んでいけるような運
動であってほしいと思います。(murata koji Twitter 2015年5月31日)
twitter.com/murataquang
河合弘之弁護士が初監督するという映画「日本と原発」の予告編を観ました。予告編を観た限りでも同映画は決してドキュメン
タリーと呼べるものではなく、プロパガンダ映画だということは明瞭です。2分04秒の予告編に出てくる登場人物は監督の河合
弁護士本人、構成と監修を手がけたという海渡雄一弁護士、馬場有浪江町町長、小出裕章元京大原子炉実験所助教、田中
三彦元原子炉設計技師、古賀茂明元経産省官僚、大島堅一立命館大教授、青木秀樹弁護士、飯田哲也環境エネルギー研
究所長。この構成を見ただけでも同映画の性質は明らかというべきでしょう。私はプロパガンダ映画を映画とはみなしません。
あくまでも映像を使ったプロパガンダにすぎないものです。さらにそれがプロパガンダー映画だとして、そのプロパガンダは正
しいものか? 左記の出演者のうち河合氏本人、古賀茂明氏、大島堅一氏、飯田哲也氏の4人までもが原発再稼働支持者の
橋下大阪市長の「大阪府市統合本部」特別参与であった、あるいはいまもあるという事実は、こうした人々に主導される「脱原
発」とはなにかについて私に深い疑問を抱かせます。murata kojiさん もおっしゃるように「福島」の問題についても、「広い福島
県を『汚染地帯に取り残された人々』と一言で括ってしまう」のは「実情に即していない」ことも明らかです。それだけでなく「福島
差別」をも結果として助長するものです。私は彼らの唱える「脱原発」運動に根底的な疑問を持っています。
河合弘之弁護士と海渡雄一弁護士の独断専行と主張の誤りは原発メーカー訴訟の会と同訴訟の会弁護団の関係、東京都
知事選における細川護熙元首相擁立問題、同都知事選宇都宮健児選対問題などにおいても見ることができますが、同批判は、
いずれ稿を改めて起こすことになるでしょう。
東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
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