[CML 037695] IK改憲重要情報(76)
河内 謙策
kenkawauchi at nifty.com
2015年 6月 2日 (火) 22:04:54 JST
、 IK改憲重要情報(76)[2015年6月2日]
私たちは、内外の改憲をめぐる動きと9条改憲反対運動についての情報を発信しま
す。(この情報を重複して受け取られた方は失礼をお許しください。転載・転送は自
由です。)
弁護士 市川守弘、弁護士 河内謙策
連絡先:〒170-0005東京都豊島区南大塚3-4-4-203 河内謙策法律事務所
(電話03-6914-3844,FAX03-6914-3884)
弁護士アピールを支持する市民の会
http://2010ken.la.coocan.jp/kaiken-soshi
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(以下の見解は、河内の個人的見解です。御理解のほど、よろしくお願い申し上げま
す。)
アジア安保会議閉幕
皆様御存知のように、シンガポールで開かれていたアジア安全保障会議が31日に閉
幕しました。
ニュースをご覧になっていない方は、以下のサイトにアクセスしてみてください。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00293675.html
同会議について、「米中は平行線だった」という解説もマスコミで流れています
が、同会議を大きな流れで見れば、中国が孤立したことは明白です。
私は、南シナ海問題は、いま、国際世論の奪い合いの局面に入っていると思いま
す。
中国は、日本と異なり、外交上手の国と言われてきたのに、南シナ海問題をめぐっ
ては、外交の失敗が目立つようです。南シナ海の人工島に軍事兵器の存在が暴露され
るや、埋め立ての目的には軍事目的があることを認めたのも、その一例です。
これは、どうしてでしょうか。南シナ海の埋め立てが軍部主導で、これをコントロー
ルする人間がいないのでしょうか。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM31H0V_R30C15A5FF8000/
ASEAN諸国も国によって温度差があるようです。私の関心から言えば、韓国は会
議で「沈黙」を決め込んだようですし、ベトナムやインドはAIIBで中国に一本釣
りをされています。
宮家邦彦氏の把握しているスケジュール表に注目してください。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/articlea=20150602-00010001-jindepth-int
今度の安保会議で大活躍したのが中谷防衛大臣です。米国・日本・オーストラリア
の共同声明では、「地域及び世界の安全保障に、より大きな役割を果たそうとする
日本の最近の取り組みを歓迎し支持した」と述べられています。日本は、もはや、南
シナ海問題の当事国になってしまったのです。日本の「役割」は、今後ますます大き
くなるでしょう。
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPKBN0OH14E20150601
アメリカの対中国政策の大転換?
アメリカのオバマ大統領が、中国の埋め立てにつき「非生産的」と非難しました。
「非生産的」という言葉は、今日では、弱い言葉です。この言葉から見られるよう
に、オバマ大統領は、南シナ海問題について、最終的な軍事的決断をまだしていない
ようです。
http://www.sankei.com/world/news/150602/wor1506020005-n1.html
この「IK改憲重要情報」でも、アメリカ国内で中国批判が強まっているという情
報をお伝えしてきましたが、中西輝政氏が『WiLL』7月号で
親中派の「牙城」ともいわれてきた、アメリカの外交問題評議会(Council on
Foreign Relations)
が、今年の3月に、中国政策の転換を意図して「アメリカの対中大戦略の転換」(R
evising U.S.Grand Strategy Toward China)を発表したことを指摘しています。
http://carnegieendowment.org/files/Tellis_Blackwill.pdf
このレポートを私はダウンロードしたばかりで、読み切ってはいないのですが、以
下のような叙述が目につきます。
「米国の世界支配が中国の台頭によって脅かされており、この過程は経済的、外交
的、軍事的な手段で逆転させなければならない。」
「中国をリベラルな国際秩序に統合しようというアメリカの努力は、アジアにおける
アメリカの第一等の地位が脅かされるという結果をもたらした。
そして、それは最終的には世界におけるアメリカの覇権を脅かすことになるであろう
から、ワシントンは、中国の優勢を助けるよりも、中国の台頭を抑え込むことを主眼
とする新しい大戦略を必要とするにいたっている。」
「アメリカと中国の間において、根本的な信頼、「平和的共存」「相互理解」「戦略
的パートナーシップ」「新しい形の大国間関係」の可能性はない。」
オバマ政権にたいしても、厳しい批判です。
「オバマ政権の政策的アプローチは、このレポートで私たちが推奨したそれとは
まったく異なるものであった。」
このレポートは、最後に、こう結んでいます。
「中国のパワーがアメリカに提起する厳しい試練は、数十年にわたって続くであろ
う。アメリカの覇権と影響がアジアの平和と安全にとって決定的であることを中国が
受け入れるであろうと考えることは、少なくともあと十年間は幻想であると言わなけ
ればならない。」
「アジアの将来に関する最も中心的問題は、アメリカが政治的意思、地経学的、軍事
的、外交的能力を持ち続けることが出来るかどうか、とりわけアメリカの国益を守
る、中国についての正しい大戦略を持ち続けることが出来るかどうか、にかかってい
る。」
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以上
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