[CML 038654] IK改憲重要情報(90)

河内 謙策 kenkawauchi at nifty.com
2015年 7月 23日 (木) 21:08:41 JST


IK改憲重要情報(90)[2015年7月23日]

 

 私たちは、内外の改憲をめぐる動きと9条改憲反対運動についての情報を発信します。(この情報を重複して受け取られた方は失礼をお許しください。転載・転送は自
由です。)

   

弁護士 市川守弘、弁護士 河内謙策

 

連絡先:〒170-0005東京都豊島区南大塚3-4-4-203 河内謙策法律事務所

(電話03-6914-3844,FAX03-6914-3884)

 

 河内が参加している「南シナ海問題署名運動」のサイトは以下のとおりです。

http://www.southcs.org/

 

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(以下の見解は、河内の個人的見解です。なにとぞ、御理解のほど、よろしくお願い申し上げます。)

 

  最近の国際問題を扱った書籍から

 

 激動する国際情勢を反映して、国際問題関係の書籍が本屋の店先に平積みになっています。以下は、いつものとおり、河内の独断により選んだ書籍です。

 

*日高義樹著『日本人が知らない「アジア核戦争」の危機』PHP研究所

 

この本は、きわめて刺激的な問題提起の書です。日高氏の論旨を、私流に要約すると、中国のAAAD戦略は破たんした、それで中国は宇宙戦略・サイバー攻撃・核戦
略の全面的強化に乗り出している、それゆえ、安保法制も役に立たない、日本政府が今行うべきは、新しい世界の核の対立の時代に、どのようにして核戦争を避ける
か、核戦争を避けるために、戦いの発生をいかに抑止するかを考えることである、ということになります。

 日高氏の議論の中には、おそらくペンタゴンからと思われる新しい事実・情報もあります(たとえば、オバマ大統領のコンピュータがサイバー攻撃にあったとい
う話は興味深い)。しかし、私の乏しい知識では、日高氏の言う中国のAAAD戦略が破たんしたということが私の確信にはなりません。

(AAAD戦略については、以下のサイトを見てください。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8E%A5%E8%BF%91%E9%98%BB%E6%AD%A2%E3%83%BB%
E9%A0%98%E5%9F%9F%E6%8B%92%E5%90%A6

 

日高氏は、「空母キラーと中国が呼ぶクルージング・ミサイルDF21はスピードが遅いうえ、搭載する爆薬の量も少なく、実際に空母を撃沈することなど不可能である
ことが明らかになった」と書いています。)

 

それゆえ、日高氏の議論については保留せざるを得ません。

 とはいえ、日高氏のこの本には新しい軍事情報もたっぷり入っていますし、日高氏が強調する中国の核ミサイルの話は、私も非常に憂慮しているところなので、皆
様に一読をお勧めする次第です。

 

*アーロン・L・フリードバーグ著、佐橋 亮監訳『支配への競争 米中対立の構図とアジアの将来』日本評論社

 

 アメリカの知識人の中で、対中融和派が歴史的退潮を遂げつつあることは、この「IK改憲重要情報」でお知らせしてきたとおりです。対中強硬派のオピニオンリー
ダーと目されているのが、このフリードバーグとミアシャイマーです。この本は、5年の歳月を経て2011年に出版されました(日本で訳出されたのが2013年でし
たが、河内は、恥ずかしいことに最近まで知りませんでした)。今から考えるとあたりまえのことが、当時から少数者の意見として主張されていることに驚きま
す。頭の整理にも最適です。また、アメリカの分析が中華思想に重点を置いていないのはなぜだろう、ということも考えさせられます。

 

*長谷川慶太郎『中国大減速の末路』東洋経済新報社

 

 長谷川慶太郎氏の分析の強みは、明快だということです。この本にも、明快な長谷川節が踊っています。しかし、彼の視界には、悩み不安におののく日本国民は存在し
ないのではないか、と批判せざるをえません。

彼の結論は、こうです。

「(国民の)不安におののき対策を立てるととすれば、習近平は、腐敗追及のポーズをとりつつ、反対勢力の大粛清に走るしかない。┉┉┉┉┉┉いよいよこれから、日
本経済は多様なニーズにこたえて、重厚長大産業を中心にますます伸びていくだろう。高度な技術力を背景に、日本経済が世界を牽引していくことになる。」

 

*宮崎正弘『AIIB「アジアインフラ投資銀行」の凄惨な末路』PHP研究所

 

 宮崎正弘氏は、日本のマスコミがAIIB礼賛を唱えるなかで、いち早くAIIB批判を展開した一人です。彼は、「中国のカネはあらかた海外へ持ち出され、外貨準
備は底をついている」「人民元の暴落が間もなく始まる」「このバスには乗らなくてよい」と述べています。

彼が、共産党が宗族制度[中国独特の家族制度]を破壊したため、誰も信じぬ拝金主義が蔓延した、と強調していることは非常に興味ある論点です。

 

*副島隆彦・佐藤優『崩れゆく世界 生き延びる智恵』日本文芸社

 

 この本の中で佐藤優氏が以下のように強調していることは、きわめて注目に値します。

「今年4月5日、米英仏露中独とイランの間で、イランの核問題に関する枠組みの合意がなされたが、これは将来、イランが核兵器を保有することを認める危険な合
意だ。イランが核を持てば、まず、パキスタンにある核兵器がサウジアラビアに移転し、他のアラブ諸国もパキスタンから核を購入するか、自力で核開発を行い、核不拡
散体制が崩壊する。世界は実際に崩れ始めているのだ」

 私は、イランの核問題については、 現時点においては、この分析が一番正しいと考えています。

 

_________________      

             以上

 



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