[CML 038453] 維新の党の「独自案」もやはり戦争法だった

OHTA, Mitsumasa otasa at nifty.com
2015年 7月 13日 (月) 21:15:30 JST


水島朝穂さんによる解説を簡単にまとめておきます。

直言(2015年7月6日)「違憲立法」成立に加担する維新の党――「独自案」の本質
http://www.asaho.com/jpn/bkno/2015/0706.html


政府案の「存立危機事態」→「独自案」の「武力攻撃危機事態」

第1要件:
政府案「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し」→独自案「条約に基づき我が国周辺の地域において我が国の防衛のために活動している外国の軍隊に対する武力攻撃(我が国に対する外部からの武力攻撃を除く。)が発生し」

第2要件:
政府案「これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」→独自案「これにより我が国に対する外部からの武力攻撃が発生する明白な危険があると認められるに至った事態」

(1)「独自案」も集団的自衛権行使を容認

「独自案」の「武力攻撃危機事態」も政府案の「存立危機事態」も単に自衛隊法76条1項による防衛出動ができる事態を定めたものに過ぎず、前者は後者より範囲が狭いだけ。政府案でも防衛出動が認められた後の武力行使を定めた88条1項は現行のまま。

従来、武力行使は武力攻撃切迫事態で行使できず、武力攻撃発生事態で初めて行使できると「政府」が憲法解釈していたように、88条1項は「政府」による憲法解釈によって解釈が確定する。「独自案」も政府案も集団的自衛権行使を容認した「7・1閣議決定」に従い、集団的自衛権行使が認められる。

(2)「独自案」で個別的自衛権を行使すれば国連憲章違反

「独自案」の「これにより我が国に対する外部からの武力攻撃が発生する明白な危険があると認められるに至った事態」で個別的自衛権を行使すれば、国連憲章違反となる。

(3)領海警備は現行法と海保で対応でき、「領域警備法案」は無用・不要・有害

そもそも国際法上、「領海侵犯」という概念は存在しないが、2008年の領海等外国船舶航行法(海上保安庁の巡視船艇による立入検査、領海外への退去命令)で十分。外国公船の乗組員が尖閣諸島に上陸した場合、海保は武器の使用ができる。「工作船」、「武装漁民」の問題にしても、海上保安庁で十分対処可能(『ライブ講義』218-238頁参照、http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/live_csd/index.html)。「政府が11法案に入れられなかったものを追加して気をひこうとしたのか、この追加提案には、維新の党が与党におもねる姿勢がよく出ていると思う。」

(4)維新の「独自案」も「戦争をすることを決める」法律

維新の党の下地議員は7月3日、「独自案」の説明で「戦争をやるかどうかを決めるわけですから」特別委員会を設置してその3分の2の多数で決めるべきだと主張。維新の「独自案」も「戦争をすることを決める」法律。

(5)採決強行の条件をつくった維新

<与党は7月13日に中央公聴会を開くことを決めた。もし維新の党が民主党などとともに反対していれば、この日程をくむことはできなかっただろう。その意味で、維新の党の「対案」提起は、中央公聴会の開催から採決強行に向かう安倍政権にとって、またとない「助っ人」となったと言えよう。>


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