[CML 038291] 今日の言葉 ――僕はNHKのニュースの編集長さんに問いたい。メディアが自発的隷従装置になった時、何が起きると思いますか。

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2015年 7月 4日 (土) 16:30:16 JST


【沖縄戦終結70年の慰霊の日の怒号】
沖縄戦終結から70年の慰霊の日、僕は沖縄県糸満市の摩文仁の丘であった沖縄全戦没者追悼式会場にいた。「この日は雨
が降ることはないよー」と地元の人が言う。6月23日は沖縄にとっては特別な日なのだ。学校も休みだ。だが、今年の式典場の
空気は例年とは大きく変わっていた。それは間違いなく今の沖縄が置かれている状況を敏感に反映したものだ。翁長雄志知事
の「平和宣言」には参列者からの拍手が何度もわき起こった。ところが安倍晋三首相のあいさつの段になって空気が一変した。
参列者たちのあいだからヤジ、怒号が起こった。「帰れ!」「戦争屋」。死者を悼む式典で、怒号を発することは礼を欠く行為だ。
参列者たち皆がそれを知っている。だが、それを超えるような怒りが参列者たちの一部に共有されていた。怒号を間近で聞きな
がら、ああ、これはニュースだな、と思った。その日の夜に宿舎でテレビを見た。夜7時と9時のNHKの全国ニュースだ。ええっ?
僕は正直、自分の目と耳を疑った。なぜなら、安倍首相に浴びせられた怒号が全く報じられていなかったからだ。あったことがな
かったことになっている。外国メディアの記事を読んだが、現場で会ったAFPの記者も含めて、ちゃんと怒号のことを報じていた。
その後、東京に戻って、別の作業をしていたら、安倍首相に近いとされる例の若手自民党議員らの会合での暴言が報じられた。
ここはナチス政権下のドイツではないのだから、当然この発言は大問題となって大方のメディアが報じることになった(今度ばか
りは遅ればせながらNHKも)。新聞協会や民放連も抗議声明を出した。あれほどの低劣な発言に、いちいち論を述べ立てて反
論するのも時間の無駄だが、この問題は看過できない部分が含まれている。沖縄の人々に対する非常に根深い差別的人間観
が本人たちに全く意識されていない点が一つ。そして、自分たちの意に沿わないメディアを「懲らしめ」て従わせるという圧政者の
ような支配欲に本人たちが気づいていないという点が致命的だ。今ごろになって16世紀フランスの文人が書いた「自発的隷従
論」(ちくま学芸文庫)を読んだ。まるで今の日本のことを描いているではないか。メディアが自発的隷従装置になった時、何が起
きると思いますか。僕はNHKの6月23日の夜のニュースの編集長さんに問いたい。NHKには信頼できる友人たちがいるし、あ
なたもニュース現場で同じ釜の飯を食っている仲間だと思いたいからだ。(金平茂紀「毎日新聞」2015年07月03日)
http://mainichi.jp/shimen/news/20150703dde018070018000c.html

以下、省略。下記をご参照ください。
http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-1367.html


東本高志@大分
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