[CML 035897] 沖縄タイムス・社説[ 検証 基地統合の歴史 ]構造的差別に終止符を+沖縄タイムス・社説 [辺野古再開]敵意に包囲される基地+<琉球新報・社説>辺野古作業再開 民主主義が問われている+【京都新聞・社説】 辺野古調査再開  政府は沖縄と対話せよ

uchitomi makoto muchitomi at hotmail.com
2015年 1月 17日 (土) 20:09:10 JST


沖縄タイムス・社説[ 検証 基地統合の歴史 ]構造的差別に終止符を
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=98951

2015年1月17日 05:30

 米軍基地の再編統合の歴史をひもとくと、米軍普天間飛行場の辺野古移設計画がいかに無理で無茶な差別的計画であるかがよくわかる。

 米軍基地の大がかりな再編統合計画(本土を含む)は、旧安保条約が発効して以降、これまでに3回作成され、実施された。1回目が50年代後半、2回目が70年前後、3回目が米軍再編計画の下で進められている現在の基地統合である。

 岸信介首相とアイゼンハワー米大統領は1957年6月、すべての地上戦闘部隊を58年までに日本本土から撤退させる、との共同声明を発表。この合意に基づいて陸軍第1騎兵師団は日本から撤退、海兵隊第3海兵師団第9連隊も米軍政下の沖縄に移駐した。

 旧安保の不平等性に対する不満が保革を超えて高まっていたこと、内灘事件、砂川事件、ジラード事件など米軍基地をめぐる住民との衝突が相次いだこと、などが理由である。在日米軍は施設件数、土地面積、兵力とも激減した。 そのしわ寄せを受けたのは沖縄である。本土からの地上部隊を受け入れるため沖縄では、土地の新規接収が強行され、沖縄の米軍基地は急速に拡大した。

 軍事上の理由というよりも「(日本政府は)米軍基地を国内に置くことから生じうる政治問題を避けることができるという理由から、沖縄の米軍基地を歓迎」したのである(61年10月、米ケイセン調査団報告)。

 70年前後の2回目の再編統合計画の中でも、沖縄の負担と犠牲は解消されなかった。

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 首都圏に米軍基地が集中するのはまずいとの判断から73年1月に合意したのが「関東計画」である。関東平野にある米空軍基地を削減し、その大部分を横田基地に統合するという構想で、立川飛行場、キャンプ朝霞などが対象になった。

 横田基地に配備されていた戦闘機部隊は嘉手納基地に移駐し、横田は輸送・中継・補給基地として生まれ変わった。またしても、本土から沖縄へ、の移駐である。

 米軍は復帰の際、那覇空港に配備されていた対潜哨戒機P3Cを山口県・岩国基地に移駐する意向だったが、佐藤栄作首相の出身地だと日本側から横やりが入り、結局、嘉手納基地に移駐した。

 これもまた、「政治問題を避けることができる」という理由からの沖縄移駐といえる。

 この考え方は3回目の再編統合計画である現在の辺野古移設計画にも貫かれている。

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 防衛相を務めた経験もある森本敏氏も、今から5年前、沖縄でのシンポジウムで、海兵隊の配備先について「軍事的には日本国内であればよい。政治的にできないから官僚が道をふさいでいるだけ」だと指摘していた。

 政府は一体いつまで、このような不公平・不公正・理不尽な政策を続けていくつもりなのか。

 県民は名護市長選、県知事選、衆院選沖縄選挙区で明確に「ノー」の意思表示をしたのである。辺野古移設計画の見直しこそが最善の道である。



沖縄タイムス・社説 [辺野古再開]敵意に包囲される基地
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=98801

2015年1月16日 05:30

 恐れていた事態が現実化しつつあるように思えてならない。米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古での新基地建設に向け、沖縄防衛局は本格的な海上作業を再開した。

 米軍キャンプ・シュワブゲート前では15日未明、資材搬入を阻止する市民と県警機動隊らが激しくもみあった。同日朝には、80代女性が機動隊から排除される際に頭を打ち病院に搬送された。

 ゲート前を封じる県警機動隊や海上保安庁の巡視船がにらみを利かせる辺野古の現場に立つと、11年前の政府対応との違いを痛感する。

 那覇防衛施設局(現沖縄防衛局)は2004年4月19日に辺野古沖のボーリング調査を予定していた。ところが、反対住民らが辺野古漁港に結集したため着手を断念。4月26日には当時の小泉純一郎首相が国会で「できるだけ住民の気持ちを推し量りながら、円滑な形で必要な事業は行っていかなければならない」と答弁した。これを受け、施設局は結局、同年9月まで調査を延期する。この間、施設局幹部が辺野古漁港を訪れ、座り込みを続ける人々に調査への理解を繰り返し求めた。

 当時の県知事は調査にゴーサインを出し、名護市長も資材置き場としての港の使用を許可していた。

 今はどうか。昨年の名護市長選、名護市議選そして県知事選、県議補選名護市区、さらには12月の衆院選でいずれも「移設反対派」が完勝した。にもかかわらず、政府は「住民の気持ちを推し量る」どころか、露骨なごり押しを図るようになった。

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 この事態をどう受け止めればいいのか。

 作家の辺見庸氏は12年5月の本紙インタビューで「事態はどのみちもっと剥(む)きだされてくる。(中略)結局、他人事(たにんごと)で済まない対決か闘争というのが、本土にも沖縄にも出てこざるを得ないのではないか」と予見している。

 まさに今、政府は「沖縄の理解を得る」という建前もかなぐり捨て、政府の論理をむき出しにしている。

 辺野古移設に反対する県民も当然ながら、民主主義という価値観を共有する国民の一員だ。その民意を、むき出しの敵意と権力で封じるやり方は、民主主義国家にもとる行為と言わざるを得ない。

 このまま工事が進めばどうなるか。沖縄の民意も「むき出される」しかなくなるのではないか。県民と政府の亀裂がさらに深まり、逮捕者やけが人が出るだけでは済まない事態も懸念される。

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 辺野古移設を強行する安倍政権は、全国世論の反発が高まらなければ問題ない、と捉えていないか。その認識は甘い。新基地を造ってしまえば何とかなるという発想もやめたほうがいい。地元の民意を踏みにじり、犠牲者を出して造る代替施設は住民の敵意に囲まれることになる。沖縄に基地を造る以上、地元の同意や理解が不可欠だという、歴代政権が示してきた道義から逸脱するのは賢明ではない。

 県内移設なき普天間閉鎖は県民の譲れない線だ。移設工事を中止し、翁長雄志知事との対話を始めるべきだ。



<琉球新報・社説>辺野古作業再開 民主主義が問われている
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-237392-storytopic-11.html

2015年1月16日 

 国は15日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に伴う海底ボーリング調査に向けた海上作業を再開した。

 昨年の名護市長選、同市議選、知事選、衆院選沖縄選挙区で示された「新基地建設ノー」の民意を踏みにじったことに怒りを禁じ得ない。民主主義国家としてあるまじき行為であり、断じて認めることはできない。国は直ちに作業をやめるべきだ。

 国と県で考えが異なる場合、まず真っ先にやるべきことは話し合いである。知事の度重なる面会要請に応じず、反対意見には一切聞く耳を持たない国が民主主義国家といえるだろうか。

 安倍晋三首相や沖縄基地負担軽減担当相を兼務する菅義偉官房長は、そのことが分かっていないと言わざるを得ない。

 本来なら、県内にあらためて基地負担と危険性を押し付ける国の側から進んで翁長雄志知事や稲嶺進名護市長との対話の場を設けるべきである。

 選挙結果を無視して新基地を建設したいというのなら、県民に説明する責任が安倍首相らにはある。その自覚さえ感じられない。

 安倍首相と菅官房長官は「沖縄に寄り添う」「丁寧に説明する」と繰り返してきた。自身の発言に責任を持たず、翁長知事との面会を拒否しても何ら恥じない無神経ぶりは理解に苦しむ。

 作業再開は翁長知事が辺野古移設に反対し、普天間飛行場の県外・国外移設を求める考えを杉田和博官房副長官に直接伝えた翌日である。翁長知事に対する国の答えは移設強行ということだ。平和な暮らしを求める沖縄の民意への挑戦としか言いようがない。

 安倍首相は中国、韓国との関係改善に向けて「対話のドアは常に開いている」と述べ、首脳会談開催を呼び掛けている。「対話のドアの中で待っているだけでなく、積極的に出ていき、首脳会談など政治レベルの交流が実現するよう努力を重ねたい」とも述べている。

 中国、韓国とは行おうとする「対話」を沖縄とはしないというわけだ。一体どこの国の首相か。

 選挙で示された民意を尊重し、それを政治に反映させるのが民主主義である。そのことを無視する国は民主主義国家とはいえない。沖縄だけの問題ではない。日本の民主主義が問われていることを国民も自覚すべきである。



【京都新聞・社説】 辺野古調査再開  政府は沖縄と対話せよ
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20150117_3.html

 沖縄防衛局は米軍普天間飛行場の移設先とする名護市辺野古沿岸部で、海底ボーリング調査の再開に向けた作業を始めた。近く調査に着手するとみられる。

 昨年の知事選とそれに続く衆院選の県内4小選挙区全てで、辺野古移設反対派の候補が勝利した。沖縄県民の意思は明確であり、一方的な調査再開は「民意の無視」と言わざるを得ない。移設を強行すれば、混乱が広がるのは目に見えている。不測の事態を避けるためにも政府は沖縄の声を謙虚に受け止め、翁長雄志知事らとの話し合いに応じるべきだ。

 沖縄防衛局は昨年8月にボーリング調査を開始し、9月中旬までに12カ所の調査を終えた。その後、台風の影響で中断。知事選や衆院選への影響も考慮し、残る12カ所の調査を先延ばししていた。調査再開は政府が強行姿勢を変えていないことをあらためて示した。

 だが、安倍晋三首相は衆院選後の会見で「数におごり、謙虚さを忘れたら国民の支持は一瞬にして失われる。緊張感をもって政権運営に当たる」と語り、沖縄の選挙結果を「真摯(しんし)に受け止めたい」と述べたはずである。その言葉は何だったのか。

 首相は辺野古移設が「唯一の解決策」と言い続けている。そうであるなら、根拠をきちんと県民に説明し、対話を深めるべきだ。だが、安倍政権は問答無用の態度を続け、自ら県民との溝を深めている。このままでは問題の解決どころか、こじれる一方だ。

 知事が辺野古推進派の仲井真弘多氏から反対派の翁長氏に代わって以降、政府・自民党の冷遇ぶりも目立つ。安倍首相や菅義偉官房長官は翁長知事といまだに会おうとせず、自民は新年度の沖縄振興予算案を議論する党会合にさえ招かなかった。こんな対応では県民が怒るのも当然だろう。

 翁長知事は政府に対話に応じるよう求めている。安倍政権がなすべきことは、埋め立て計画をいったん凍結し、民意をしっかり受け止めることだ。共同通信が衆院選後に行った電話世論調査では、辺野古移設について「計画をいったん停止」が35%、「白紙に戻す」が29%、「計画通り」は27%で、全国的にも見直しを求める声が強い。

 全国の米軍専用施設の74%が国土面積の0・6%の沖縄に集中している現実と、これを「差別」と受け止める県民の心に正面から向き合わない限り、問題の解決は難しい。問われているのは、日本の民主主義の質である。

[京都新聞 2015年01月17日掲載] 		 	   		  


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