[CML 036358] 関西救援連絡センターニュース2015年2月号

shoichi matsuba mauricemerleau at yahoo.co.jp
2015年 2月 20日 (金) 06:56:09 JST


第319号 2015年2月
関西救援連絡センター
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■安倍政権による戦時法体制を許すな
 司法取引=密告奨励、盗聴対象拡大を阻止しよう

 戦争をする国づくりを目指している安倍政権は、後藤氏らの救出のための実効的な対策をとっていないばかりか、「日本はイスラム国に敵対する国」であることをアピールし続けた。そして、イスラム国による後藤氏らの殺害を利用し、友/敵の二者択一しか認めない社会を押し進めようとしている。
 また、安倍政権は、原発再稼働を進め、八時間労働制をなくし(残業代ゼロ)、首切り自由化を進め、物言わぬ人々を作り出す法律を成立させ、戦争をする国/警察監視国家を目指している。
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 前号でお知らせしたように、衆議院解散総選挙の土壇場で、カンパ禁止法改悪とテロリスト指定・資産凍結法が成立させられた。これらの法律の問題点を再度指摘しておく。
 なお、今通常国会での法案審議は、予算案審議↓予算関連法案↓刑訴法等↓民法の順と思われる。 

◆秘密保護法
 秘密保護法は昨年十二月十日施行された。政府が指定した秘密を知ろうとしたり、漏らそうとする行為は犯罪として処罰される。何が秘密かわからず、政府は秘密のまま廃棄することも可能だ。秘密保護法は、一昨年の日本版NSC(戦争の司令塔)設置、昨年七月の集団的自衛権の行使容認閣議決定などと一体の戦争法である。都合が悪いことを秘密にできないと戦争など始められないのだ。

◆カンパ禁止法改悪
 正式名称は、二〇〇二年制定の「公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律」。「公衆等脅迫目的」とは、公衆・国・地方公共団体・外国政府・国際機関を脅迫する目的を指す。この法律制定までは、建物や船の破壊は犯罪でも、その準備は犯罪ではなかった。準備の幇助=手助けも犯罪ではなかった。この法律ができて、こういう行為の準備の手助けのうち、公衆等脅迫目的と知っていて資金提供(カンパ)や、資金提供しようとする行為が処罰されることになった。カンパ禁止法ができるまで、公園のトイレに「戦争反対」と落書きすれば処罰された(建造物損壊)が、落書き用にペンキを買っても犯罪ではなかった。例えば、辺野古での抗議として行われる行為も「公衆等脅迫目的の犯罪」にあたるとされれば、抗議行動・反対運動へのカンパも犯罪になる。
 昨年の改悪は、処罰の対象をカンパだけでなく、「土地・建物・物品・役務その他の利益」の提供にまで拡大した。「公衆等脅迫目的」の準備に「アジト」を提供したり、準備を手伝ったりすると処罰される。これまでは企画者に対してカンパしようとする一次協力者だけが処罰対象だったが、一次協力者に対してカンパやアジトなどを提供しようとする二次協力者、「公衆等脅迫目的」の犯罪実行のために利用されるものとしてカンパやアジトなどを提供しようとするその他協力者も処罰対象となった。カンパ禁止の処罰範囲はとめどなく広がった。今のところ、カンパ禁止法は成立以来、一例も適用はない。

◆テロリスト指定・資産凍結法
 「テロリスト」を指定して、その財産を凍結する法律の正式名称は「国際連合安全保障理事会決議第1267号等を踏まえわが国が実施する国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法」。
 テロリストの指定対象は、タリバンやアル・カイダに関連して国連制裁委員会が指名する者・団体。もう一つは、国家公安委員会が指定する者・団体だが、このテロリスト指定条件はとてもゆるい。
 テロリスト指定されると、財産が凍結され、生活のために必要と認められる財産以外は公安委員会に提出させられる。公安委員会の許可なしには銀行口座も使えない。口座引落できず、社会生活は送れなくなるに等しい。
 これまで日本政府はテロ資金への対策は外為法によって行っていると説明していた。また、現在のところ指定されるテロリストは国内には存在しないと答弁している。

◆共謀罪
 一月十四日、菅官房長官は、「共謀罪」を新設するための関連法案について、慎重な検討が必要だとして、今月召集される通常国会への提出は見送ると表明した。
 しかし「国際社会と協調してテロや組織犯罪と戦うことは極めて重要なことだと考えている。そのために法整備が必要であることは否定はできない」とも述べており、今国会での対決法案成立を見据えての見送りでしかないのは明らかであり、今秋の臨時国会に上程される可能性は充分ある。法案は完成済みで提出可能な状態にあり、上程時期は政治判断による。
 首相官邸は法務省に対して、「共謀罪の名前を変えろ」「一般国民に影響がないという理論武装をしろ」などと指示を飛ばしているともいわれている。修正は名称変更(組織犯罪共謀罪など)のみ。オバートアクト(顕示行為)をつけて「話し合っただけで処罰」の批判をかわし、従来のまま上程されるという。
 自由な議論自体を犯罪として取り締まる共謀罪は、戦争をする政府には必要だ。日本では、何を考え何を話し合っても、行動に移さない限りは処罰されなかった。それが犯罪と刑罰の大原則だったが、秘密保護法ができ、秘密の漏示や取得については話し合うだけで処罰の対象になり、共謀罪への突破口を開いた。上川法務大臣は、六百以上の行為について話し合うだけで処罰する共謀罪の必要を就任以来繰り返し強調している。

◆「新たな刑事司法制度」
 昨年九月、法制審議会は盗聴法改悪と司法取引などを主な内容とする答申を全会一致で採択した。現在、法案作成作業が進められている。その内容は以下である。
(1) 取調べの録音・録画制度の導入
(2) 訴追に関する合意制度及び刑事免責制度の導入
(3) 通信傍受の合理化・効率化
(4) 身柄拘束に関する判断の在り方についての規定の新設
(5) 弁護人による援助の充実化
(6) 証拠開示制度の拡充犯罪被害者等及び証人を保護するための方策の充実
(7) 公判廷に顕出される証拠が真正なものであることを担保するための方策等
(8) 自白事件の簡易迅速な処理のための方策
 取調べの全面可視化は、裁判員裁判対象事件のみであり、全事件の二〜三%。可視化により、長時間の取調べや身体拘束は短期間となるとの期待がある。しかし、重罪事件の場合別件逮捕や微罪逮捕から始まるが、そうした被疑罪名では可視化の対象とはならない。
 (2)は「司法取引」である。秘密保護法や共謀罪など物証のない犯罪の場合、盗聴や密告がなければ起訴事実の裏付けはできない。これが今後、猛威を奮うのではないかと危惧される。また、合意文書作成は弁護士を介して行われる。闘う弁護の切り崩しでもある。
 (3)は現行盗聴法の対象拡大のみならず、警察施設で立会人なしにすべての会話を記録する仕組みになる。現在のメール盗聴は、裁判所の盗聴許可令状で指定された特定のメールアドレスの通信内容をプロバイダーからフロッピーなどで受け取る。法案では、警察が開発した盗聴装置をプロバイダーのサーバーに直接接続し、警察はサーバーを通過するすべてのメールの盗聴が可能になる。日本版プリズムである。法制審議会特別部会でメール盗聴の議論は一回しか行われていない。
 警察庁は二〇〇六年六月に「移動追跡装置運用要領」を作成し、各都道府県警に通達していた。捜査対象者の車にGPSを取り付けていたことが判明した裁判で、違法性が争われている。刑事訴訟法には規定はない。本人の承諾なくGPS端末を設置するのはプライバシー侵害にあたり、裁判所の令状が必要なケースだ。違法なメール盗聴も実際にはかなり進んでいる可能性がある。

■和歌山カレー事件&PC訴訟 第五回口頭弁論(3月6日午前11時半)
  次回は被告側が反論予定

 前回、十二月十九日の口頭弁論では、被告(国)の第二準備書面に対して、以下の反論がなされた。
(1)二〇一三年最高裁判決は、秘密面会の「利益」すなわち「秘密交通権」が、最審請求弁護人の固有の利益であることを積極的に認めた判決であり、、最高裁判決の射程を制限的に理解することは不当である。「特段の事情」とは、弁護人との面会が認められないような「きわめて特殊な事情」を意味することは、立法経緯および立法関与者の解説からも、明らかであり、秘密交通権を制限する理由は存在しない。
(2)「六十分」の面会時間制限に関しては、一方的に通告したのであり、「程度」とか「一定期間の延長を容認する」などの表現は用いておらず、後になって、制限が「合理的」かつ「相当」なものであったかのように跡づけようとする姑息な主張である。
(3)「不足の事態に即応できるよう、面会の実施中、PHSを携帯」した職員が監視していると被告は述べているが、明らかに秘密交通権を侵害する措置であり、「死刑確定者と最審請求弁護人との面会について」(乙十六号)は、違法/違憲な命令である。
(4)「心情の安定」を権利制限事由とすることは、刑事施設法案等をめぐる議論や立法過程からも明らかなように、「処遇法」は禁じている。また自殺の可能性を示唆する客観的事実はない。職員面接の目的は、処遇に対して不満を示す行動を調査するためのものであり、自殺・自傷の可能性を裏付ける証拠ではない。
(5)十全な弁護活動・防御活動という観点からは、未決拘禁者と再審弁護人の弁護活動に、何ら違いはない。弁護人らが自らのパソコンを使用して弁護活動・防御活動することを、大阪拘置所長は妨害してはならない。被疑者・被告人について、パソコンの内部検査の必要性が認められていない以上、既決の死刑確定者・受刑者においても同様である。
 次回の口頭弁論で、被告(国)は、以上の原告の主張に対して反論すると主張している。

■和歌山カレー事件再審請求の現在
 判決確定後約二ヶ月、二〇〇九年七月二二日、和歌山地裁に再審請求。裁判の最大の争点は、カレー鍋に混入された砒素が林家関係から見つかった砒素と同一かどうか。決め手となったのは検察が提出した中井泉東京理科大学教授の多数の鑑定書で、裁判所はそれにしたがって眞須美さんを有罪と断定。しかし、中井鑑定は、現在、京都大学河合教授によって不正確にして間違いであると指摘され、学会でも問題になっている。また、眞須美さんがカレー鍋の近くにいて怪しげな動作をするのを見たという近所の住民の証言も信用できないことが明らかになってきている。再審請求の結果はまだ出ていないが、眞須美さんの再審無罪は少しずつ現実味を帯びてきている。

■安倍首相靖国神社参拝違憲訴訟
裁判所はまたも原告意見陳述を認めず

★安倍靖国参拝違憲訴訟の会・関西
 前回一月九日の口頭弁論から、二次訴訟は併合され、二次訴訟原告も原告として参加できることになった。二次原告による意見陳述を裁判所に申入れたが、裁判所は、補助参加を気にしてか、認めず。
 次回口頭弁論では、「敗戦後の靖国神社合祀への被告国の主体的関与」と「平和的生存権」についての準備書面を陳述の予定。
 また、「平和的生存権」について意見書を依頼している沖縄大学(憲法学)の小林武氏を講師とする学習会も開催される。
 小林氏は、名古屋での自衛隊イラク派兵違憲訴訟に学者証人として出廷し、平和的生存権の権利性を明らかにし、違憲判決に導いた。
●第四回連続学習会 二月二十日午後六時半 エル大阪南館一〇二号
  講師 小林 武
☆口頭弁論期日
二月二三日(月)午後二時半
 終了後かみ砕き学習会 弁護士会館九二〇会議室
 四月十日(金)午前十時
大阪地裁二〇二号法廷
 整理券の配布(正面玄関前)

★安倍靖国参拝違憲訴訟の会・東京
 第三回口頭弁論 三月九日(月)午後二時 東京地裁一〇三号法廷
★ノーハプサ第二次訴訟
 第三回口頭弁 三月四日(月)午前十時 東京地裁一〇三号法廷

■川上陽子法務大臣は、死刑を執行するな!
 谷垣法務大臣の執行以来、死刑執行は行われていない。年度末に向けて、法務省は死刑の執行を要請するする可能性がある。
 袴田事件もえん罪であることが確定したわけではない。それどころか、再審決定さえ確定していない。法務省は今も誤判はないという立場を採っている。

■公判日程
2月23日14時半  安倍靖国参拝違憲訴訟*   大阪地裁(民)第4回202号
3月2日11時   監視カメラ個人情報訴訟   大阪地裁(民)
3月6日11時半  和歌山カレー立会&PC国賠  大阪地裁(民)第5回808号
3月9日14時   関電前(令状)*      大阪高裁(刑)判決202号
3月16日13時15分 のぞき見国賠        大阪地裁(民)判決
4月10日10時   安倍靖国参拝違憲訴訟*   大阪地裁(民)第5回202号
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◆1月26日に開かれた、がれき説明会弾圧控訴審判決は、控訴棄却。一審判決は、懲役8月執行猶予2年(求刑2年)
◆関電前(令状逮捕)の一審判決は、懲役10月執行猶予3年
*は傍聴券が抽選になる可能性の高い裁判です。

■催し物
★【公開シンポジウム】科学鑑定と裁判−あるべき科学鑑定を求めて−
 アメリカの「イノセンス・プロジェクト」は、DNA鑑定を用いて無罪を証明し、200人以上の冤罪被害者を救済している。日本でも「足利事件」や「東電女子社員殺害事件」において、犯人識別の誤りが判明し、再審において無罪が確定した。死刑事件についても「袴田事件」では、最新のDNA鑑定が無罪を立証する重要な証拠となっている。
  本シンポジウムでは、毒物鑑定・DNA鑑定の世界的権威であるお二人の科学者に日米の科学鑑定について語っていただき、現在再審請求裁判のみならず、元素分析が議論の対象となっている「和歌山カレー事件」の科学鑑定を検証し、鑑識科学と科学鑑定の現状と課題を明らかにする。
3月1日(日)13:00〜18:30龍谷大学大宮キャンパス東黌
◆当日のスケジュール(予定)
13:00〜 企画の趣旨  石塚伸一 (龍谷大学)
13:10〜 アメリカの炭疽菌テロと日本のサリン事件における科学捜査方法  杜  祖健(コロラド州立大)
14:00〜 DNA型鑑定と日本の科学捜査  勝又義直(名古屋医専)
    14:50〜 休憩
15:00〜 犯罪捜査における科学鑑定の役割  丸茂義輝 (元科警研)
15:30〜 分析化学と鑑定:白鳥事件、ナイロンザイル事件、銑鉄一千万円事件、和歌山カレーヒ素事件  河合 潤(京都大学)
16:00〜 和歌山カレー事件における科学鑑  安田好弘 (第二東京弁護士会)
16:30〜	討議:あるべき科学鑑定を求めて
※参加費無料/要参加申込 申込締切:定員(480名で締切)龍谷大学矯正・保護総合センターHP(http://rcrc.ryukoku.ac.jp/)から
問合せ先:龍谷大学矯正・保護総合センター 〒612-8577 京都市伏見区深草塚本町67 TEL.075-645-2040

★【緊急集会】密告奨励・盗聴拡大を阻止するために
3月13日7時開始(6時40分開場) エルおおさか南館10F102号室
講師:足立 昌勝氏【関東学院大学法学部名誉教授】
資料代  ¥500
主催:共謀罪に反対する市民連絡会・関西

 盗聴・管理社会はゴメンだ!        
 独裁的な安倍政権によって、秘密保護法制定・施行に続き、今年は盗聴法の大改悪、共謀罪の新設が目論まれ、集団的自衛権の容認、通常国会での戦争関連法の制定などの動きと重なりながら、民主主義の根幹である市民の知る権利、通信の自由、表現の自由などが大きく侵害されようとしています。         
 自由な社会を守るために立ち上がろう

★【東京集会】彼女のことが嫌いでも、彼女の無実は知ってください
 林眞須美さんは犯人なのか? 和歌山カレー事件 噂の深層 東京大集会

3月14日(土)午後6時開演 文京区民センター2A会議室
入場無料★カンパ大歓迎
解  説  河合潤(京都大学工学研究科教授)
特別講演  佐藤優
挨  拶  鈴木邦男(林眞須美さんを支援する会代表)
      神田香織(講談師)
      弁護団から
MC    ジョー横溝
主  催  和歌山カレー事件弁護団
連絡先   〒107-0052東京都港区赤坂2-14-13 港合同法律事務所 TEL.03-3585-2331 FAX.03-3585-2330



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