原発右翼の東本さんへの返答(後半部) Re: [CML 039412] Re: 福島原発事故前の茶・しいたけのセシウム137

檜原転石 hinokihara at mis.janis.or.jp
2015年 8月 30日 (日) 08:35:51 JST


檜原転石です。

東本さん、こんちは。

事故前の食品の汚染度がセシウム137で1キログラムあたり0.1ベクレル以
下程度だったものが、事故後には食品の基準値が1キログラムあたり100ベク
レルという途方もない高い基準値に設定されたので、小出裕章は──

【今現在、東北地方を中心にした食べものが汚染されています。日本の国は1キ
ログラムあたり100ベクレル以下なら安全であるかのように言って、何の規制も
無いまま、食べものを流通機構に乗せてしまっています。

しかし、この日本の国で、普通の食べものは、福島の事故がある前は、1キログ
ラムあたり0.1ベクレル程度しか汚れていなかったのです。

1キログラムあたり100ベクレルというのは、事故前の1000倍もの汚染を安全だと
言って、市場に出回らさせるとうことになってしまっているわけです。そんなこ
とは到底私は許せないと思いますし、特にそんな汚染のものを子どもたちに食べ
させることは許せないと思います。】

と言っている。

この発言はどっからみても極めてまっとうな発言で、これをもしデマと呼ぶよう
な人がいるなら、たとえて言うなら、その人は、「南京事件はなかった」と言う
トンデモ(歴史捏造主義者)と目くそ鼻くそです。そうここでは小出裕章が言っ
てもいない“事故前の基準値”を捏造して、デマだと呼ぶのですから、もう滅茶苦
茶です。


さて、これから原発右翼の東本さんの後半部の発言──。


> ちなみに現在の実測値としては「福島県内の子どもの内部被ばく検出人数はゼロ
> 」という結果が出ています。この結果について、N
> HKや新聞報道はほとんどリンクが切れていますのでここでは週刊ダイヤモンド
> の報道をあげておきます。
> http://diamond.jp/articles/-/34646

 もちろんこんなデタラメな検査にはまっとうな科学者からは批判が続出してい
ます。

東本さんは、以下を熟読してください。

▼”医療ガバナンス学会MRIC”に投稿するも、即刻不受理となった『「早野氏論
文」への公開質問状』
http://blog.livedoor.jp/medicalsolutions/archives/51984809.html

 さて御用科学者に関して知る古典(?)の一つに、以下の本があります──

▼スティーブン・J・グールド 『人間の測りまちがい 差別の科学史(上・下)』
http://www.webdoku.jp/shinkan/0808/b_05.html

▼スティーヴン・J・グールド追悼
 書評・人間の測りまちがい
http://www.jca.apc.org/inochi/euge/eugenics08.htm
 
 原発事故後に科学者が間違った測り方で人間を測って核・原発マフィアに奉仕
してしまう典型例を、私は早野らの論文『福島県内における大規模な内部被ばく
調査の結果』(福島県内の子どもの内部被ばく検出人数はゼロ~国内から初、食
事による内部被ばく影響論文~)に見るのですが、貴方はそれをまともに受け
とった訳ですね。

 嘘には3種類あって、ただの嘘・悪質な嘘・統計による嘘とか言いますが、統
計による嘘も検査による嘘も似たようなものです。そういえば性病でもない人に
性病だと偽った検査を見せて薬を処方して大儲けをした医師もいましたね。

 常識で考えて、事故前の1000倍以上に汚染された食品を毎日とって、内部
被曝が検出されないなどということはありえません。

 よって肥田舜太郞──
「尿検査の検出限界はおよそ0.05Bq/kg程度である。単純化して1日の排尿量を
1kgと仮定して全身被曝量に換算する。子どもの場合は生物学的半減期を40日と
して計算すると、2.9Bq/全身となる。これを早野氏らが行った300Bq /全身と比
較するとなんと、103倍も検出感度がよい。大人の場合は生物学的半減期を80日
として、0.05Bq/kgは5.8Bq/全身となり、感度は52倍である。
 要するに早野氏らが行った検査方法であり、福島県がこの方法に固執した(尿
検査を排除した)ホールボディーカウンターの検出限界の50倍から100倍の感度
が尿検査では保証できるのである。尿検査は、排尿の状態に個人差があり、日に
よって異なり、運動量や補水量で1kgあたりの放射線量は異なる。しかし、感度
がよいということ自体のメリットは否定しがたい。数値そのものは誤差があり得
ても検出感度はホールボディーカウンターの50倍から100倍もあるのである。早
野氏らの調査を尿検査で行っていれば、おそらく50%以上の内部被曝者の確認
ができているであろう。
  住民に寄り添い、できるだけ放射能被曝があるかどうかを丁寧に検出しよう
とする意志があるのならば、彼らの行った以外の道が選択されたであろう。」と
いう発言になります。

 事実を言ってもデマだと言う人に何と言うべきか迷いますが、事故以前の食品
汚染の水準は0.01~0.1ベクレル。事故後の基準が余りに高すぎる100
ベクレル。要するに事故前の食品の1000倍以上汚染されている食品でも流通
しているということです。

「1mSvの被ばくで 10,000人中1人ががんになり、そのがんの半分が致死的」とい
う国際放射線防護委員会(ICRP)が現在採用している甘い基準のリスク推定
がありますが、低線量被曝にしきい値がないことをも考慮すれば、1000倍以
上も放射性物質に汚染された食品を食べ続ければ、がん死の確率が増えることな
ど明白です。要するに犯罪企業・東電が放出した放射性物質で人は一定数殺され
るのです。東本さんは、これについては分かりますか?

また、基準値が高いと弊害で何が起こるかというと──

▼study2007『見捨てられた初期被曝』岩波書店、2015年

ページ95──

ところが100Bq/kgという高すぎる基準値は、検出下限値の設定をも高く誘導する
失敗を招きました。福島や茨城、栃木といった高リスクが懸念される県産品です
ら、事故後4年が経過した今でも検出下限値はセシウム核種(134、137)あたり
3~10Bq/kg、もしくはセシウム合算で25Bq/kgという測定がほとんどです。検出
下限値も検出器や測定時間などの条件を設定・調整しているだけで、安全性を担
保する「しきい値」でもなんでもありません。

****

 例えばセシウム137の検出下限値10Bq/kgとすると、事故以前の食品汚染
の水準が0.01~0.1ベクレルですから、汚染が100倍から1000倍の
食品でも検出しないということです。

 加えて──

▼study2007『見捨てられた初期被曝』岩波書店、2015年

ページ95──

 ・・・さらに事故による汚染の濃淡が強く、原発からの距離により数百~数千倍
の濃度差がある食材を混ぜて測定する陰膳検査(引用者注:陰膳方式調査──調査
対象者が実際にとった食事と同じものを科学的に分析し、摂取した栄養素や化学
物質の総量を推定すること。各家庭で食事を1人分多く用意してもらい試料とす
る。陰膳調査。陰膳法。)なども横行しました。これらは人為的に測りにくいサ
ンプルを作成し、本来排除すべき(できた)食材の検出下限値を実質的に緩和し
ているだけにすぎません。仮に1食あたり0.1Bqの見逃しであっても、それが
1000万人に分散され1年間継続すれば追加摂取される放射性核種の総量は10億Bq
に達します。「混ぜてうすめる」のは被害範囲を広げるだけでリスクを減らしま
せん。むしろ、見逃しを助長することで全体の被ばく総量を押し上げることが懸
念されます。特に陰膳調査の一環として導入された「給食丸ごと」検査は、その
対象が多数の子どもであることと半ば強制性をもつことから、最も悪質な措置で
あったと言わざるを得ません。これらの検査は「見かけ上の安心」を粉飾するに
のには適していたかもしれませんが、放射性核種の混入抑制にはほとんど寄与し
ませんでした。子どもたちに食べさせられる汚染度の低い食材は事故直後から入
手可能でした(図5.3、5.4参照)。今からでも学校給食や学生食堂などについて
は、産地選別により十分に遠距離の食材を指定するとともに、混入が疑われる品
目、産地を中心とした食材検査に切り替えるべきと考えます。

*****

 コシアブラは汚染度が高い山菜ですが、他の食材と混ぜて測るとコシアブラの
汚染度が軽減され、結果的にコシアブラもパスしてしまい、一緒に食べてしまう
というわけです。

 また福島の子どもへの被ばくですが・・・

▼study2007『見捨てられた初期被曝』岩波書店、2015年

ページ99──

 被ばくリスクは累積線量で評価・管理するのが原則です。累積追加被ばく量が
1mSvに達するまでに、JAEA平均なら20年、全放射線業務従事者平均でも5年
を要します。それに対し、福島県内では事故後4年間の外部被ばくだけで実効線
量10mSvを超える子どもが大勢います(図5.5(a)、(b))[引用者注:
「空間線量率の将来予測」のグラフ(a)と「積算線量の将来予測」のグラフ
(b)]。この累積被ばくは子どもたちにとって既に「低」線量だとは言えませ
ん。仮に、これらの地域で2019年まで居住し続けた場合、生涯のうちに何らかの
固形がんを誘発される人が100人のうち1人近くになると計算されることになりま
す。また小児白血病に限れば、自然発生の2倍に達する可能性もあります。この
被害は、規模も頻度も決して小さくはありません。安心・安全キャンペーンは予
算がつかなくなれば終わります。しかし、子どもの身体に刻まれた累積被ばく線
量は、後からなかったことにすることは決してできません。



> 何度も同じことを言いますが原発被害の甚大性をいうこと、反原発の主張をする
> ことはきわめて重要なことです。しかし、デマまで創
> り出して反原発を主張することは決して許されることではありません。そういう
> 行為は人々の信頼を失い、やがて反原発運動そのも
> のを決定的にダメにしてしまうでしょう。これも繰り返し、繰り返し指摘してい
> ることですが、すでにその兆候は到るところに出ています。

 自らがウソを捏造して相手がデマを言っていると言い続けるのは、さて何と言
うのでしょうか?貴方が原発問題やっているのは、街宣右翼が道ばたで愚劣な戯
言をどでかい声で張り上げているのと目くそ鼻くそです。私が貴方を原発右翼と
レッテルを張るのは当然なのです。


> 前の檜原氏の記事([CML 039089][CML 039097][CML 039100])もデマに基づくも
> のでした(この記事がデマの受け売りにすぎないこと
> はすでに論証しています[CML 039110])。
>
> これ以上のデマの拡散はやめていただきたい。
>
> 私はデマの拡散をデマの拡散と見抜けずに(たとえば私のCML 039110の投稿を検
> 証するだけでも私の批判している記事がデマ、あ
> るいはデマの受け売り、拡散であることはすぐにわかる体のものであるにもかか
> わらず)それを許容している人たちにも許しがたい
> ものを感じています。そのこともつけ加えておきます。

 これもほぼすべて戯言ですから、反論する必要もないでしょう。

 しかし不思議ですね。貴方は、原発以外の話題では、多少支離滅裂気味です
が、たまにはいいことも言うのに、こと原発問題でのこの圧倒的に間抜けで愚劣
な体たらくは一体何なのですか?何が貴方をそうさせるのですか?

 そこで核・原発マフィアが大喜びしそうな投稿を続ける貴方に一つだけ聞きま
すが、貴方は川内原発再稼働に賛成ですか?


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