[CML 039367] 今日の言葉 ――多くのNHK職員は、自分の現場でそれぞれがベストを尽くすことでなんとか視聴者の信頼をつなぎ止めようと思って踏ん張っている。

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2015年 8月 26日 (水) 17:38:49 JST


【陽気で、坦々として、而も己を売らないことをと】
永田浩三さんの「NHKがこのまま朽ち果てるのはあまりにもったいない。市民の手に取り戻そう」という訴え…というより
「叫び」は、彼の温厚な人柄をよく知るだけにひとしお沁み入るものがあった。現役の職員にも彼と同じ思いを抱く人間
は多い、むしろ多数派だとも思う。一人一人のNHK職員が頑張っているからこそ、永田さんがいうように8月の戦争関
連番組が充実していたのだとぼくも思う。問題は「政治ニュース」がそうした多くの職員の思いとは無縁かつアンタッチャ
ブルな“聖域”として存在する組織構造に(も)あるのだと思う。本来、「報道の自由」、言い換えれば「編集権の不可侵」
は対権力を大前提にした概念である。これは多少でも法律や政治学を齧った人間にとっては「常識」なのだが、現状は
そこが倒錯していて「権力に追随する自由」になっているのが問題だ。いくらおかしいとは思っていても、他セクションの
NHK職員には“聖域”に口出しする回路は用意されていない(その逆はあって、その典型的なケースが永田浩三さんが
当事者であった「ETV2001」番組改変事件である)。だから多くのNHK職員は、自分の現場でそれぞれがベストを尽くす
ことでなんとか視聴者の信頼をつなぎ止めようと思って踏ん張っているのだと思う。微妙で危ういバランスには違いない
が、それ以外に戦場はないから、そこで頑張るほかない。陽気で、坦々として、而も己を売らないことをと…(中原中也)
                                                (toriiyoshiki Twitter 2015年8月26日)


【自分が口にした言葉を愚直に担う生身としての言葉】
SNSの発達でネットリテラシーがあきらかに進化しました。名前も知らない、バックグラウンドも知らない人の書いたもの
を2、3行読んだだけで、それだけで「その先は読むに値するか否か」が判定できる。何を根拠に・・・と考えてみたら「真
率さ」でした。コンテンツの正しさや論理の切れ味よりも「正直」「素直」「誠実」「温和」指標の方が「その先を読む気にさ
せるトリガー」としては強い。「まじめに、正直に生きる」というのはずいぶん古めかしい処世訓でしたが、まさか高度情
報化社会にこれほど有効になるとは思いませんでした。どれほど政治的に正しくても、ロジックが鋭利でも「口の端を歪
めて語られた言葉」は聴くに値しません。なぜなら、そういう言葉は言った本人によって簡単に否認されるし、言葉自体
がダブルミーニングになっているからです。自分が口にした言葉を愚直に担う生身を持たない言葉は聴くに値しません。
ですから、「笑」とか「w」とかが一瞥して目に入ったら、僕は読むのを止めます。そこに「読むに値する知見」が含まれて
いる可能性が絶望的に低いからです。自分の言葉の現実性を担保する身体を持たない言葉を読んで過ごすほど人生
は長くありません。(内田樹Twitter 2015年8月26日)

【山中人間話】

以下、省略。下記をご参照ください。
http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-1489.html


東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
http://mizukith.blog91.fc2.com/ 



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