Re: [CML 039167] 第2巻「風と共に去りぬ」にて 訳者・荒このみ解説つきだ

檜原転石 hinokihara at mis.janis.or.jp
2015年 8月 16日 (日) 07:48:48 JST


檜原転石です。

大山さん、こんちは。

町山智浩は「人間牧場」と呼んでいます。

マルコムX――奴隷制度がしかれていたあいだ、考えてもみなさい、強姦者である
白人の奴隷主の手を逃れえたわれわれ黒人の祖母、われわれの曾祖母、さらにわ
れわれの曾々祖母は、まずいなかったのです

▼マルコムXの祖父は奴隷主
http://blogs.yahoo.co.jp/henatyokokakumei/39394864.html

▼町山智浩が映画『ジャンゴ 繋がれざる者』を語る
https://www.youtube.com/watch?v=1OOUKLPO5hQ

▼小生、大人失格。

文字に。第1回【町山智浩「ジャンゴ 繋がれざる者」紹介】
http://otona-shikkaku.tumblr.com/post/42263752219/文字に第1回町山智浩
ジャンゴ-繋がれざる者紹介

・・・
町山 あんな鞭じゃなくて、白人の人たちが黒人の人たちを打ってた鞭っていう
のは、叩かれると肉が裂けて骨が見えるような鞭なんですよ。それで女の人でも
子供でも叩く訳ですよ、奴隷だから。それをジャンゴが見つけて、その鞭を取り
上げて、白人の監視人をぶっ叩くとこで、お客さんの黒人の人たち大喜びでした
よ!「やったー!!」って感じでしたけど。凄いのは、白人達が黒人の奴隷をい
じめるのを延々と見せて行くんで、わずか150年前にこれだけ酷いことをしてい
たのか、っていうのはね、相当強烈なものがありますね。アメリカ映画っていう
のは、これだけたくさん作られていますけども、白人が黒人を奴隷としてどれだ
け酷いことをしていたかっていう映画は、ほとんど作られていないんですよ。世
界で最初に虐待の実態を見せた映画は、なんとイタリア映画なんですよ。1970年
代にイタリアの「世界残酷物語」っていうシリーズを作っていたドキュメンタ
リー作家のグァルティエロ・ヤコペッティていう監督(町山智浩映画特電第110
回「ヤコペッティ追悼!残酷やらせドキュメンタリーの真実を暴く「野生の
眼」)が「残酷大陸」っていう映画で、「もし南北戦争時代にカメラがタイムト
リップしたら、どういうドキュメンタリーを撮るか」っていう映画を撮ったんで
すね。酷いいじめとか、兎に角、黒人の奴隷の輸入をするときに、船に詰め込ま
れて運ばれるんで、詰め込まれて運ばれる間だけで200万人死んでるんですよ。
その後、奴隷輸入を禁止したら、内部での奴隷取引になるんですね、アメリカ国
内で。どうやってやるかというと、白人の奴隷持ち主が、黒人の女の子を次々と
犯して、子供を産ませて、奴隷との間に産まれた子供を売っぱらうんですよ。



山里・赤江 えーーー。



町山 要するに人間牧場にするんですよね。それぐらい酷いことをやっていたっ
ていうのは、アメリカ映画っていうのは全然描いてなくて。その後、「マンディ
ンゴ」って映画が一回だけ描いたんですよ。で、その後は誰も描かないんです。
タランティーノ監督は勇気があるから、「やってやる!」ということで挑戦して
いるんですね。まぁ酷いですよ。奴隷の人が逃げようとすると、犬をけしかけ
て、犬に食殺されたりしているんです。それをやった後で全員皆殺しにしますか
ら、ジャンゴが!「よくもやってくれたな、この野郎!」とバンバンバンバンバ
ンバンバンバン、殺しまくるんですけど。まぁそういう映画でスカッとはします
けれども、かなりリアルなものを見せて行くんで。今「リンカーン」って映画が
アカデミー賞取りそうですけれども。「リンカーン」のなかでは、なぜリンカー
ンが戦って黒人を解放しなければならなかったのか?っていうのは描かれないん
ですね。要するに、戦っている側の北軍側の眼から見てるから。でも、この
「ジャンゴ」の方ではどれだけ酷いことが行われていたか?っていう実態を見せ
て行くんですよ。だから、2本合わせて見ると良いな、と。リンカーンが戦おう
と思った理由もよくわかる。




On 2015/08/16 7:21, 大山千恵子 wrote:
> 「風と共に去りぬ」 2巻 マーガレット・ミッチェル
> <https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB>
> 荒このみ <https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8D%92%E3%81%93%E3%81%AE%E3%81%BF>
> 岩波文庫 <http://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?isbn=ISBN978-4-00-323421-1>
> 
> 新訳の荒このみ <https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8D%92%E3%81%93%E3%81%AE%E3%81%BF>
> の 1巻 <http://blog.goo.ne.jp/chieko_oyama/e/4a392af34b3adb635d389aee8b5b78cf>
> が面白かったので、2巻に進む。
> 
> 訳者自身の解説、*「マミー現象とアセクシュアリティ(非性化)」*が力作。たいへんに示唆に富む。
> 
> >奴隷制度のもとでは、母親が奴隷であれば、その子どもはすべて奴隷と見なされることになっていたら、白人農園主は財産を増やす目的でも奴隷女と関係を持つことがあった。
> 
> えー、そういう「財産」増やしがあるんだー。そして、その影響とか分析してる。
> 
> --------------- 千恵子メモ ----------------------------------
> 
> <大義>のオンパレード 82
> 
> 州の権利、奴隷、綿花のどれも戦争に値しない。 172
> 
> 戦争の現実はすべて金をめぐるけんかです。 210
> 
> 
> 


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