[CML 039097] バンダジェフスキー博士が警告!「チェルノブイリよりペースが非常に早い」 「微量のセシウムでも健康被害を誘発する可能性あり」

檜原転石 hinokihara at mis.janis.or.jp
2015年 8月 12日 (水) 06:50:55 JST


檜原転石です。

以前と似たような投稿になります。

日本では司法解剖が極端に少ないといわれているが、病理解剖についての数字が
どうなのかを調べてみると、2011年で12623件である。
  病理解剖は主治医からの依頼に対し、遺族が承諾することによって行われる
ようだから、なかなかハードルが高いが、たとえば、フクシマでも主治医が放射
線と心筋梗塞の関係を知らないと、そもそも病理解剖などまず行われない。次
に、何か違う問題点があり、たまたま心筋梗塞で病理解剖が行われたとして
 も、心臓に取り込まれた放射線元素の測定が病理解剖で行われなければ駄目で
ある。

  先行するバンダジェフスキーの研究があるが、フクシマ以後の日本の医者が
放射線と心筋梗塞の知見を知らないと、彼に続く研究が日本では今後何も出てこ
ないという事態もありうる。

・・・

放射線はがん死の危険をかなり高めますが、それ以外の疾患の原因にもなりま
す。ヤブロコフは“老化の加速は、電離放射線による被曝がもたらす、よく知ら
れた影響の一つである”(アレクセイ・V.ヤブロコフ/ヴァシリー・B.ネステレ
ンコ/アレクセイ・V.ネステレンコ /ナタリヤ・E.プレオブラジェンスカヤ
『調査報告 チェルノブイリ被害の全貌』 星川 淳 (監修, 訳)、チェルノブイリ
被害実態レポート翻訳チーム (訳)、2013年 )と書いていますが、「放射線
が老化を加速させる」ということを知っている日本の医者はたぶん少ないでしょう。

また放射線と心臓病の関連についても、一部の医師しか知らないかもしれませ
ん。よってネットで検索すれば、心臓検査「冠動脈CT」などの文字も踊ります。
で、放射線影響研所(放影研)の研究を調べてみると 「放射線被曝と循環器疾
患リスク:広島・長崎の原爆被爆者データ、1950-2003」が見つかります。そこ
には心臓疾患の死亡は0.5グレイ以下でも線量に比例して増加している“過剰
相対リスクの表”が、日本語の要約にはありませんが、英語版にはあります。ま
た国連科学委員会も「非常に高線量で放射線治療を行った患者の心臓血管疾患の
増加はよく知られていることとして認めています。」(『レントゲン、CT検査
 医療被ばくのリスク』高木学校・編著、ちくま文庫、2014年、頁153)

よって、放射線と心臓病の関連については知っている人はいるのですが、医師で
も知らない人が多いかもしれません。そこで、「セシウムは心臓に非常に危険
だ」と言っているバンダジェフスキーの研究を知っている医師はどれだけいるの
だろう?というのが以下の話題です。


■肥田舜太{z『内部被曝』扶桑社新書、2012年

 頁190――(引用者注:【解説】(肥田先生からの手紙 竹野内真理)は頁
183から――)

 政府寄りの学者の講演会がある時には、この本(引用者注:バンダジェフス
キー 『放射性セシウムが人体に与える医学的生物学的影響 チェルノブイリ原
発事故被曝の病理データ』久保田護・訳、合同出版、2011年)を持っていっ
て、「バンダジェフスキーの論文を読んだことありますか?」と聞くだけで、学
者らは答えに窮するであろう。私も「放射能安全論」のような講演をしにきた東
大のお医者様を問い詰めたことがある。実は彼はこの本を読んでいてこの論文の
重大性を理解しており、休み時間になって「実はいろいろ困っている」と弱音を
吐いてくださった。あげくに、「まだまだ読まなければならないロシア語の文献
がたくさんある。竹野内さんはロシア語の翻訳はしないのですか?」と逆に聞か
れたほどである。
  私は日本のすべての医師が、バンダジェフスキー論文を今すぐに読むべきと
考えている。私は茨城大学名誉教授の久保田護さんが翻訳して自費出版したこの
論文を初めて読んだ昨年夏にたいへんな衝撃を受け、さっそく日本医師会にメー
ルを送ったが、当然のように今も無視され続けている。

■バンダジェフスキー 『放射性セシウムが人体に与える医学的生物学的影響 
チェルノブイリ原発事故被曝の病理データ』久保田護・訳、合同出版、2011年

 頁18――

 チェルノブイリ事故後、突然死したゴメリ州の患者の剖検標本を検査したとこ
 ろ、99%の症例で心筋異常が存在することが明らかになった。とくに 注目す
 べき所見は、びまん性の心筋細胞の異常で、これはジストロフィー病変と壊死の
形態をとり、毒作用が働いている証拠である。
  この病理学的変化に付随して、高濃度のセシウム137(およそ26Bq/kg)
が、心筋に取り込まれていることがわかった。慢性心疾患の場合に なると、心
 臓中のセシウム137の濃度は136.8±33.11Bq/kgと数倍も高くなる
(このデータはゴメリ医大の123件の死亡患者と 285件の突然死の患者に
対して病理的な形態調査と放射線元素の計測をおこない、その結果を分析して出
した」。このデータはセシウム137が心筋 組織の異常に関与していることの
証拠である。

▼バンダジェフスキー博士が警告!「チェルノブイリよりペースが非常に早い」
「微量のセシウムでも健康被害を誘発する可能性あり」
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-618.html

・・・

☆バンダジェフスキー博士の警告 人体に入った放射性セシウムの医学的生物学的
影響
URL http://alter.gr.jp/Preview.aspx?id=8691&cls=
引用:
内容要約

食物中のセシウム摂取による内部被曝の研究がほとんどない中、バンダジェフス
キー博士は、大学病院で死亡した患者を解剖し、心臓、腎臓、肝臓などに蓄積し
たセシウム137の量と臓器の細胞組織の変化との関係を調べ、体内のセシウム137
による被曝は低線量でも危険との結論に達した。

*セシウム137の体内における慢性被曝により、細胞の発育と活力プロセスがゆ
がめられ、体内器官(心臓、肝臓、腎臓)の不調の原因になる。大抵いくつかの器
官が同時に放射線の毒作用を受け、代謝機能不全を引き起こす。

*セシウムは男性により多く取り込まれやすく、女性より男性により強い影響が
出ており、より多くのガン、心臓血管不調、寿命の低下が見られる。

*細胞増殖が無視できるかまったくない器官や組織(心筋)は、最大範囲の損傷を
受ける。代謝プロセスや膜細胞組織に大きな影響が生じる。生命維持に必要な多
くの系で乱れが生じるが、その最初は心臓血管系である。

*セシウムの平均蓄積量30.32±0.66Bq/kgにあるゴメリの三歳から七歳の子供は
蓄積量と心電図に比例関係があった。

*チェルノブイリ事故後のゴメリ州住民の突然死の99%に心筋不調があった。持
続性の心臓血管病では、心臓域のセシウム137の濃度は高く、136±33.1Bq/kgと
なっていた。

*ミンスクの子供は20Bq/kg以上のセシウム137濃度を持ち、85%が心電図に病理
変化を記録している。

*ミンスクの子供で、まれに体内放射能が認められない場合もあるが、その
25%に心電図変化がある。このように濃度が低くても、心筋に重大な代謝変化
を起こすのに十分である。

*動物実験で、セシウムは心筋のエネルギー代謝をまかなう酵素を抑制すること
がわかった。

*平均40-60Bq/kgのセシウムは、心筋の微細な構造変化をもたらすことができ、
全細胞の10-40%が代謝不全となり、規則的収縮ができなくなる。

*収縮器官の破損は以下のように観察された。最初にリーシスのないタイプの収
縮が現れ、筋形質ネットの毛細管が広がり、ミトコンドリアが膨れ、病巣筋形質
浮腫が記録された。これは膜浸透性の不調とイオン代謝の重大変化の証拠であ
る。ミエリン様組織の存在は過酸化膜酸化の増大の証拠である。ミトコンドリア
破壊はその増殖と肥大を示し、インターミトコンドリアの数が増えている。持続
する機能緊張と増大する酸素欠乏は内皮浸透性の増進で証明され、上記の組織変
化の理由となりえる。

*動物の体内の100-150Bq/kgのセシウムはさらなる重大な心筋変化、すなわち、
拡散する心筋は損傷、リンパ細胞とマクロファージの病巣浸潤物および血管多血
が認められた。

*900-1000Bq/kgのセシウム蓄積は40%以上の動物の死を招いた。

*クレアチンホスホキナーゼ〔Creatine Phosphokinase, Creatine kinase〕の
ような酵素の抑制により、活力不安定となる。

*血管系が侵され、高血圧が幼児期からも見られることがある。また15キュリー
/km2の汚染地の子供の41.6%に高血圧の症状が見られた。(1キュリー=370億ベ
クレル、従って、15キュリー/km2 =15×3.7×10000=55.5万ベクレル/km2)

*セシウムは血管壁の抗血栓活性を減退させる。

*血管系の病理学的変化は、脳、心臓、腎臓、その他の器官の細胞の破壊を導く。

*腎臓は排出に関与していて、ゴメリ州の大人の死者の腎臓のセシウム濃度は
192.8±25.2Bq/kg、子供の死者では、645±134.9Bq/kgだった


CML メーリングリストの案内