Re: [CML 039089] 今日の言葉 ――デマによって「反原発」を主張しようとする卑しい人間がいることがぼくには許せない。そうした「反原発」は真の被害者である福島の人たちを疎外し、結果的に差別する。

檜原転石 hinokihara at mis.janis.or.jp
2015年 8月 12日 (水) 06:34:52 JST


檜原転石です。

東本さん、こんちは。

簡単に言うと、内部被曝を伴う放射性被爆は人にがん死だけをもたらすのではな
い。よってがん死についての国際放射線防護委員会(ICRP)が現在採用して
いるリスク推定(10,000人が公衆の年間被ばく線量限度である1mSv被ばくすると
その中の0.5人ががん死する)の緩い基準は参考程度に考えてもよいかもしれない。

次に、安斎育郎がずーっと反原発だったから、彼の放射線量測定が常に正しいわ
けではない。

で、次に彼の測定が正しいと仮定しても──

【一方、安斎育郎氏らの実測で、現に 福島で暮らしている人たちの年間追加被
ばく量 (外部被ばく)が概ね1~2mSvに収まっている現状も明らかになった。
1~2mSvの追加被ばくということは、北欧やフランスなどの人々が自然放射線
によって被ばくしている量より遥かに低い。・・・】

こんな結論が出てきてしまうのは無知のなせるわざ。toriiyoshikiはバンダジェ
フスキー 『放射性セシウムが人体に与える医学的生物学的影響 チェルノブイ
リ原発事故被曝の病理データ』(久保田護・訳、合同出版、2011年)という
本を全く読んでいないからで、北欧の人々は放射性セシウムを体内に取り込んで
いるのではない。

また例えば心臓の周りをぐるぐるしている放射性セシウムを無視しても、人間に
とって年間被曝量の2mSvの追加も凄まじい話で、「1mSvの被ばくで 10,000人中
1人ががんになり、そのがんの半分が致死的」の基準は緩く、10倍ぐらいに補正
すると、「1mSvの被ばくで 1000人中1人ががんになり、そのがんの半分が致死
的」になり、「2mSvでは500人中1人ががんになり、そのがんの半分が致死的」
になります。これ自体が恐ろしい数字だ。


私は無駄な医療被曝を避けて、0.05mSvのレントゲンを嫌がっているのに、
この放射線被曝に無頓着なおおらかさは一体何なの?


東本さん、反原発運動へのイチャモンをつけるなら、せめてバンダジェフスキー
の本を読んでからすると良い。助平な誰かが言ってます──「調査なくして発言権
なし」。



On 2015/08/11 19:49, higashimoto takashi wrote:
> 【「福島は危険でなければならない」とでもいうような倒錯した主張】
> 福島では「検出限界を高くしたり、計測時間を故意に短くして、NDという結果を
> 出す工作をしている」などというデマを流布し、そう
> いうデマによって「反原発」を主張しようとする卑しい人間がいることがぼくに
> は許せない(略)。ぼくたちが依拠すべきは「事実」と
> 「合理的思考」の2点であるべきだと思う。結論(例えば「反原発」、あるいは
> 「安倍政権批判」)が同じだからといってデマに与して
> しまえば、それは東電や安倍政権を批判する資格を失うことを意味していると思
> う。(略)福島原発事故による環境汚染は幸いな
> ことに当初懸念されたよりも少なくてすんだ。それはまさに「不幸中の幸い」と
> も言うべきことである。その事実を福島の人たちの
> ために素直に喜ぶことができない「反原発派」がいること自体がぼくには全く信
> じられない。(略)常々思っているのだが、放射能
> に対する恐怖に依拠した「反原発」は脆弱である。それは福島の汚染が懸念され
> たほどではないという事実が明らかになってき
> たときに、そのことを喜ぶどころか、感情的にその事実を否定するしかなくな
> る。そして、真の被害者である福島の人たちを疎外
> し、結果的に差別する。(略)南相馬市立総合病院などの調査によって、子ども
> たちのセシウムによる内部被ばくがほぼゼロに
> なっていることが明らかになってきている。一方、安斎育郎氏らの実測で、現に
> 福島で暮らしている人たちの年間追加被ばく量
> (外部被ばく)が概ね1~2mSvに収まっている現状も明らかになった。
> 1~2mSvの追加被ばくということは、北欧やフランスなどの
> 人々が自然放射線によって被ばくしている量より遥かに低い。もちろん「絶対安
> 心」などとは言えないし、データのない初期被ばく
> の問題も残るが、今後、深刻な健康被害が発生する可能性は当初懸念されたより
> 低くなってきているのが現実だ。(略)そのとき
> に、健康被害に対する恐怖感のみに依拠した「反原発」は説得力を失う。(略)
> 非合理的で感情的なだけの言説には議論に耐え
> うる客観性がない。(略)都合の悪い現実に目を瞑り、「福島は危険でなければ
> ならない」とでもいうような倒錯した主張を行うケー
> スも実際に出てきている。ぼくも非難されることが少なくないが、40年以上最
> 前線で反原発行動を続けてきた安斎育郎さんです
> ら「御用学者」などと罵られる始末だ。こうなると宗教のようなもので、普通の
> 人たちの感覚と遊離し、そして何より現実に福島で
> 暮らしている人たちを傷つける。(toriiyoshiki(NHK-ETVディレク
> ター)Twitter 2015年8月11日)
> 


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