[CML 039068] 内田聖子のTPPウォッチ!vol.8 / ハワイでのTPP閣僚会合緊急報告会の映像アーカイブ

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2015年 8月 11日 (火) 01:31:49 JST


紅林進です。


私も会員になっていますNPOアジア太平洋資料センター(PARC)では、
7月28日~31日に、ハワイ州マウイ島にて開催されたTPP閣僚会合
の現地に内田聖子事務局長を派遣し、他の市民団体や国際NGOの
人たちとともに、会合の様子をウォッチするとともに、現地でTPP反対
のデモなども行いましたが、このハワイでのTPP閣僚会合に関して
内田事務局長が書いた「内田聖子のTPPウォッチ !vol.8」を「PARC
メール通信vol.8」より転載させていただきます。

なお先日8月5日(水)に開催しましたこのハワイでのTPP閣僚会合
についての緊急報告会の模様は下記の映像アーカイブでご覧いた
だけます。
https://www.youtube.com/watch?v=f75RdsNKo1k


(以下、転載)

ハワイTPP閣僚会合 現地参加へのカンパをくださった皆様
(BCCで失礼いたします)

暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか?
PARCの内田聖子です。

先日、御礼の第一報とともに報告会のお知らせをお送りいたしました。おかげさ
まで急な呼びかけにも関わらず100名近くの方がご参加くださいました。寄付者
の方も多くご参加いただき、中には福岡からわざわざ報告会のためだけに来京く
ださった方もおられました。改めて御礼申し上げます。

ハワイ会合で「合意失敗」という結果になりましたが、その後「8月中に閣僚会
合」との情報も流れましたが、結局その案は無理となりました。しかし9月以降
に会合がセットさせる危険
 性も残っております。引き続きウォ ッチしていきたい
と思います。

本日は、2件のお知らせです。

1)8月5日(水)の緊急報告会の様子が映像アーカイブでご覧いただけます。
見逃した方はぜひこちらからご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=f75RdsNKo1k

2)8月11日(火)14:00~、IWJに山田正彦さんとともに出演します。
チャンネルは未定ですが、わかり次第ツイッターで拡散しますのでぜひご覧くだ
さい。
ツイッター:https://twitter.com/uchidashoko


また後日となりますが、報告記事や写真もUPいたします。

熱中症対策など万全にして夏を乗り切りましょう!

内田聖子
 

(以下、転送・転載歓迎)
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★内田聖子のTPPウォッチ !vol.8 

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 ★内田聖子のTPPウォッチ

 7月28日~31日まで、ハワイ州マウイ島にてTPP閣僚会合が開かれました。
「最後の閣僚会合」といわれてもう4度目を迎えるこの会合は、
普通に考えれば課題山積であり「大筋合意」などには程遠いという状態でした。
しかし、一刻も早い妥結をめざす日米両国は、無理やりにでも、
形だけでも「大筋合意」をつくりたいと、
交渉の始まる前から最終日の共同記者会見の日時をセットし、
マスメディアにも広く「大筋合意が実現する」と事
 前に通知
 していたようです。

 しかし、実は現在のTPP交渉とは、
多数の二国間交渉の集合体に過ぎないというのが実態で、
現にハワイでも閣僚会合といっても二国間交渉がメインで、
12カ国での会合は一日のうちでもわずかな時間しか割かれていませんでした。

 それでも、知的財産や国有企業など「難航分野」とされる課題に目処が立てば、
「大筋合意」とアナウンスしたいというのが日米の希望でした。
しかし、このように経済力にものを言わせて日米だけでつくられるシナリオに
対する「抵抗」ともいえる動きが次々と起こっていきます。

 まずはメキシコが、自動車の原産地規則問題をめぐり日米での合意に異を唱えます。
NAFTAレベルの62.5%でなければ飲まない、との
 発言に他国の閣僚も驚いたそうです。
これがきっかけとなり、ニュージーランドは乳製品の輸出に関し、
日米などにさらなる市場開放を要求。
またオーストラリアと米国の間では知財分野で医薬品データ保護期間をめぐり深刻な対立が深まりました。

 つまり、これは日米への「批判」であり、
またTPPのような高度な自由貿易の無理が露呈したことであり、
さらにいえば国内的にはTPAの縛りがあるため大幅な妥協ができない
米国の矛盾が改めて噴出したわけです。
メキシコの異議申し立てについてある海外ニュースは
「メキシコは大きな歯車の中に、小さなスパナを投げ入れた」と形容されました。
まさに、日米が描いた「大筋合意」シナリオという歯車に、
たった一つの
 スパナ(=問題要素)を投げ込むことで、
交渉全体の動きが完全に止まってしまったわけです。

 もちろん、どの国もTPP交渉をやめたいわけではありません。
ニュージーランドにせよ、マレーシアにせよ、オーストラリアにせよ、
メキシコにせよ、共通するのは「安易な妥協はしない」
「日米のような大国のいいなりにはならない」
「本気で自国の国益を守る」という明確な外交姿勢です。

 このような国々に対して、日本のマスメディアはこぞって
「交渉をダメにしたのはニュージランド」と悪者のように書きたてていることに、
私は本当に驚きました。
甘利大臣自らが、「どこかの国は頭を冷やしてもらわないと困る」などと
ニュージーランドを指して愚弄するような発
 言をしています。
では日本は何を守り、何を主張しているのでしょう? 

農産物の関税協議では早々に米国に譲歩をし、
逆に攻めの分野であるはずの自動車分野では米国の抵抗に負けていくという図式です。
自国の生きる道を必死で守るためにぎりぎりのタイミングで主張をしたニュージーランドを、
早々に「国益」を譲歩した日本が責めるのは筋違いも甚だしい。

 ハワイ交渉では各国間の対立―人間的な関係性も含めて―は非常に深刻だったといえます。
確かに日本政府からすれば、「まさかメキシコやニュージーランドがここで抵抗
するとは夢にも思わなかった」ということなのでしょう。
が、この対立を解決し、何とかTPPを妥結しようと日米は会合直後から動いています
 。

8月中の閣僚会合は見送られたものの、9月、10月というタイミングもあ
り得ます。またたとえTPPが漂流したとしても、
日米並行協議で約束させられた中身は引き続き米国から実施を求められることになります。

 海外のNGOの仲間たちとは、
「Fights Continue!!(闘いは続くよね!)」といって別れました。
引き続き交渉の動きを厳しくウォッチしていきたいと思います。
 今回カンパをくださった皆様には改めて御礼を申し上げます。

8月5日(水)の緊急報告会の様子が映像アーカイブでご覧いただけます。
見逃した方はぜひこちらからご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=f75RdsNKo1k


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