[CML 038923] 満州も舞台とし、731部隊についても登場する演劇が全国放送されます

京都の菊池です。 ekmizu8791 at ezweb.ne.jp
2015年 8月 2日 (日) 08:00:24 JST


満州も舞台とし、731部隊についても登場する演劇が全国放送されます


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京都の菊池です。

野田秀樹 作 「エッグ」が全国放送されます。
(今日8/2深夜の放送なので、録画して見てはと思います)

※「エッグ」の戯曲は出版されています。
エッグ/MIWA―21世紀から20世紀を覗く戯曲集
野田秀樹 著
出版社: 新潮社
出版日: 2015/1/30
https://www.shinchosha.co.jp/book/340517/
を参照ください。


NHK番組表
http://www2.nhk.or.jp/hensei/program/read/c.cgi?a=001&c=10&f=top
より


NHKBSプレミアム
8/2深夜
8月3日午前0時20分から 3日午前4時45分(放送時間265分間) 

プレミアムステージ「エッグ」「半神」

8月のプレミアムステージは、野田秀樹作品の2本立て。<前半>に今年2月に再演された「エッグ」、<後半>に昨年12月に放送した「半神」をアンコール放送

8月のプレミアムステージは、<前半>「エッグ」。
架空のスポーツ種目“エッグ”に情熱を注ぎ、オリンピックで栄光をつかむ日を夢見続ける2人のアスリートの純粋さと愛情、
そして、“エッグ”をめぐる様々な人物の熱狂を浮き彫りにしながら、
時代の大きなうねりに翻弄されてゆく姿を描く。作・演出:野田秀樹 音楽:椎名林檎 
出演:妻夫木聡、深津絵里、仲村トオル他 
<後半>韓国人キャストによる「半神」のアンコール放送。
【作】野田秀樹,
【出演】妻夫木聡,深津絵里,仲村トオル,秋山菜津子,大倉孝二,藤井隆,野田秀樹,橋爪功,深井順子,内田慈,大西智子,秋草瑠衣子,板橋駿谷,大石貴也,川原田樹,菊沢将憲,久保田武人,近藤彩香,佐藤ばびぶべ,佐藤悠玄,下司尚実,白倉裕二,竹内宏樹,永田恵実,西田夏奈子,野口卓磨,益山貴司,的場祐太,
【演出】野田秀樹,
【音楽】椎名林檎

とのこと。

「エッグ」について

野田秀樹インタビュー 「エッグ」パリ公演 - フランスニュースダイジェスト
特集   野田秀樹インタビュー 「エッグ」パリ公演 
 2 avril 2015 No 1021 
分からないものを見ようとする寛容さ ─フランス公演に確かな手応え
 野田秀樹「エッグ」パリ公演

http://www.newsdigest.fr/newsfr/features/7049-noda-hideki.html

より


・・・
野田秀樹作「エッグ」のパリ公演は初日の3月3日、万雷の拍手で盛況であった。
パリ国立シャイヨー劇場(Jean Vilar大ホール)での日本現代演劇の公演は、寺山修司の「奴婢訓」以来33年ぶり。
劇中では偶然にも「エッグ」という幻の戯曲を書いたのが寺山となっているが、
寺山に処女作の劇評を書いてもらったという野田は、「寺山さんは、(エッグが)こんな作りになって気に入ってくれているのではないか」と語る。
そうそうたる俳優陣を含む総勢60人を引き連れてのパリ公演は、日本巡演の間に行われた。
千秋楽の8日、上演前の貴重な時間に野田氏にお話をうかがうことができた。
 (インタビュー・文 : 林 正和)

・・・
舞台は架空の「エッグ」という競技で五輪種目を目指す、という想定。
時代が1964年から日中戦争の満州へと移り、スピーディーに展開する。
日本語でもストーリーを追うのは大変だが、パリの観客の理解度をどう見たであろうか。

「昨年『THE BEE』を見てくださったお客様が、今回の『エッグ』について口コミなどで評判を広めてくれたという印象があります。
上演後、見にきてくれた人に感想を聞いてみると、全てを理解してくれた訳ではありませんが、スケール感も日本の歴史が背景にあることも十分伝わっていたようです。反応は非常に良かったのでは」

「エッグ」の初演は2012年だから、今回は再演ということになるが、戯曲自体はあまり変わってないようだ。

「初演のときには、情報量が多くて複雑過ぎるという感想が多かった気がしますが、
再演ではわざとスピードを落としました。そのことによってシーンの続きなどが分かりやすくなったように思います。
台本を変えてないの? と聞かれたほど、人によっては印象が違ったようです」

20世紀に大衆を熱狂させたもの

「エッグ」は2020年の東京での五輪開催決定以前に執筆されたが、
1940年に日中戦争で中止になった五輪、さらには64年の実際に開催された五輪と、五輪を鍵に20世紀の歴史を俯瞰(ふかん)するという視点は、
2020年の五輪まで見据えた先見性の証かもしれない。

「スポーツが国を背負った場合のナショナリズム、急に人を煽る力には異様な吸引力があります。
スポーツでは理屈関係なく自分の国を応援してしまう、そんな人間の危うさが面白いとも感じています。 

2002年、サッカーの日韓ワールドカップ初戦で日本を応援するためにスタジアムに行く前、青い服を着てくるようにアドバイスされました。『嫌だ。自分の好きな服を着ていくよ』と言ったら、『浮くよ』と。その言葉に疑問を持っていましたが、案の定日本チームの応援席は青い服の人ばかり。
しかも、日本が点を入れると、立ち上がって自分も隣の知らない人と抱き合っていました(笑)。
青い服を着ないと言っている男までも巻き込み、いつの間にか大衆を熱狂させるスポーツのすごさ。
20世紀に民衆を扇動したスポーツや音楽は、コマーシャリズムの発達と共に巨大化していきました。
さらに言うと、大衆を狂信させたものに20世紀の二つの戦争があり、スポーツ、音楽、戦争の三つに共通性を見つけたのです。
それが、では舞台ごと満州に連れていってしまえ、という野心に変わったのです」 

ナショナリズムはスポーツだけで語れなかった。
満州での舞台は、旧日本軍の「731部隊」の人体実験などにも言及するなど歴史の深層をえぐり出そうとする意図も感じられる。

「スポーツで満州を舞台にするなら、以前から書いてみたいと思っていた題材である731部隊を登場させることができると思いました。
ただ、書いているうちに満州について驚くほど知らない物語があったんだなと実感し、この問題だけで戯曲が書けてしまうような奥の深さがあることに気が付きました」と語る。
野田は舞台で芸術監督だけでなくその愛人までを演じる一方で、満州国を日本の愛人の物語としてくくってしまうというような意図も隠されているそうだ。 

荒んだ風景を感じさせる舞台装置について、「昨日見に来たイギリス人はアウシュビッツに見えたと言っていました」という、野田も意識しなかった効果が生まれていた。・・・


菊池
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